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円安で日本人は貧乏になっていく

「円高になると為替差損が出るのが怖いから外貨投資をしない」という人がいます。確かに外貨投資をして円高になれば損失が出る可能性はあります。しかし、外貨を持たないで円安が進んでしまうことは想定しなくて良いのでしょうか?

外貨投資をしていないで円資産100%になっている人は、為替リスクが無いように見えますが、実はリスクがあるのです。

円安が進むと円で保有している資産は、名目上変わりませんが、実質的な価値は下落しているのです。

例えば、
1ドル=80円の時の、100万円は12,500ドル
ですが、
1ドル=100円になると、100万円は10,000ドル
になります。

100万円は現金や預金で持っていれば、100万円から減ることはありません。でも、外貨で換算すると、円安になってどんどん実質的な価値が減っているのです。

もし、1ドル=100円が125円になれば、100万円は10,000ドルから8,000ドルになってしまいます。80円から100円で2割減った対ドルでの円の価値が、さらに2割減ることになるのです。日本にいればあまり意識しないかもしれませんが、アメリカに行けば価値は4割減っていることを実感すると思います。

これから円高に戻るのか、さらに円安が進むのかはわかりません。ただ、確実なことは、1つの通貨に自分の資産を集中させていることは、大きなリスクだということです。

株式投資で1つの銘柄にだけ投資すれば、危険であることは誰でも直感的に理解できると思います。日本円の資産だけを保有しているのは、それと同じ行為なのです。

資産の中の一定比率を外貨資産で保有する重要性が理解できたとして、外貨で何に投資をしたら良いのでしょうか。外貨運用でポピュラーな商品は銀行の外貨預金ですが、外貨預金は為替手数料が極めて高いという問題があります。

例えば、メガバンクのドル円の為替手数料は片道1円(100銭)です。FXの買いと売りのスプレッドは通常0.4銭程度ですから、単純計算で250倍です(会社によって異なります)。この低コストのFXを活用するのに「現受」というサービスがあります。FXで作った外貨のポジションをそのまま外貨の現金に換えることができる方法です。すべての会社が取り扱っている訳ではありませんが、工夫すれば、極めて低コストの外貨調達が可能になるのです。

コストのことはともかく、円資産しか持たない「日本円への集中投資」をしている人は、自分が無意識に取っているリスクをもっと真剣に考えた方が良いと思います。外貨資産を持たない人は、円安が進むと気が付かないうちに貧乏になっていくのです。

内藤 忍(ないとう しのぶ)プロフィール
過去コラム一覧


株式会社資産デザイン研究所代表取締役社長

一般社団法人海外資産運用教育協会代表理事

1964年生まれ。
1982年 東京大学文科2類に入学。
1986年 東京大学経済学部卒。大学卒業後、住友信託銀行に入社。東京中央支店に配属。
      2年目から資金為替部で為替ディーリング業務を担当。
1989年 社内留学生制度で、MITスローン・スクール・オブ・マネジメントで留学。
      MBA取得。帰国後、市場金融部、企画部、総合資金部で資産運用業務を担当。
1997年 住友信託銀行を退社。
      英系資産運用会社のシュローダー投信投資顧問
株式会社に入社。
      ファンドマネージャーとして債券とグローバル・アセット・アロケーションを担当。
1999年 株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)に入社。商品開発、資産設計
      などを担当。
2004年 個人向け投資商品企画・運営会社であるマネックス・オルタナティブ・インベスト
      メンツ株式会社代表取締役に就任。
2005年 株式会社マネックス・ユニバーシティ代表取締役社長に就任。
2011年 クレディ・スイス証券プライベート・バンキング本部ディレクター。
2013年 株式会社資産デザイン研究所設立。代表取締役社長に就任。
       一般社団法人海外資産運用教育協会設立。代表理事に就任。

主な著書に、シリーズ12万部を超えるベストセラーとなった「内藤忍の資産設計塾」シリーズ(自由国民社)、「60歳までに1億円つくる術」(幻冬舎)、「「好き」を極める仕事術」(講談社)、「丸の内朝大学マネーの教科書」(朝日新聞出版)、「内藤忍の投資手帳」(ディスカヴァー21)、貯金が1000万円になったら資産運用を考えなさい!」(ディスカヴァー21)など多数。

公益社団法人日本証券業協会証券検定会員。 


掲載日:2014年1
月17

 
    

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