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楽しい投資と儲かる投資

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株式や債券に投資する資産運用の成果を決める要素には、主に資産配分、投資タイミング、銘柄選択の3つがあります。その中でも資産配分、つまりアセットアロケーションが一番重要であるというのは、金融の仕事に関わる人であれば誰でも知っていることです。にも関わらず、マネー誌の特集を見ると、株式や為替をどのように売買したら良いかという「投資タイミング」や値上がりする銘柄は何かを考えるような「銘柄選択」の記事ばかりです。

その理由は「儲かる投資」より「楽しい投資」の方が読者に支持されるからです。

マクロ経済を分析したり、アナリストや経済評論家の意見を参考にしながら、これからの相場を考え、投資タイミングをあれこれ議論するのは楽しいものです。また投資信託のインデックスファンドを選ぶより、株式投資のどの銘柄を選ぶかを考える方が、何だかワクワクしてきます。しかし、楽しい投資と儲かる投資は区別すべきではないかと私は考えます。投資タイミングや銘柄選択を否定するわけではありませんが、それだけにエネルギーを割いて、結局投資の成果が上がっていない投資家は多いのです。

「楽しい投資のワナ」は金融商品だけではありません。最近ワイン投資にはまっています。ワイン投資というのは購入したワインが10年後、20年後に、購入時よりも値上がりすることを見越して、保管しておく長期の投資です。フランスのボルドーやブルゴーニュの高級ワインが対象になるのですが、ここにも楽しい投資と儲かる投資の違いがありました。飲んでいておいしいワインと、投資対象として値上がりが期待できるワインは必ずしも一致しないのです。ワインを楽しみ、比較試飲して美味しいワインを選べば高いリターンが実現するわけではありません。むしろ、味よりも生産本数や生産者のブランド、ワイン評論家の評価ポイントといった別の要素の方が、圧倒的に影響力を持つのです。つまり、ワイン投資も自分でワインを飲んで銘柄を選ぶ「楽しい投資」をしても決して成果が上がるものではないということです。

このように、楽しい投資に魅了され、投資のリターンが上がらないというワナに陥らないためには、投資の目的とそれを達成するために必要な時期と金額(いつまでにいくら)を明確にしておくことです。何のために投資をするのかが明確になればなるほど、楽しいことよりも効果があることに時間を割こうという気になってきます。

退屈な投資でも、セオリーに沿ってコツコツ長期で続けていれば、積み重ねが成果になって現れます。思った通りの成果が出ないという人は、自分の投資はもしかして「楽しい投資」になっていないか?と問いかけてみてください。

 

内藤 忍(ないとう しのぶ)プロフィール
過去コラム一覧

内藤 忍

株式会社資産デザイン研究所代表取締役社長
一般社団法人海外資産運用教育協会代表理事

1986年東京大学経済学部卒。
1991年MITスローン・スクール・オブ・マネジメント卒(MBA)。
住友信託銀行、シュローダー投信投資顧問、を経てマネックス証券の創業に参加。
マネックス・ユニバーシティ代表取締役社長、クレディ・スイス証券プライベートバンキング本部ディレクターなどを歴任後、株式会社資産デザイン研究所を設立。
丸の内朝大学や早稲田大学オープンカレッジなどでセミナーや講演を行っている。
また、一般社団法人海外資産運用教育協会代表理事として、日本人のこれからの資産運用を啓蒙するための人材育成を展開。

主な著書に、シリーズ12万部を超えるベストセラーとなった「内藤忍の資産設計塾」シリーズ(自由国民社)、「60歳までに1億円つくる術」(幻冬舎)、「「好き」を極める仕事術」(講談社)、「丸の内朝大学マネーの教科書」(朝日新聞出版)、「内藤忍の投資手帳」(ディスカヴァー21)など多数。
最新刊「貯金が1000万円になったら資産運用を考えなさい!」(ディスカヴァー21)が2013年8月に発売予定。

公益社団法人日本証券業協会証券検定会員。

掲載日:2013年7月30日

 
 
    

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