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意外か?想定内か?

大発会382円安

大発会の相場が高いとその年の相場も上昇、といったコメントが出ることが多いようです。(本当にそうなのかどうか、けっこう怪しい気はしますが。)

今年の大発会、日経平均は382円安。大発会高→上記コメントを、と思っていたひとがいたとしますと、当てが外れた、となるところです。
一方で、昨年の大納会に向けて(指数先物主導の)連騰に次ぐ連騰で、1,000円がたも日経平均は上昇していたのだから、ここらで300円やそこらの下げがあっても当然、という想定をしていた向きもいたでしょう。

個人的な感覚ですが、大発会の下げが意外だった、と感じたひとは今年の株式相場では苦労するのではないか、と思いますね。
逆に、大発会の下げが想定内、というひとは今年の株式相場でもうまく動ける「かもしれない」という気がします。「かもしれない」と書いたのには訳がありまして、大発会の下げは想定内、むしろ歓迎、というひとであっても、昨年末に向けての上昇相場でカラ売り等のポジションで大きな評価損を抱え込んだ、というひとはうまく動けるかどうか疑問だなと思うからです。

あくまで個人的な感想ですが、私は今の日本株相場は「本当に残念なことに」投機的な資金(主に海外の、ですが)に「操られてしまう状況」になりやすい、と思っています。具体的には、「円安+株高」とか、「円高+株安」、といったシナリオが想像以上に大きな規模で実現してしまうことを「受け入れざるを得ない状況にある」ということです。

昨年末に向けての「円安+株高」はきわめて異常というほどのことはなかったかもしれませんが、かなり不自然ななことだった、という気が私はします。(同意していただける方々が多いのではないかと思います。)つまり、操られていたな、という感じです。その反動、あるいは「操ろうとする連中」が今度は、逆のシナリオにもって行こうとするかもしれない、ということで、大発会の下げはひょっとするとそういう相場の合図かもしれない、そう考えるひとがいても不思議はないだろうな、と。

もしここから数日間くらいで、日経平均が1,000円以上下落する局面があれば、やはりそういうことを企んで行動していた連中がいたのだな、とそう感じる市場参加者は多いだろうと思います。


個人に期待(NISA?)

海外の投機筋に操られるだの何のと書いていて、本当にいやになりますね。指数先物主導、指数への影響の大きな銘柄の異常な値動き(ファストリとかファナックといった銘柄の値動きです)、相場のリズムを感じさせない連騰・続落、等々。それも相場ということなのでしょうが、もう少し別の相場があってもいいのでは、と心底思いますね。

いろいろな事情があるにせよ、昨年、過去最大の買い越しを示したのが外国人、一方で個人は大量の売り越し。結果、市場における海外勢の支配力はますます強まる、ということでは致し方のないことなのかもしれませんが。とはいえ、市場の売買高に占める海外勢の比率が圧倒的に上昇している、というわけでもないのは希望と言えば希望です。

売り越したとはいえ、依然として個人は海外勢と同じくらいの規模の日本株を保有しているわけですし、売買に占める比率にしましてもけっこう健闘しているというのが実際のところです。(とりわけ、新興市場ではそうです。)

今年の株式相場について、多くの識者の予想は、日経平均の高値は、1万8千円~2万円、とのことです。昨年末の日経平均の水準から見れば、今年はせいぜい20%の上昇率に留まる、という予想です。去年は50%を越える上昇率だったわけですから、それからすれば今年の株価上昇は大したことはない、ということになります。

予想が実現するかどうか、分かりませんが、個人的には大方の予想とおりになるのではないかと思っています。としますと、今年の相場対処は、去年とは少し変える方がいいのではないか、という感覚を持つのは当然のことだろうと思いますね。

では、どう変えるか・・

去年の相場が、「指数先物主導」、「指数への影響の大きい銘柄の大幅上昇」という特色(海外勢主導で、)というものだった、と単純化して捉えるとすれば、今年は、「そうではない相場を想定するのがいいのではないか」となるでしょう。

個人はけっこう株式市場で健闘している、今年はNISAもある、ということからしますと、「指数先物主導の上昇には頼らない」、「銘柄選択は、指数への影響の大きい銘柄でないものを優先する」といった大雑把な方針が有効ではないか、そんな気がします。

個別銘柄を見ますと、指数への影響の大きい銘柄は軒並み「すでに上がった」状態にあります。一方で、指数への影響の大きくない銘柄の中には、依然として低PER、低PBRのものが多くあります。そちらに目を向ける方が効率がいいのでは?今年は。

しかし、指数先物主導、主要銘柄の株価を大きく変動させる、といった海外勢の「力」はなくなるわけではありません。去年の前半(5月下旬まで)と年末にかけて、その力は相場水準を引き上げる方向に働いたわけですが、今年はけっこう「下げる方向」に働くことも目立つのではないか?去年5月下旬の相場のように、ということも一方では思うところです。相場の変動が大きくなるのかもしれない、そんな感じはします。

今年の株価上昇はそんなに大きくないかもしれないのですが、少し先を見ますとけっこう明るいものがあります。アベノミクスの何本かの矢の中で「異次元の金融緩和」の威力はまだまだ衰えていません。実質金利マイナスを「うまくコントロールして」、財政再建と経済規模拡大を同時に達成しようという政策(ひとによっては「金融抑圧」というネガティブな呼び方をしますね)を成功させる、というのはかなりチャレンジングなことなのでしょうが、もしそれに成功するなら、日本株の数年スパンの目標高値は、1万8千円だの2万円だのといったものではないでしょう。

アベノミクスが本当に成功するなら、今年の相場が例え去年ほど上がらないとしても、その先にはもっと壮大な上昇相場が控えているかもしれない、ということを示します。そういう希望が(今のところ)色褪せていない、というのは本当にありがたいことです。

松下 律(まつした りつ)プロフィール
過去コラム一覧

証券アナリスト、社団法人日本証券アナリスト協会検定会員(CMA)

1976年慶應義塾大学工学部大学院修士課程修了
大学院修了後国内証券会社入社、証券アナリスト。その後国内投信委託会社、外資系信託銀行、外資系投信投資顧問会社で長年にわたりファンドマネジャー。
2000年以降は独立証券アナリストとして活動。インターネットを通じて個人投資家向けの情報発信している。

掲載日:2014年1月8日

 
    

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