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「投資教育」について想う

こんにちは。鎌倉投信の鎌田恭幸です。

鎌倉投信に初めて来られた方は、誰もが「分かりにくい場所にあるな~」と思うことでしょう。鎌倉駅から徒歩20分、タクシーに乗っても10分ほどのところにある鎌倉投信は、営業を始めて3年半近くになりますが、まだ地元のタクシー運転手さんの誰もが知っているというほど有名ではありません。いわんや鎌倉投信がどんな会社かなど、知る由もありません。

先日、私の前職の上司で、コラムの執筆者の一人でもあるI-O Wealth Advisor代表の岡本和久さんが、鎌倉にいらした際に「タクシーの運転手さん、鎌倉投信っていったら直ぐに分かってくれたよ」と、ニコニコしながらこんなエピソードを紹介してくださいました。

岡本さんのお知り合いで数年前にお亡くなりになった経済評論家の三原淳雄さんが、米国の著名運用会社フィデリティ投信にタクシーで向かうときの話でした。運転手に行先を告げると、こんなことを頼まれたそうです。「これからフィデリティに行くんだったら、ピーター・リンチ(フィデリティの基幹ファンド マゼラン・ファンドを運用した伝説のファンド・マネージャー)に宜しく伝えてくれ。彼のお蔭で、それなりの資産を築くことができ、不自由なく生活している。感謝していると」
善い意味で、投資の文化が社会に浸透していることを象徴するエピソードだと思いました。

岡本さんは、世界でも有数の運用会社の日本法人の代表を務められた後、今は、投資教育の仕事をされています。その活動の中で、最近は、小学校や中学校等で、子供向けに投資の話をする機会が多くなっているといいます。先日は、当社の運用責任者 新井和宏も鎌倉近隣の親子向けの勉強会に呼ばれるなど、徐々にですが、お金や投資について子供の頃から学ばせようという機運が高まりつつあるようです。

「投資教育」というと「マネーゲームで如何に金儲けをするかを教えるのか?」と懐疑的になる人も少なくないでしょう。しかし、そこで教えることは、会社とは何か?経済とは何か?金融はなぜ必要か?仕事とは何か?働くとはどういうことか?みんなのお小遣いはどのようにして生まれるのか?・・・といった、大人でもあまり深く考えてこなかった大切なことを、分かり易い表現で伝え、考えさせる場なのです。

授業後に書かれた子供たちの感動文を読ませて頂くと、その学び、気づきの深さに驚くのは私一人ではないでしょう。

おカネをつかって自らを向上させ、多くの人の支持を得て感謝されている人も確かにいると思い、果たして本当に欲のままにおカネを得ている人ばかりなのか、私なりに考えました。おカネで築いた社会での関係は、信頼と期待の証拠で、感謝で続くものだと気づきました。社会に出るにあたり、決して誤解してはならないおカネへのイメージが改まりました。(中二)

「投資とは、いま少し我慢して、将来の自分のためになることをすること。それは勉強と同じです」という言葉を聞いて今の私に出来ることは精一杯勉強の投資をすることだと考えました。(中二)

これを読むと、投資教育は、単にお金や経済に対する知識を得るためのものではなく、自分の生き方や将来の働き方を考えることそのものだとお分かりいただけるでしょう。子供達は、スポンジのように柔軟な吸収力、理解力を持っています。しかし、投資という文化がなかなか日本の社会に根付かないのは、投資というフィルターを通して生き方や働き方を考え、子供たちに伝える大人があまりにも少ないからかもしれません。

投資には、本来広い概念があります。自分に対する投資、教育に対する投資、未来に対する投資・・・その全てには、きちんとした目的や目標があり、果実を得るために、畑を耕し、種をまき、水をやる時間と労力を必要とします。しかし、どうも金融でいうところの投資に限っては、そうした過程を割愛して拙速に見返りだけを求める傾向があるように思えてなりません。

投資本来のあり方についての教育を通じて、生き方や働き方を考える機会が拡がることを夢見ています。

 

鎌田 恭幸(かまた やすゆき)プロフィール
過去コラム一覧


鎌倉投信株式会社 代表取締役 社長

1965年島根県生まれ。日系・外資系信託銀行を通じて25年にわたり資産運用業務に携わる。
2008年11月 鎌倉投信(株) 創業。2011年8月テレビ東京系列「ガイアの夜明け」で紹介される。

著書「日本で一番投資したい会社」(アチーブメント出版)
共著「21世紀をつくる人を幸せにする会社」(ディスカヴァー21)

掲載日:2013年9月4日

 
    

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