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2014年市場関係者の相場見通しは?

年末年始のこの時期には、新年がどのような年になるのか、様々な分野の専門家の見方を交えた特集を様々なメディアが組む。株価や為替相場の見通しもその一つであるが、先行きのことだけに当たるか外れるかと言えば、的中率は高くない、というより低い。たとえば、日経平均株価の年内高値と安値、そしてそれぞれをつける時期などが書かれているが、予想を求められる立場の人間が言うのも何だが、すべてが当たるなどということはあり得ないと考えている。しかし、これを見る方の立場からすれば"専門家の見解"となるのであるから、様々な分析を行って必死に予測する。

筆者が市場の年間予想を行う場合、まず世界的に景気はどのように動くのかを考え、これに対してどのような政策が行われるかを予想し、相場の方向感などをつかむ。さらに、経済や政治イベントなども勘案する。株価の場合、企業業績から見た適正水準に対し、どの程度上ぶれる(ないしは下ぶれる)かについても、経済政策やイベントなどをもとに市場のセンチメントを想定しながら判断する。

このようなアプローチは、概ねノーマルな方法だと思われるが、どの点に重点を置くかは人によってさまざまだろう。筆者はエコノミストという肩書きもあり、やはり世界のマクロ経済や金融政策などに重点を置いて予測を行うが、株式アナリストといった方々は投資家の動きや、企業戦略などに重点を置いた予測を行うかもしれない。また、テクニカルアナリストの場合、過去何十年もの株価チャートを分析し、一目均衡表やエリオット波動など、様々な観点から相場の流れや転換点などを探ろうとしているだろう。

一方で、常にコンセンサスからかなりの程度上ぶれ(あるいは下ぶれ)、"万年強気"とか"超悲観派"などと、投資家からある種の称号を与えられている人もいる。ただし、こうした人たちはツボにはまると驚くような精度で株価水準を当てることがある。多くの市場関係者と言われる人の見通しは、様々な観点から説明しやすい水準を予測値とする傾向がある。我々は単に相場水準を予想するだけでなく、どうしてそのような見通しになるのかを説明して納得してもらうことに重きを置くためだ。しかし、実際の相場は往々にして説明のつかないような動きを見せる。企業業績は10%の増益であるにもかかわらず、株価は50%以上も上昇することがある。こうした動きは、市場のセンチメントが急激に転換する場合に多く見られる。昨年の政権交代以降の株価の動きもこれに当てはまる。相場が大きく転換するような局面では、市場関係者の平均的な見方から大幅に外れた水準にまで相場が動く傾向が強い。

さて、市場関係者による2014年の相場見通しはどのようなものとなるのだろうか。筆者はすでにいくつかのアンケートに答えているが、他の人の予測値は公開されるまで分からないため、自分の予想がコンセンサスに近いのか、それとも全く異なる予想をしているのかも不明だ。ただし、マクロ環境については、(1)アベノミクスに対する市場の評価は高く、政策にも大きなぶれはないこと、(2)世界経済は循環的に回復局面に入っていること、というのが大半のエコノミストの見解であり、これに基づけば2014年の株式市場も明るい見通しが中心となるはずだ。一方で懸念材料としては、米国の金融政策(QE3解除のタイミング)の影響や、消費税率引き上げ後の日本経済の状況などがあり、これらをどのように解釈するかによって、株価の上昇余地に対する見方が変わってくると考えられる。

ちなみに、筆者は米国経済が住宅バブル崩壊後初めての消費主導の景気回復軌道に乗り、米経済は金利の上昇にも耐えられる強さを見せること、これに伴う内外金利差の拡大から円安はさらに加速し、海外経済の回復と相まって輸出が拡大、消費税率引き上げ後も日本経済は回復基調を維持すると見ており、(筆者としては)極めて強気な展開を予想している。

嶌峰 義清(しまみね よしきよ)プロフィール
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株式会社第一生命経済研究所 経済調査部 首席エコノミスト

1990年青山学院大学経済学部卒。同年岡三証券入社。岡三経済研究所、日本総合研究所を経て、1998年第一生命経済研究所入社。2011年より現職。日本経済、米国経済など各国経済担当を経て、現在は金融市場全般を担当。


掲載日:2013年12
月25日

 
    

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