株式・投資信託・ETF・退職・年金 投資に役立つ「ケイゾンマネー」

さてここからの相場は?

日経平均は上か下か?

この原稿を書いている時点(9月30日の引け)で日経平均は1万4,455円、今年の高値からは1,000円以上、10%ほど下値ですが、昨年の今頃に比べればはるかに高いところ(5割超上値)に来ています。しかし、なかなかに微妙な水準にいるな、という感じですね。この文章が掲載される次週の初め(毎月初お約束の材料、米雇用統計を経て)どうなっていますか・・それから、今年残り3カ月でどうなりそうか・・

先に個人的な期待を書いてしまいますと、今年の秋もやはり「恒例の」下げがあってくれる方が、それも日経平均で1,000円幅以上の・・うれしいかな、と。そうなってくれれば、「押し目買い」でアベノミクス相場の第2ラウンドを気持ちよく迎えられるぞ、という感じですね。優良株が下がって、配当利回り2%以上の水準で買える局面が到来すれば、それはそれでありがたいチャンスでしょう、と。

毎年秋になりますと、例のマーク・トゥエインの「10月は株式相場が最も危険な月(暗黒の木曜日もブラックマンデーも10月だった)」とか、「11月に買って(翌年の)5月に売る」などという格言の類をいろいろなところで書いて、それなりのコメントになっていたのですが、今年もそれが通用すれば良い、と思うのです。(ヘッジファンドの決算⇒彼らの成功報酬獲得、のための利益確定が11月頃まで、となりますと、やはり売りは出るかな、という気もしますよね。)
目先は波乱有り得べし、しかし、長期的には楽観、などと書きますと、今後どうなっても何とか恥をかかずに済むコメントを考えたな、と思われそうですが、しかし、長期楽観の意味合いを少し違って考えるべきなのかな、という感触を実際持ちます。

アベノミクス⇒相場環境一気に好転⇒同時に企業業績向上⇒株価上昇、というシナリオを素直に信じられるのは、日経平均1万5千円が限度だろう・・という気が私はどうしてもしているのです。(予想PER、といった投資尺度面もさることながら、本当に日本の経営者、もっと言えば、日本社会は、株主の利益を考えるだろうか?という疑問がありまして・・)

で、アベノミクス相場の第2弾があるとすれば・・、私は「バブル相場到来がある」という意味ではないか?という気がしているのです。
株式相場では常にバブル相場があったり、なかったりします。直近で見れば、ゲーム関連株のバブル相場がありましたし、バイオ関連株のバブル相場はいわば定番ですよね。オリンピック関連、とか、復興関連、などというものもありました。
バブル相場は「市場参加者がつくるもの」というのが私の認識です。買われる側の企業とか、株式の問題はありますが、本質的にはバブルは「買う側」がつくるものです。つまり、買う側に力があればバブル相場をつくってしまう、そういう認識です。
個別銘柄で見て特定のゲーム関連株がバブル相場を生成するとか、上場直後のバイオ関連株がバブル相場になる、などはそんなに大掛かりなバブル相場ではない、と私は思っています。(つまり、一般的な市場参加者が大いに儲けるという相場にはなり難い、という意味です。)

そうではなくて、不動産株の株価がバブル化する(すでに三井不動とか地所の株価はリーマンショック前の高値に接近していますね)、とか、日本経済の課題を解決すると期待される有望な会社群の株価がバブル化する(資源・エネルギー関連とか、企業再生とか、そんな話題ですか)という相場は「大掛かりなもの」で多くの市場参加者に利益をもたらす(バブル相場があればその後にはバブル崩壊があって、そのバブル崩壊では多くの市場参加者が大損するわけですが)、そういうバブル相場が来るかどうか?

アベノミクス相場第2弾があるとすれば、そういう感じのバブル相場の方向に相場が向かう時だろう、そんな感じを私は持っています。そして、現時点の結論を言えというのであれば、そうなることに「賭ける」価値があるのだろうなと思います、と応えるだろうと思いますね。
10月、11月に下げ相場があるかどうか?それは分かりませんが、もしあれば、その時はオーソドックスに「下落時の優良株買い=今回であれば、配当利回り2%くらいも目処にした買い」をすれば良いと思うのですが、その時、その先に「アベノミクス⇒投機的資金の流入拡大⇒バブル相場本格化期待」を見て、銘柄を選ぶことの価値が増すかどうか?その辺りを見ておく数週間にここからなるのでは、そんな感じがしています。


監査役とのコミュニケーション 

ところで前回書きました監査役の件ですが、私のお勧めは株主がもっと監査役とコミュニケーションをとることを推進する、というものです。例えば、定時株主総会において経営陣にもっと経営効率を上げて収益力を高めるよう監査役に働きかけるよう質問する、といった具合です。

私の感じでは、監査役に質問する方が、いくつかの会社の株主総会で見られる「嫌がらせのような株主提案」よりはるかに効果的で好感が持てるという気がします。
もちろん、株主総会の運営は議長(通常は社長か会長が務めますね)に任されており、株主が監査役に質問したとしても、議案に無関係ということで無視される可能性もあるでしょう。しかし、そうした場合に「誰かが」緊急動議(手続動議)を提案して議長不信任を会場に問うくらいのことがあれば、業務執行を担う取締役たちと株主の間に本来必要な緊張感を喚起することができるのではないかと思いますね。

会社にはさまざまなステークホルダーがいますが、会社の内部にいる人たちで株主の利益を考えてくれるのはまず第一に監査役(のはず)です。私は仕事柄株主総会にいろいろ出席していますが、いまだかって株主から監査役への質問の場面は見たことがありません。(監査役関連の本などには「株主総会における監査役関連の想定質問集」などというものが載っていたりしますから、そういうことはあるのだろうしどこかではあったのだろうとは思いますが。)

株主の利益を極大化し、持続的に向上させて行くために、監査役が取締役らに対してどういった監査を行ってくれているのか、その基本方針は何なのか?そういうことを質問する株主の姿を私は見たいと思っていますし、今後出席するどこかの株主総会でそういう場面に遭遇したいと思いますね。(株主総会は監査役が出席しなくても瑕疵はないとのことですが、株主に対する説明義務を監査役は負っているということからして、いろいろ面白いことが起きるような気がします。)

松下 律(まつした りつ)プロフィール
過去コラム一覧

証券アナリスト、社団法人日本証券アナリスト協会検定会員(CMA)


1976年慶應義塾大学工学部大学院修士課程修了
大学院修了後国内証券会社入社、証券アナリスト。その後国内投信委託会社、外資系信託銀行、外資系投信投資顧問会社で長年にわたりファンドマネジャー。
2000年以降は独立証券アナリストとして活動。インターネットを通じて個人投資家向けの情報発信している。

掲載日:2013年10月8日

 
    

特集

「証券アナリストの調査手法とこだわり」(全6回)

「証券アナリストの調査手法とこだわり」

証券アナリストの行動パターンをご紹介!個人投資家のリスク回避術を学ぼう。

特集を読む »

おもしろ企業探検隊

おもしろ企業探検隊

平林亮子&内田まさみの「そうだ!社長に会いに行こう」ナブテスコ株式会社

特集を読む »