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光世証券・巽社長に聞く 対面営業とネットの融合を基本に、 オプション取引の大衆化を進めたい。

デリバティブ投資のポイント!(デリバティブ投資の魅力とリスク)

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今年(2014年)3月、日本のデリバティブ取引が大阪取引所に一本化(統合)された。証券各社のデリバティブ取引に対する今後の取り組みに注目が集まるなかで、4月に入って取扱商品を拡充したのが光世証券だ。大阪取引所の上場デリバティブ全商品を取引できるようになった。同社の巽大介社長に、デリバティブ取引への取り組みと日本人の投資観について聞いた。


日本の個人投資家にとって先物・オプションなどのデリバティブ取引は、どのような位置づけにあるとお考えですか。

光世証券 巽大介社長
巽社長

積極的に株式投資しようと思わなくても、相続などをきっかけに株式をもっている方は相当数いらっしゃる。大きく増やそうとは思わないが絶対に損はしたくない、損失を限定させながら、利益は極大化したいと考えるお客さまは多いはずです。デリバティブ取引は、このような方々のニーズに合った取引といえます。

株価指数の先物やオプションは、投資する銘柄を探し出す手間がかかりません。個別銘柄への投資ほど細かな分析の必要がなく、業種や銘柄の固有リスクを取らずに済む「わかりやすさ」が大きなメリットのひとつです。少額から投資でき、株価が動かない相場でも収益が期待できる戦略があるのもデリバティブの魅力。こうした理由から、先物・オプション取引こそ個人投資家に適している取引だと、当社はずっと訴えてきました。

ところが日本では、「デリバティブは危ない」「個人投資家には難しすぎる」という、いわば負のイメージばかりが強調されています。確かにデリバティブ取引にはさまざまあり、使い方次第では大きなリスクを伴うことも事実。しかし、基本的にはリスクをコントロールできる取引です。取引の仕組みを理解し、そのうえで目的に合った使い方をすることで危険なものではなくなるはずです。

当社ではお客さまに、自己責任の原則の観点からも「ご自分がわかりやすい、理解できるものに投資しましょう」と、お話しています。たとえば、日経平均先物やFXは、多くの個人投資家に利用されていますが、その背景に「誰でも値段がわかるので、適正な価格で取引することができる」という安心感があるからです。値動きの情報が入手しやすく、自分の資産の損益がいつも把握できるような商品に投資すべきでしょう。

デリバティブ取引に関する光世証券の特徴的な取り組みを教えてください。
巽社長

大きく分けて3点あります。
1点目は、当社は大阪取引所のデリバティブ商品をすべて取扱っていることです。個人投資家のお客さまにすべての商品を対面とネットで提供しているのは、現状では当社だけです。とくに国債先物や有価証券オプション(かぶオプ)を取り扱っている証券会社は少ないため、多くの問い合せをいただいています。株価指数だけでなく、国債や個別株などを対象にしたデリバティブ取引を加えることによって、より多様な投資戦略を考えることが可能となります。

2点目は、かぶオプの「売り」や「権利行使」も可能にしていることです。これにより、保有する株式の運用利回りを向上させる「カバード・コール(愛称カバコ)」や、買いたい株式を指値買いより効率的にねらえる「ターゲット・バイイング」などの戦略をとることができます。このほかにもかぶオプの投資戦略はたくさんあるので、お客さま一人ひとりの投資スタイルに合った戦略を見つけられると思います。

 3点目が対面営業とネット取引の融合です。つまるところ当社は、「デリバティブ、特にオプション取引の大衆化」を目指しています。それには、お客さまにデリバティブ取引の戦略とその有効性を正しく理解していただくことが大事です。インターネット取引だけでこれらを伝えることは難しく、身近な相談相手が必要でしょう。

 そもそも対面営業とネット取引は対立するものではなく、双方の相乗効果によってお客さまのメリットを最大化するものです。当社は対面営業とネット取引を区別せず、すべてのお客様に専任の担当者をお付けしています。きめ細かな「Face to Faceのコンサルティング」を提供しながらネット取引も用意することで、より利便性を高めた質の高いサービスを目指しています。

そのうえで自社の強みを挙げるとすると。
巽社長

当社の営業拠点は大阪・東京の2カ所だけ。大きな所帯でないからこそできる、お客さまとのきめ細かなお付き合いを心がけてきました。当社でもネット取引の売買代金は拡大していますが、これは利便性向上のために、より身近な仕組みを整えてきた結果であって、お客さまに丁寧に向き合う姿勢は、ネット取引導入以前と比べて少しも変わっていません。

 デリバティブ取引に限らず、投資には必ずリスクが存在します。すべての投資家はそれを理解することが必要ですし、われわれ証券会社にはそれをわかりやすく伝える責任があります。その具体的な取り組みのひとつが、大阪・東京で実施しているプライベートセミナーです。一人ひとりのお客さまに対して、より理解を深めていただくため地道に続けています。

当社には一般的な金融機関のような営業カウンターがありません。独立資本の証券会社なので、親会社からの営業指示のようなものも存在しません。だからこそ、お客さまの事情や背景をきちんとお伺いしながら、それぞれの資産運用や投資戦略のご提案が可能になっています。

大阪に本拠地をもつこともデリバティブ取引に関しては大きな意味があるでしょう。ご存知の通り、世界で初めて先物取引がおこなわれたのは大阪・堂島米相場。1730年、いまから280年以上前です。堂島米相場に関する本を読むと、火縄を燃やしてその時間内だけ取引するなど、当時の人は結構賢く取引しています。「市場のことは市場で終わって後の係争はなし」など、280年以上前にやっていたことは現代のわれわれにも見習うべき点が多いのです。

相場に関して大阪は、先進的な仕組みと投資家が存在する場所だったわけです。日本のデリバティブ取引が大阪取引所に統合されたことで、取引参加者である金融機関も今後は大阪に集まってくるでしょう。人が集まれば情報が集まります。これは大阪取引所にとって大きな意味があり、当社の強みにもつながるのではないでしょうか。

改めてお聞きしますが、日本人の投資観や資産運用について、どのようにとらえていますか。
副総理兼財務大臣、金融担当大臣 麻生太郎氏
巽社長

世界で2番目に多い個人金融資産をいかに活用していくかが経済発展の鍵であり、日本の成長戦略の要になると思うのですが、洗練された投資立国というには道半ばではないでしょうか。聖書に出てくる「タラントンの例え」が好例です。あるとき主人が3人の従僕に、それぞれ5タラントン、2タラントン、1タラントンの金額を預けて旅に出ます。前の2人は預かったお金を運用して、2倍に増やして褒められる。1タラントンを預かった最後の1人は「ご主人さまの大切なお金を失ってはいけないので、土に埋めて保管しておきました」と言って、主人をがっかりさせてしまう話です。
多くの日本人は最後の1人と同じで、減らさなかったのが偉いと思っています。その結果、日本の個人金融資産は預貯金に圧倒的に偏っています。ところが意外なことに、株式の売買代金は突出して多いのです。これは、個人投資家のデイトレーダー化やHFT(超高速取引)を含めた、外国人投資家の取引がその7~8割を占めているからです。ファンダメンタルズや企業業績などに着目して長期投資する投資家は非常に少ない。東証に参加する限られた投資家が相当なスピードで投機に走っているわけです。これでは先進国の洗練されたマーケットとはいえません。

今年(2014年)から導入されたNISA(少額投資非課税制度)は、多くの人びとの関心を株式市場に呼び込んだという点で大きな意味をもつでしょう。制度としてはこれから進化していくと思いますが、現状では当社のお客さまには使いにくい部分もあります。当社のお客さまのように、有価証券や不動産などの資産全体の運用を一元的に考えていらっしゃる方にとっては、税制は非常に重要です。他の資産を含めた損益通算ができなければ使い勝手は良くありません。まだまだ現行の制度では不十分でしょう。

いわゆる"オレオレ詐欺"や"未公開株詐欺"の被害が後を絶ちません。都合のいい儲け話があるはずはないのですが、ついつい安易に考えてしまいます。投資についても同様で、ようやく株式などの有価証券へ少しずつシフトする投資家がいる一方、FXなど急速に投機へ進む人たちが増えてきています。極端に偏るきらいがあるようです。個人の資産運用としてはその中庸の考え方がとても重要になりますが、まだまだ途上にあるといえるでしょう。

失礼を重々承知のうえで申し上げれば、多くの日本人は運用下手だし、金融リテラシーにも不十分な面があるように思います。投資家ご本人が自分自身で考えるということが何より大切です。その考える材料として、取引に関しての注意点やルールをお伝えしつつ、リスクをコントロールしながら多様な戦略を提案することに、証券会社の存在意義があります。そこで、信頼に足る相手としてお客さまから選ばれなければ、当社も生き残ることができないと考えています。


掲載日:2014年5月19日

 
   
    

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