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現役経営者が何を思い、何に気を付けているか(その7)

職場を見れば、その会社の良し悪しが分ると言います。よどんだ雰囲気の会社は業績もちょっとおかしい。逆に業績が良い会社は職場も明るくはつらつとしています。では、業績が良いから職場が明るいのか、職場が良いから業績好調なのか。このニワトリとタマゴの問題は職場が先です。働きやすい職場をみんなで作る、これができれば自然に業績は良くなっていくのです。


【ポイント21】MEME(ミーム)を自覚する

MEME(ミーム)という言葉を知っていますか。これは、オクスフォード大学の生物学者リチャード・ドーキンス氏が著書「利己的な遺伝子 1976」で提唱した言葉で、「文化の伝達を担う遺伝子」という意味です。この言葉自体の応用範囲は非常に広いのですが、企業に関して言えば"その会社の良い社風を受け継ぐ"ということでしょうか。ソニーイズムやアップルイズムなど、イズムという言葉が付くようなものが企業におけるMEMEだろうと解釈しています。

自社のMEMEはどんなものですか。一度、書き出してみてください。書いてみると、自分の思う"会社の文化"がはっきりと見えてきます。でも、自分が思っているものと実際のMEMEには意外と大きな差があったりします。そこで、先日、社員に「当社の良いところ、改善すべきところ」のアンケートを取りました。このアンケート結果をまとめる作業を人まかせにしないで自分でやってみる。そうすると今の本当のMEMEが正しく見えてきます。

「う~ん、こんなはずでは...」。でも、がっかりしてばかりはいられません。MEMEは遺伝子なので進化します。生物遺伝子と違って意図的に操作するのは難しいですが、今のMEMEを自覚し、自分の思い描くMEMEへの情熱と行動さえあれば必ず近づくはず。自分がいなくなってもMEMEは残る。そう考えるとMEMEの大切さがひときわ感じられます。


【ポイント22】仕事のできる人に対しても叱るときは叱る

海外の悪いところを考えなしに真似る若者が増えたのか、街中のシャッターや塀に落書きがあふれています。落書きをする人は、それを消す人たちの光景を思い浮かべることはないのでしょう。私たちの世代は小さいころから「人様に迷惑をかけてはいけない」と言い聞かされて育ちましたが、そういえば最近はあまり聞かなくなったように思います。

落書きと同じように、毒を吐く人は、その毒で傷つく人の心を思いやることができません。最近、"尖った人材"ブームで、異色、異文化をもてはやすムードがだいぶできてきましたが(それ自体は悪くはないですが)、"尖る"ことを勘違いしている人も増えてきました。経営者は仕事のできる人の言動に対して甘い面があります。でも、仕事ができれば何を言ってもいいわけではないし、その人のおかげで傷つく人がいるようならきちんと注意しなければなりません。それが、必ずその人自身のためになるのです。


【ポイント23】人は見てないようできちんと見ている

小学校の通知表で先生のコメントを読んでいつも「見てないようでよく見ているなぁ」と思いました。自分の長所や短所を的確に指摘しているのです。会社でも一緒です。部下が自分の有能さを上司にアピールするのは当然ですが、ときどき上司が部下に自分の有能さを見せようとしている姿を見ます。経営者の立場からすると、あなたの実力を評価して上司にしたのだから、部下と競争する必要はないよって言ってあげたくなります。

部下の手柄を自分の功績のようにアピールする上司もいます。それよりも、部下の努力や活躍を一生懸命トップに伝えようとする上司の方がどんなに立派に見えるでしょうか。誰が汗をかいて頑張ったかは、その瞬間はわからなくても、後でどこかの局面でちゃんと知るところになるのにって思わざるを得ません。

トップも同じです。社員はトップの言っている言葉ではなく、やっていることで動きます。いくら口できれいごとを言っても、やっていることが汚いと社員は軽く見透かします。この背後からのまなざしを常に心に留め、自分で言ったことを自分で裏切らない。ぎりぎりの局面を前にしてもこれを貫けるかで真価を問われます。

梅田 弘之(うめだ ひろゆき)プロフィール
過去コラム一覧


株式会社システムインテグレータ(証券コード:3626) 代表取締役 社長

1957年新潟県生まれ。新潟高校、静岡大学出身。株式会社東京芝浦電気(現東芝)、株式会社住商コンピュータサービス(現SCSK)を経て1995年株式会社システムインテグレータを創立。現在に至る。 

「日本のITを世界に!」と「IT業界の合理化」の2つをライフテーマにし、「時間を奪うのではなく、時間を与えるソフトウェアを創り続ける」というコーポレートスローガンを掲げて、時代ニーズに合ったパッケージソフトウェアを次々にリリースしている。主なプロダクトに、ECサイト構築パッケージ「SI Web Shopping」、開発支援ツール「SI Object Browser」、Web-ERP「GRANDIT」、プロジェクト管理システム「OBPM」、O2Oマーケティングサービス「モバポタ」、設計書ジェネレータ「OBDZ」などがある。

 「グラス片手にデータベース設計」シリーズ(翔泳社)や「実践!プロジェクト管理」(翔泳社)、「パッケージから学ぶ4大分野の業務知識」(翔泳社)など著書も多数。

システムインテグレータ社

掲載日:2014年1月21日

 
    

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