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あやしい金融商品にカモられない簡単なルール

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■あやしい金融商品を見極めるのがどんどん難しくなっている

金融商品のトラブルが後を絶ちません。安愚楽牧場の和牛商法やMRIインターナショナルのMARS投資では投資実態がほとんどなかったことが明らかになりましたし、アブラハム・プライベートバンクの海外投信積み立てでは、広告に用いた運用実績の高い商品は顧客に提示せず同社関連会社に販売報酬が還流される商品を提示、無登録で販売していたことが明らかになりました。同社においては一部の顧客への利益供与も指摘されています。

こうした金融商品トラブルは毎年なにがしら起こります。マルチ商法に近い円天のような事件(2007年)もありましたし、機関投資家を中心に営業したAIJ投資顧問のような例(2012年)もあります。AIJの場合は横領が見当たらず、ひたすら運用に失敗し続け、ひたすら粉飾し続けたケースです。

残念ながらこれからもこういう金融商品はなくなることがないでしょう。これは行政のチェック体制が甘いと指摘してもゼロにはならない問題です。彼らは、顧客はもちろん行政に対しても全身全霊をかけてウソをつくからです。私たちに対しても全力でウソをついてセールスしているわけですが、情報の非対称性を考えても、こうした悪質な商品を完璧に見分けるのは困難です。とはいえ、こうした商品にはいくつかの特徴があり、「危うきを遠ざける」ことは可能です。少し考えてみましょう。


■金融詐欺の典型的手口を知っておくと「危うきに近寄らず」にすむ

例えば下記のパターンから3つ以上該当したら、「疑わしい」と考えてもいいでしょう。いずれも、直接違法ではありませんが、「君子危うきに近寄らず」と考える人なら、避けてもいい事例です。

1.過剰な利回りが約束されたかのように提示されている......おおむね年6%以上の利回りがあたかも約束されているように表示されたらそれは訝しむべきです。国の年金運用ですら約束ができない数字ですから、何か高いリスクをとるか非現実的な収益の可能性があります。

2.元本確保を強調しリスクは過小に表示する(か無視する)......リスクをとった運用である以上は元本割れの可能性は必ず生じるはずです。しかし、高い利回りと元本保証が同時に強調されたらこれは疑うべきです。元本保証を強調するリスク商品は要注意です。

3.公的年金の不安を過剰に指摘する......公的年金が減少傾向にある中、老後資産形成の重要性は明らかですが、公的年金の破綻可能性を強調してセールストークする業者は疑うべきです。3,000万円でいい老後の資産形成を1億円に引き上げて儲かるのは彼らです。

4.半分は正しいことを言う(半分はミスリードを誘う)......「国際分散投資が必要」「長期にわたった積立投資が重要」「世の中には高い利回りをあげている商品がある(永続性があるかは触れない)」といった、半分は正しいこと(ないし事実)を述べつつ、自社商品に誘導するロジックが多く見受けられます。

5.商品は複雑で高度にみえるものを組成する......私たちになじみのない商品(例えばMRIインターナショナルは「アメリカの医療保険の診療報酬を債券化し運用する」としていた)を用いて高利回りの説明をする場合、自分が理解できないものについては注意して投資判断すべきです。

6.やたらと華美なパンフレットやサイトである(広告も過剰である)......広告をすることが悪徳とは言い切れません。しかし新事業のプロモーションにしてはあまりにも広告出稿が盛んであった場合、一度企業の財務状況などをチェックしてみるといいでしょう。

7.「喜びの声」をやたらと載せる......もちろん、利用者が喜びの声をあげることは問題がありません。しかし、ユーザーの声を過剰に取りあげCMに使うことに引きずられないよう要注意です。そもそも悪口が掲載されることは絶対にないからです。


■シンプルな避け方はひとつ「全額をひとつの対象に投資をしない」

繰り返しになりますが、大前提として「予め不適切な商品を完璧に見極めるのは困難」であることを覚悟することはとても大切です。自分には「あやしい商品を見極める眼力がある」と考えることも過信であり、足をすくわれるもとです。自信過剰の愚に陥らないためにも、何度か自分に言い聞かせておくといいでしょう。

そのうえで、大切な財産を全額だまされて失わないために現実的な方法を考えてみると、もっとも簡単な答えがひとつだけあります。それは「全額を投資しない」ということです。これは詐欺から身を守るだけではなく、普通に投資をしていても想定外の損失を避ける有効な戦略のひとつです。何かひとつの対象、何かひとつの投資商品に財産のすべてを投じてしまうことは、仮にその商品の期待リターンがもっとも高いなら、ポートフォリオとして期待リターンを最も高くする方法です。しかし、こうした戦略はリスクを度外視しています。「うまくいかなかったとき」のことを考えるのが投資なのです。

この簡単なルールを守るだけで、長く投資を楽しむことができ、また老後の生活資金をすべて失わなずにすみます。

リスクが高い資産運用を行っていて損失を一定割合にとどめるためにも、信じていたけれど結果としてだまされた金融商品の被害を抑えるためにも、「全額はひとつの対象に投資しない」という鉄則を守ってください。

山崎 俊輔(やまさき しゅんすけ)プロフィール
過去コラム一覧


1972年生まれ。中央大学法学部法律学科卒。AFP、消費生活アドバイザー、1級DCプランナー。

企業年金研究所、FP総研を経て独立。商工会議所年金教育センター主任研究員、企業年金連合会調査役DC担当など歴任。退職金・企業年金制度と投資教育が専門。
論文「個人の老後資産形成を実現可能とするための、退職給付制度の視点からの検討と提言」にて、第5回FP学会賞優秀論文賞を受賞。近著に『お金の知恵は45歳までに身につけなさい』(青春出版社)。日経新聞電子版「20代から始める バラ色老後のデザイン術」など連載多数。
投資教育家として、twitterでも4年以上にわたり毎日「FPお金の知恵」を配信するなど、若い世代のためのマネープランに関する啓発にも取り組んでいる(@yam_syun)。

ホームページ: http://financialwisdom.jp

掲載日:2013年10月18日

 
 
    

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