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東京証券取引所に聞く 収益チャンスが拡大中の「有価証券オプション」。スプレッド縮小と板の厚さを再確認したい

東証デリバティブ市場が変わる!

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「有価証券オプション」(愛称「かぶオプ」)の取引が活況だ。2013年11月には、立会内取引が始まって以来の月間最高取引高を記録。同12月も同様の勢いを見せているという。個人投資家にとっては、かぶオプによる収益チャンスが広がっている結果となっている。その現状と背景について、東京証券取引所派生商品部の成田彩夏氏に聞いた。


取引執行コストの低減と約定しやすさの向上

東京証券取引所派生商品部
成田彩夏氏

「『かぶオプ』の立会内取引が2013年11月は過去最高の取引高で、その勢いは12月も同様。ここ最近で一気に盛り上がった状況です。2013年12月13日には、『TOPIX連動型上場投資信託』(1306)のプット(売る権利)で2,000枚の約定が2回ありました。大口取引が立会内で約定するのが最近の特徴です」。東証の成田彩夏氏は、かぶオプの現状をこう説明する。

このところ活況を呈しているかぶオプだが、その背景は大きく2つのポイントがあるという。「1つめは、スプレッド(買い気配と売り気配の差)が縮小して取引執行コストが低くなっていること。2つめが、板が厚くなって投資家が思った通りの値段で約定しやすくなっていること」(成田氏)。それらの市況動向に気づいた投資家が、以前よりも積極的にかぶオプ取引に参加してきている結果、というわけである。

下のグラフは、かぶオプでよく取引されている5銘柄(ATM)の立会時間内のスプレッド推移を、SQ日の翌営業日2日で比較したもの。グリーン部が2013年8月12日、オレンジ部が同12月16日だ。この5銘柄以外も全体としても縮小傾向にあるが、「なかにはスプレッドが9割近くも縮小した銘柄もある」(成田氏)という。



下図は「三菱UFJフィナンシャル・グループ」(8306)と「野村ホールディングス」(8604)の任意時点での板状況だ(いずれもプット)。いずれも、2013年8月12日から12月6日に向かってスプレッドが狭く、板が厚くなっている。具体的には、「三菱UFJフィナンシャル・グループ」(8306)のAsk100枚/Bid50枚がAsk500枚/Bid500枚へ、「野村ホールディングス」(8604)がAsk50枚/Bid50枚からAsk300枚/Bid300枚へと厚くなっている。


東証がまとめた2013年12月時点で比較的流動性が高い銘柄群が下表である。2013年8月から同11月におけるスプレッドの原資産株価比で、縮小率の上位5銘柄。いわばスプレッド状況が良く、低コストで取引しやすい代表的な銘柄ということができる。また、とくに板が厚くなって取引が活況な銘柄も挙げてみた。


マーケットメイクされやすい33銘柄を公表

なぜいま、スプレッドが狭くなってきているのか。その背景には、オプション価格を提示する証券会社であるマーケットメイカーの積極的な値付けがある。

「オプション市場が発展すると日本のデリバティブ市場が劇的に変わるはず――欧米に比べればまだまだ小さいですが、潜在的に大きく伸びる余地があると判断した証券各社がいま、積極的にマーケットメイクに協力してくれています。いま、その市況の変化に気づいた一部の投資家さんが取引に参加している格好です」(成田氏)

東証では、マーケットメイクされやすい銘柄として以下の33銘柄を公表している。「原資産グループ1」はスプレッド推移グラフで紹介した5銘柄。いつでも売買しやすく(=反対売買して決済しやすい)、「最近の板状況を再確認したい方や、かぶオプが初めてでどんな銘柄があるか見てみたい方に適した銘柄群といえます」(成田氏)。

「原資産グループ2」は、上記以外で取引候補となり得る銘柄群。「かぶオプは現在、170銘柄ありますが、それぞれにコール/プット、いくつかの権利行使価格があって『どの銘柄で取引したらよいか、流動性が高い銘柄はどれかわかりづらい』という投資家さんも多いようです。まずは、これら33銘柄から注目していだだければ」と成田氏は話している。


かぶオプの短期売買が新たな収益チャンスに

取引コストが低くなっていることで、かぶオプの新しい活用法が生まれてきている。「これまでは、ご自身が保有する現物株式の株価変動リスクをコントロールする目的で、カバード・コール戦略を活用する方が目立ちました。最近はスプレッドが狭くなったことで、デイトレードもしくは2~3日での短期売買で利益を得るチャンスが増えています。これまでは取引執行コストが高かったり、相場が動かなくてAsk/Bidが変わらないことがありましたが、昨今の相場とスプレッド縮小によって短期売買の優位性が相対的に高まっています」(成田氏)。

たとえば、2013年11月25日におけるトヨタ自動車(7203)の現物株式とかぶオプ(2013年12月限6,500円コール)を比べてみる(下図参照)。現物株式は最安値6,360円で買って、最高値6,430円で売ったとする。1単位=100株なので7,000円の利益。その投資資金(63万6,000円)をかぶオプで取引すると、最安値88円で1枚買うなら合計72単位買うことができる。それを最高値の95円で売ったとしよう。1枚あたりの利益は7円なので、全体(72単位)で50,400円の利益になり、現物株式の取引よりも約7.2倍の利益を得たことになる。

「これまではスプレッドが離れていたので、ベストAskで買ってベストBidで売ろうとしても、売れなかったり利益が出なかったりしていました。最近は狭いスプレッドによってデイトレードもしくは2~3日での短期売買がしやすくなっており、相場観をおもちの投資家さんならレバレッジが効いて、より大きな利益を得るチャンスが増えています」(成田氏)。


東証ウェブサイトや取扱い証券会社ですぐチェック!

かぶオプは現物株式の取引と比べて、「売る権利を売る」「買う権利を売る」など難しいという意見もよく聞く。ただし、Ask(売値)/Bid(買値)の板だけを考えるとシンプルで、現物株式とそう大きく変わらない取引と考えることもできる。オプション取引とは、複雑な取引方法(投資戦略)もある一方、単純でわかりやすい売買もできる"幅の広い取引"ということができる。オプション価格も数十円という銘柄もあるので、5,000円や1万円から売買できる気軽さも併せもっている。

「かぶオプをはじめとしたオプション取引は、先物よりも安心して取引できる部分もある」という。「たとえば先物取引では、証拠金や追い証が発生するケースがありますが、オプション取引では買いから入れば自分が投資した金額(オプション購入代金)より損失が大きくなることはありません」(成田氏)。

東証は毎日、全170銘柄(2013年12月現在)の各種データを公表。「かぶオプチャート」から、過去データを含めたさまざまな時系列データを入手することができる。これらのデータを使って自分で計算して取引できれば、不確定要素を極力排して合理的に利益を狙うことができるだろう。かぶオプでの取引を仮想体験できる「かぶオプシミュレーター」も提供中だ(無料、要会員登録)。

かぶオプを取扱っている証券会社は、インタラクティブ・ブローカーズ証券カブドットコム証券光世証券SBI証券東海東京証券の合計5社。まずは、板情報を再確認して新たな収益獲得チャンスを見つけてほしい。


注記:すべてのグラフ・図・表の出典:東京証券取引所



 
   
    

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