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五輪招致、消費税増税決定は10月上旬?経過措置は9月末?

☆2020年の東京オリンピック開催が決まりました。

2012年8月22日公布の安定財源確保法、別名消費税増税法では、消費税増税を平成26年4月、27年10月としながら、しかし、その附則18条で、「消費税率の引上げに当たっては、経済状況を好転させることを条件として実施する」として、具体的には、次の経済指標の達成をその実施の条件と規定していました。

<平成23~32年度>

・平均名目成長率3%程度

・実質経済成長率2%程度

この附則の拘束を受け、安倍首相は、消費税の増税実施の可否についてこの10月上旬に決定することを発表していましたが、五輪招致決定を起爆剤として消費税増税にゴーサインとなる可能性が高くなったといえます。

五輪招致となれば、開催までの7年間の公共投資などの経済効果が3兆円というのですから、恥ずかしくない「OMOTENASHI」のために日本経済は邁進、消費税増税による経済落ち込みを吹き飛ばすことができるという観測に傾くでしょう。最終の判断は10月の政府の決定を待つことになりますが、ここで読者がとまどうのは、改正消費税法の経過措置と実施可能性の問題かもしれません。消費税の改訂にあたって、2013年9月30日までに購入やサービスの契約が確定していた場合、その実施が2014年4月の消費税8%への引き上げ後だったとしても、5%でよいとするのが消費税経過措置です。

この経過措置を見込んだ駈け込み建築や契約が取りざたされているからです。 

Q:ご質問

消費税は、9月30日までの契約なら、2014年4月1日の8%への増税後であっても、現在の5%のままでよいと聞き、ならばと、マイホームの建替を2千万円の予算で検討していました。ところが、消費税の実施について、10月上旬に決定するとの話です。消費税増税なら9月末までに契約しなければ損ですが、10月になって実施せずでは、話が違います。どうしたらいいでしょう。


A:回答

1.増税と救済措置

確かに、時期のズレについては気になるところです。

2千万円の建築費の場合、消費税の8%と5%の差は60万円ですね。一方、消費税増税前の駈け込みや増税後の急激な需要の落ち込みを避けるために、消費税増税後に適用を受けられる各種救済措置が準備されています。

(1)所得税・住民税住宅ローン控除拡充

(2)自己資金取得の認定長期優良住宅の税額控除の拡充

(3)省エネ・バリアフリー・耐震改修の特別控除の拡充

(4)不動産取得税・印紙税の軽減

(5)住宅ローン控除・税額控除の補填としてすまい給付金受給

つまり、増税額だけでなく、これらを総合勘案する必要があるのです。

2.まずは、冷静に王道を

正解としては、その建築や購入がご家族の必要なことであれば、消費税の期間にこだわらず判断することです。消費税増税前後については、消費税増税前の経過措置だけでなく、増税後の救済措置もあります。仮にこれから検討し慌てて契約に持ち込み、気に入らない住宅を建築してしまうようであれば、本末転倒となり、生涯悔いを残すでしょう。いつ、どんな住宅が必要なのか、納得のできる検討を行うべきです。

3.五輪決定と増税実施見込

五輪が決定し、経済指標の上昇が見込まれるのですから、既に設計等が進み、契約が目前となっているのであれば、計算してみましょう。9月30日に契約する場合と10月1日に契約する場合の、消費税増税額と増税後救済措置を受ける額を比較するのです。そのうえで、有利な方を選択すれば、ご自身で納得できるのではないでしょうか。

4.五輪決定後の建築価格等の高騰も

2011年3月の大震災復興需要と2012年夏以降の消費税増税駈け込み建築により、既に建築価格の高騰が始まっています。五輪が決定されたことによる大規模公共投資が始まれば、建築価格の高騰はさらに進むものと思われます。これらのことを考え合わせ、悔いのないように建替を考えましょう。       

 

飯塚 美幸(いいづか みゆき)プロフィール
過去コラム一覧


税理士・中小企業診断士

静岡大学人文学部卒業
平成7年 飯塚美幸税理士事務所開業
平成25年 松木飯塚税理士法人設立、現職
事業承継協議会会員、千代田区議会政務調査諮問委員
不動産コンサルティング登録技能士試験委員、日本税務会計学会委員

著書: 
「各年度版よくわかる税制改正と実務の徹底対策」(日本法令)、「財産を殖やすための相続対策プログラム」(日本法令)、「税制改正と資産税の実務Q&A」(清文社)、「最新相続税の物納実務取扱事例Q&A」(日本法令)、「新版『資本の部』の実務」、(新日本法規出版)


掲載日:2013年9月13日

 
    

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