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現役経営者が何を思い、何に気を付けているか(その4)

海外に行った人が帰国して感想を述べるのが「スピード感が違う。それにみんな活力がある。」という言葉です。これだけみんなが異口同音に言うってことは、歴然とした大きな差がそこにあると思わざるを得ません。つまり、我々がこれまで馴染んでいるスピード感は、グローバルではとっても遅いということです。ならば国内のライバル企業を見る代わりに海外企業を見て、そこに負けないスピードを養わなければなりません。

【ポイント10】今、求められているのはスピード改革

日本の政治は「拙速だ、時期尚早だ」などと言う輩がわんさかいて、決められないままにずるずるします。一方、中国や韓国はトップがばっと決めて実行するが、検討不足でミスや無駄になることが多いそうです。この対比は企業文化の違いでもあります。お互いの長所を理解して、我々は、さっと決めて実行するスピード感ある経営を常に心がけないといけません。

 「なになにをする前に、まず、これこれをしなければ」という人がいます。確かにそうかもしれないですが、このセリフは改善・改革を先送りする常套句なので要注意です。 ケースにもよりますが、こうやって正論を振りかざす人は得てして変革の妨げになります。 悩ましいのは、当人は決して利己で言っているわけでもないことです。生来の生真面目さが言わせている言葉なので、それだけにその意見がもっともらしく響くのです。

 「うちの会社はなんでも決めるのが遅くて...」と嘆く人もいます。でも、嘆いているうちにその遅さに慣れてしまいます。特に経営者は嘆いているだけでは責任を果たしているとは言えません。断固たる意志を持って社内にスピード感ある雰囲気を作るように改革しなければなりません。


【ポイント11】2週間以上先のミーティングに慣れてしまう

関係各位を集めてミーティングすることになってスケジュール調整を頼んだときに、2週間以上先の日程になることがあります。なんでも関係者全員の予定がその日しか空いてなかったそうですが、こういう日常に慣れてしまっていたらやばいと感じなければいけません。

本来は全員の都合の最小公倍数ではなく、その仕事に必要な迅速さで日程を決めるべきなのです。やるべきことを早くやる、そのためにはキーマンだけでも予定が確保できればいいし、予定が埋まっていたなら調整可能か尋ねるべきです。やっと2週間後に開催されたミーティングで1時間議論し、その次の打ち合わせがさらに2週間以上後になる。そんなことをやっているうちにビジネスが手遅れになるのです。


【ポイント12】日程を決めてから準備する

次回のミーティングを依頼したのに、いつまでも日程が決まらないこともあります。どうしたのか聞いてみると、ミーティングに必要な資料(情報)の準備にどれくらいかかるか分からないので、なかなか日程を決められないのだそうです。

おいおい、そんな自分の安全ばかり見ていたらビジネスになりません。まず、1週間後にミーティングを設定し、そこに向けて準備を間に合わせようとする。自分に甘いと、どうしても納期を先に決めて仕事するという基本がルーズになってしまいます。


【ポイント13】スピード感には具体的な指摘を

私は『俺たちはベンチャーだ、チャレンジし続けよう』とよく言っています。ベンチャー企業という言葉は和製英語で、米国ではスタートアップ企業という言い方が使われますが意味は一緒です。日本では、ベンチャー=まだ若く小さな会社と捉える向きもありますが、本来は目指すゴールを明確に持ってスピード感を持って取り組んでいる新進気鋭の会社を指します。決して年数ではありません。ベンチャーは青春と言う言葉に似ています。いくつになっても好奇心、チャレンジ魂などを忘れなければ、それは青春です。

こうした言葉に加えて「どうしたらスピード感をもてるのか」についてもブレークダウンして話す必要があります。前述した「ミーティングは最小公倍数で決めるな」「日程を決めてから準備しろ」もそうですが、「やるべきタスクには担当と期限を定める」「第3者が定期的に進捗状況をチェック・フォローする」「持ち帰って検討では遅い」などです。そして「スケジュール表に作業する時間も確保する」ことも重要です。納期だけ定めても、それをやる時間を確保しなければ、おざなりの仕事しかできません。


【ポイント14】スピードをあきらめない

企業のスピード感を3段階に分けると、次のように分類されます。企業の成長フェーズに応じて1と2は良いのですが、3になっていると自覚したならば確固たる意志で変えなければなりません。

1.ベンチャー...とにかくやってみて、やりながら考えよう。
2.成長中...ゴールを設定して、そのゴールに向かって計画を立てて進む
3.安定(停滞)...慎重に計画し、目途が立ってからゴールを決める。

だいぶ昔ですが、コンビニが登場して定着したころのことです。レジに長い列ができたときに「お待ちの方はこちらへどうぞ」とさっとレジを開けるサービスにびっくりしました。また、飛行機は出発時間が遅れるのが当たり前と思っていたらJALが定時出発を強い意志で行い、今はJALとANAが世界で最も時間遅れの少ない航空会社になっています。なんとなくあきらめていたことも、強い意志と決断があればできるのです。

梅田 弘之(うめだ ひろゆき)プロフィール
過去コラム一覧


株式会社システムインテグレータ(証券コード:3626) 代表取締役 社長

1957年新潟県生まれ。新潟高校、静岡大学出身。株式会社東京芝浦電気(現東芝)、株式会社住商コンピュータサービス(現SCSK)を経て1995年株式会社システムインテグレータを創立。現在に至る。 

「日本のITを世界に!」と「IT業界の合理化」の2つをライフテーマにし、「時間を奪うのではなく、時間を与えるソフトウェアを創り続ける」というコーポレートスローガンを掲げて、時代ニーズに合ったパッケージソフトウェアを次々にリリースしている。主なプロダクトに、ECサイト構築パッケージ「SI Web Shopping」、開発支援ツール「SI Object Browser」、Web-ERP「GRANDIT」、プロジェクト管理システム「OBPM」、O2Oマーケティングサービス「モバポタ」、設計書ジェネレータ「OBDZ」などがある。

 「グラス片手にデータベース設計」シリーズ(翔泳社)や「実践!プロジェクト管理」(翔泳社)、「パッケージから学ぶ4大分野の業務知識」(翔泳社)など著書も多数。

システムインテグレータ社

掲載日:2013年10月28日

 
    

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