株式・投資信託・ETF・退職・年金 投資に役立つ「ケイゾンマネー」

成功している人とは「チャンスは貯金できない」ことを知っている人

私が好きな言葉の1つに「チャンスは貯金できない」というのがあります。チャンスのタイミングは自分で選ぶことができないということです。

スポーツ選手で補欠だったのに急に主力選手がケガをして出番が来た、プロジェクトメンバーの一員として仕事をしていたらリーダーが病気になって、自分がリーダーの代行をしなければならなくなった・・・。そんな風にして、自分がより高いレベルの目標にチャレンジできるチャンスというのは、突然やってきます。ところが、多くの人はそんなチャンスのための準備をしていないので、せっかくのチャンスを逃してしまうのです。

新任の大臣の就任会見で「これから勉強して・・・」と言っている人がいます。本当に政治家として大きな仕事をしたいと思う人なら、いつ大臣に指名されても困らないくらい普段から勉強して準備をしているはずです。こんなコメントをしている時点で、政治家としてどのくらいの仕事ができるのか、想像がついてしまいます。

人生でチャンスというのは、そう何度もやってきません。そして一度チャンスを逃すと次のチャンスが与えられる可能性がグッと下がります。例えば、会社で仕事をしていて、上司の期待に応えられなかったら?恐らく、その上司からもう2度とチャンスは与えられないことでしょう。

仕事だけではありません。素晴らしい人と出会える機会というのも何度もありません。ラッキーなことにそんな機会に遭遇したら、その時間を活かせなければ終わりです。次の機会に、と言っても、そんな機会はもうやってこないのです。

これはプロ野球の代打の選手を想像すればわかりやすいでしょう。彼らは試合が始まってから出番がなくてもずっとバックネット裏で素振りをしています。そしていつでも出番が来れば、1打席に人生を賭けられるようにしている。それと同じで、人生にも真剣勝負の打席に入るタイミングが突然やってくる。その準備をする必要があるのです。

チャンスが来たら準備をしよう、ではなく、いつチャンスが来ても慌てないように普段から自分の能力をキープしている人が、チャンスを活かせる人ということになります。準備をしても、代打に指名されないかもしれない。そう思っても一流の代打の選手たちは、試合前から体を作り、素振りを繰り返して、相手ピッチャーの研究を続けます。それが、いつか指名された時にベストを出せる力につながっていくのです。

自分は運が悪いと思っている人がいますが、私に言わせれば、「チャンスが目の前を通り過ぎているのに、自分の都合で見逃している人」だと思います。何も努力をしないで、良い話が向こうから自分にやってきてくれることが運が良いことだと思っているとしたら大いなる勘違いです。世の中そんなに甘くはありません。

「運が良い人」は「チャンスは貯金できない」ということを知っている人。だから、いつでもそのタイミングが来たときに自分がベストを尽くせるように努力を怠らない人です。努力することによって、自分からチャンスを引き寄せ、それがやってきた時にモノにできる力のある人なのです。自分で「運を良くしている」のです。一見華やかで、自分の思い通りの人生を歩んでいるように見える人ほど、水面下で必死に努力をしています。

これは資産運用でも当てはまります。「勉強してから投資」「時間ができたら資産運用」と言っているうちに相場は変わっていきます。自分が投資する時には買おうと思った株は上昇、外貨投資も円安が進んでしまっているかもしれません。

自分の都合で投資のタイミングを考えていると、投資のチャンスを逃してしまうのです。

内藤 忍(ないとう しのぶ)プロフィール
過去コラム一覧


株式会社資産デザイン研究所代表取締役社長

一般社団法人海外資産運用教育協会代表理事

1964年生まれ。
1982年 東京大学文科2類に入学。
1986年 東京大学経済学部卒。大学卒業後、住友信託銀行に入社。東京中央支店に配属。2年目から資金為替部で為替ディーリング業務を担当。
1989年 社内留学生制度で、MITスローン・スクール・オブ・マネジメントで留学。MBA取得。帰国後、市場金融部、企画部、総合資金部で資産運用業務を担当。
1997年 住友信託銀行を退社。英系資産運用会社のシュローダー投信投資顧問株式会社に入社。
      ファンドマネージャーとして債券とグローバル・アセット・
アロケーションを担当。
1999年 株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)に入社。商品開発、資産設計などを担当。
2004年 個人向け投資商品企画・運営会社であるマネックス・オルタナティブ・インベストメンツ株式会社代表取締役に就任。
2005年 株式会社マネックス・ユニバーシティ代表取締役社長に就任。
2011年 クレディ・スイス証券プライベート・バンキング本部ディレクター。
2013年 株式会社資産デザイン研究所設立。代表取締役社長に就任。
       一般社団法人海外資産運用教育協会設立。代表理事に就任。

主な著書に、シリーズ12万部を超えるベストセラーとなった「内藤忍の資産設計塾」シリーズ(自由国民社)、「60歳までに1億円つくる術」(幻冬舎)、「「好き」を極める仕事術」(講談社)、「丸の内朝大学マネーの教科書」(朝日新聞出版)、「内藤忍の投資手帳」(ディスカヴァー21)、貯金が1000万円になったら資産運用を考えなさい!」(ディスカヴァー21)など多数。

公益社団法人日本証券業協会証券検定会員。 


掲載日:2013年11月20

 
    

特集

「証券アナリストの調査手法とこだわり」(全6回)

「証券アナリストの調査手法とこだわり」

証券アナリストの行動パターンをご紹介!個人投資家のリスク回避術を学ぼう。

特集を読む »

おもしろ企業探検隊

おもしろ企業探検隊

平林亮子&内田まさみの「そうだ!社長に会いに行こう」ナブテスコ株式会社

特集を読む »