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「何かを持っている男」

「正解はこっちだっ!」と勢い込んで飛び込んだ扉の向こうには、この身を優しく包んでくれる柔らかなマットではなく、泥水を湛えた底なし沼のような池だった・・・

テレビのクイズ番組で良く見る光景だが、最近の為替相場ではこのような光景が多く見られ、特に短期トレードをする者にとってはとてもやり辛い環境であった。その原因は、米国の政府機関閉鎖とデフォルトへの恐怖である事は間違いないが、その問題も16日(東京時間17日午前)には、与野党合意に至り上下院の決議を持ってとりあえずの解決がなされた。これで市場は元の姿に戻るかと思いきや、その後も為替市場は不安定な動きを繰り返している。

私は、短期トレードを行う場合にはテクニカル分析での判断の比重がほぼ100%なので、ファンダ的な事は気にしないようにしていたのだが、ここ最近の相場では目先の動きでもテクニカルよりもファンダ的要素を重視した動きが目立ち、冒頭に書いたような目に合う事もしばしばである。米の要因でこのような環境になってしまったのだと考えていたのだが、どうやらそれだけではなく市場全般的に依然と違った判断で動く傾向が板についてしまったようである。

こうなると、テクニカル分析に拘らずにファンダ的な事も取り入れた分析を行い、何とか現状の相場に即した方法でトレードをしようと考えるのだが・・・・

テクニカル・アナリストの端くれとして、いや元来のテクニカル・オタクのせいなのかもしれないが、こういう時でもきちんと機能するテクニカル分析方法をついつい考えようとしてしまうのだ。「現状の相場に合わせて工夫をする。」と言えば聞こえがいいかもしれないが、本質的な所は職人魂よろしく、意固地になってテクニカル分析にしがみついている感じかもしれない。

何故かと言うと、ファンダメンタルズ分析が嫌いではなく、短期的な時間軸の中でファンダメンタルズを考えてトレードを行おうとすると、最後には必ず「当てっこ」的なトレードをするようになる癖を私が持っているからなのだ。

以前、為替ディーラーとして働いていた時も米の雇用統計や他の重要指標発表の前に、あれやこれやと数値を分析して、結果が出る前に予想を立ててトレードをしていた事もあったが、その大半は負けトレードとなった。そもそも、ファンダメンタルズ分析とは中長期の相場を分析するときに用いる分析手法であって、これを短期にするからこそ指標の「当てっこ」になるとも考え、更にはこういった「当てっこ」的な事で良い思いをした事がない人生であるというのもポイントになっている。

大学の時にあるパーティーのビンゴ大会で原付バイクが当たったのが最高の景品で(海外旅行や高級ブランド品もあったのだが・・・)、宝くじでは年末ジャンボの1等賞の組違いを一度当てただけで普段は誰でも当たる最低のものだけ・・・

とにかく、ここという時のあたりが引けない人間なのである。だからこそ、ある程度の確信を持てるテクニカル分析を頼りにしているのだが、それでも飛び込むとそこには泥水のプールが・・・・

ある意味「何かを持っている男」と思わざるを得ない。

鈴木 隆一(すずき りゅういち)氏プロフィール

1965年 生まれ 立教大学理学部物理学科卒

1990年 大和證券株式会社に入社、支店営業を経た後為替ディーラー業務に従事。証券売買に付随する為替取引のカバーや自己資金の為替運用のほか、為替オプション・外債・金利先物・金利スワップ等、あらゆる金融商品を駆使して運用を行う。
大和証券分社時には、為替部門の立上げを行ったのちチーフディーラーに就任。
2000年 同社を退社。退社後は、投資教育会社やFX業者数社の立上に参加、その後独立してプライベートファンド運用・為替情報提供会社である株式会社ワムを設立、代表取締役に就任。

その他、テクニカル分析およびシステムトレードの技術開発および情報配信に特化した有限会社ガンパウダーの代表取締役も勤め、2006年には同社の株式会社化とともに株式会社ワムを完全子会社化し、以降は外国為替の総合情報サービスを行いながら全国で投資家育成教育を行っている。

掲載日:2013年12月4日

 
    

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