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「扶養義務者(父母や祖父母)からの生活費贈与は非課税-高齢者資金の贈与で消費の拡大へ」

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お正月に、甥や姪へのお年玉でお財布が悲鳴を上げた方も多かったでしょう。
祖父母から孫へ、叔父・叔母から甥・姪へ、親族間での贈与はしばしば行われ、ふと、税金はどうなるの?と気になるかもしれません。

扶養義務者相互間の生活費等贈与は非課税
日本の税制では、資産をもらった場合、年間合計で110万円を越えると、贈与税の納税義務が生じます。

しかし扶養義務者から被扶養者が金銭をもらったとしても、通常必要と認められる生活費や教育費に充てた場合は、贈与税は非課税です。

扶養義務者とは、(1)配偶者、(2)直系血族、(3)兄弟姉妹、(4)裁判所で扶養義務者として決められた三親等内の親族、(5)三親等内親族で同一生計の人をいいます。つまり、通常の生活費等贈与は、配偶者・父母・祖父母・子・孫・兄弟姉妹同士は非課税だよと考えればいいでしょう。

通常必要と認められる生活費や教育費って
贈与を受ける人の必要性と贈与をする人の資力により、「通常」や「必要」の範囲はさまざまでしょう。例えば、お嫁入り道具が高額でも、名古屋では「普通」かもしれませんし、医師の家庭で、祖父から孫の医科大入学金数千万円は通常必要といえるかもしれません。毎日祖母のお金で子や孫がブランド服を着て5つ星レストランで食事をしたとしても、それはその家庭の生活レベルということです。そうした一切の事情を勘案して社会通念上適当と認められる贈与をいいます。

贈与は必要の都度直接贈与
生活費や教育費の非課税贈与は、必要の都度その都度直接贈与することです。例えば、外国留学した孫に、年間生活費500万円を一括して送金、しかし200万円使い残して孫が貯蓄しているよう、あるいはそれでクルマや家を買ったとなると、結果的に資産贈与として贈与税課税対象です。

生活費であれば、せめて月々必要額だけ送金する、学費であれば、祖母が直接大学に振り込むという方法でクリアになります。

結婚・出産の資金や家具の贈与は
父母や祖父母が結婚資金や出産費用を負担するというのもよくあることですが、新居の家具什器の購入や生活費とする場合は贈与税課税対象となりません。また披露宴の費用を親が負担することも、家を単位とする慣習から贈与とは言い切れませんから贈与税対象となりません。ただし受けた資金を預貯金でストックしたり、株式や家屋など名義の付される資産を取得した場合は課税対象です。

お年玉・お祝い・香典は非課税
結婚や出産、葬儀にあたって受けるお金は、生活費として費消するとは限らない場合も、常識の範囲内であれば贈与税の対象となりません。もちろんどこかの政治家のように千万単位のお年玉は、論外です。

教育費は贈与税は非課税だが、特別受益に
教育費を父母祖父母兄弟が必要の都度直接負担する場合は、義務教育に限らず、課税対象となりません。

ただし、将来の分まで一括して贈与する場合には原則としては課税対象ですが、平成25年4月からは父母祖父母から子・孫への1,500万円までの教育資金非課税贈与制度により非課税贈与が可能です。

ところで、教育資金贈与で贈与税は非課税となる場合でも、贈与者の相続の際には、教育資金等の「生計の資」は、もらった人の特別受益となるため、相続分の先取りとして計算されてしまいます。父母からの贈与に関しては注意してください。

変な税務調査
相続税の税務調査において、亡くなった父が家庭の全生活費を負担し、母や子が自分の収入は貯金していた場合に、生活費を収入割合で負担したとしなければならないと言われた、というご相談がしばしばあります。

これはおかしな話で、そんな指摘に従う必要は全くありません。生活費をワリカンにしなければならないという法律はどこにもなく、その家庭の経済をどう運営するかはその家庭の自由です。

贈与を増やして消費税収アップ
平成25年12月12日、こうした生活費教育費の非課税の取扱について、国税庁が資産課税課情報として公表しました。

平成25年改正法附則108条で、贈与税の非課税財産の範囲を明確化することが義務づけられていたからです。そこでは、「高齢者が保有する資産お若年世代への早期移転を促し、消費の拡大を通じた経済の活性化を図る観点、格差の固定化の防止等の観点」が謳われています。要は、個人金融資産8割を50歳以上の高齢者が占める日本の、贈与の非課税を使わせた消費税収アップ策です。

ちゃっかり贈与を受けて、上手に政策に乗ってあげるのもよいでしょう。

飯塚 美幸(いいづか みゆき)プロフィール
過去コラム一覧


税理士・中小企業診断士

静岡大学人文学部卒業
平成7年 飯塚美幸税理士事務所開業
平成25年 松木飯塚税理士法人設立、現職
事業承継協議会会員、千代田区議会政務調査諮問委員
不動産コンサルティング登録技能士試験委員

著書: 
「各年度版よくわかる税制改正と実務の徹底対策」(日本法令)、「財産を殖やすための相続対策プログラム」(日本法令)、「税制改正と資産税の実務Q&A」(清文社)、「最新相続税の物納実務取扱事例Q&A」(日本法令)、「新版『資本の部』の実務」(新日本法規出版)

資産税の税理士ノートhttp://expresstax.exblog.jp/


掲載日:2014年1月22日

 
 
    

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