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意外に良くなっている地方の景気だが......

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 年明け早々、講演で地方に出かける機会がありました。講演では「昨年からのアベノミクスによる景気回復の動きは2014年も続く」とお話したのですが、地元の経営者の方からは「景気回復の恩恵は私たちのところには来ていない」「実感がない」という声も聞かれました。「円安による原材料のコストアップで大変だ」という人もいました。

 たしかに中小企業や地方の景気回復はまだ十分といえません。しかしさまざまなデータを見れば、少し以前と比べれば着実に改善していることもたしかなのです。

 その一例として、昨年12月に発表された日銀短観(全国企業短期経済観測調査)の結果を見てみましょう。新聞などでは、全国大企業・製造業の業況判断指数(DI)がプラス16となり、2007年12月以来、6年ぶりの高い水準となったことが大きく報じられました。このDIは、「良い」と答えた企業の割合から「悪い」と答えた企業の割合を引いた数字で表わし、数字が大きいほど景況感が良いことを示しています。12月の結果は、アベノミクスによって企業の景況感が大幅に改善していることを裏付けたわけですが、中でも注目されるのは地方の改善です。

 これまで地方の中でも景気回復が遅れていた四国のDIは全産業でプラス7と、5年ぶりにプラス。従来は大手家電メーカーの業績不振の影響を受けて低迷が続いていた近畿もプラス2と、6年ぶりのプラスとなりました。これで全地域でプラスに転換したことになります。

 特に好調なのが、北海道(業況判断DIはプラス15)と東北(同プラス12)で、いずれも1991年以来、実に22年ぶりの高水準を記録しました。北海道では中堅企業のDIがプラス20に達し、大企業のプラス11を上回ったほどです。

 これをうけて日銀は1月16日に発表した地域経済報告(さくらレポート)で、5地域の景気判断を引き上げ、全国9ブロックすべての景気判断で「回復」という表現を入れました。これは、同レポートを公表開始した2005年4月以降で初めてです。

 こうしてみると、思った以上に地方の景況感はよくなっていることがわかります。景気回復の裾野は着実に広がっていると言っていいでしょう。では何故そのわりに「地方の景気はまだ良くない」というムードが強いのでしょうか。

 全体として改善しているとは言え、業種や分野によってバラつきがあることが、その理由の一つとして挙げられるでしょう。もう一つの理由は、長年の経済低迷で苦しんできた地方の経営者にしてみれば、多少改善したといっても「まだ半信半疑」というのが正直なところなのでしょう。4月に控えている消費税引き上げの影響を気にする地方の経営者もいました。

 その意味では、多くの地方の企業が景気回復に確信が持てるような、成長戦略の追加策が必要です。昨年に大きく転換した景気回復の流れを確実なものにするには、もう一押しなのです。安倍首相は6月に「新・成長戦略」をまとめるとの考えを明らかにしていますが、それによって地方のマインドをしっかり前向きに転換させるよう期待したいものです。

 2014年は景気回復の好循環が地方にも本格的に広がるかどうかがポイントとなるでしょう。今年も地方の実情をウォッチし続けたいと思います。

 

岡田 晃(おかだ あきら)プロフィール
過去コラム一覧

 

1971年日本経済新聞に入社。松山支局、東京地方部、産業部などを経て、編集委員。

1991年にテレビ東京に異動、経済部長、テレビ東京アメリカ社長、理事・解説委員長などを歴任、「ワールドビジネスサテライト(WBS)」など多くの経済番組のキャスター、コメンテーター、プロデューサーを担当した。

2006年にテレビ東京を退職。大阪経済大学客員教授(大学院経済学研究科および経済学部)に就任し、現在に至る。

現在、東京MXテレビ「東京マーケットワイド」(インターネットテレビ「ストックボイスTV」でも視聴可能)に毎週1回レギュラー出演中。

 

掲載日:2014年1月20日

 
 
    

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