株式・投資信託・ETF・退職・年金 投資に役立つ「ケイゾンマネー」

経営者に求められるコミュニケーション能力

昨年末、母が「そんなに偉い人を前にして緊張しないの?」と訊いてきました。経済番組などで企業経営者と対談する機会が多い私を、母なりに心配していたのでしょう。もちろん、いつも緊張しています。肩には力が入り、心臓はバクバク(笑)。でも、経営者にお会いした瞬間に、緊張は不思議な「心地よさ」に切り替わっているのです。

なぜ「心地のよさ」を感じるのでしょうか?
それは、経営者が私の質問に耳を傾け、理解しながら同じ目線で話し、ご自身の考えもしっかりと伝えようとすることで距離感を縮めてくれているから。経営者のコミュニケーション能力の高さが、私からいつも以上の能力を引き出し、居心地のよさを感じさせてくれるのです。

経営者は、社員だけでなく、取引先、投資家、アナリストなど、コミュニケーションをとる相手も様々。人材のグローバル化も進んでいます。多様化が進み、組織が大きくなればそれだけ高度なコミュニケーション能力が求められることは容易に想像できます。

そんな環境の中、自身の考えを社員に真直ぐに伝えようとする姿勢を見せてくれたのは、漢方薬メーカーの株式会社ツムラ 加藤照和社長です。加藤氏が社長に内定したのは、2012年5月上旬のことでした。当時社長だった芳井氏(現ツムラ取締役会長)は、債務超過寸前に陥っていたツムラを漢方薬メーカーのリーディングカンパニーに復活させた敏腕経営者。しかも、役員になって1年足らずの加藤氏が先輩役員10人以上を一気に追い抜く人事だったため、株式市場でも大きな話題となりました。

「カリスマ経営者の後を引き継ぐプレッシャーは?」「今後、どのように会社を導いて行くのか」...社長就任のタイミングでしか訊けない事柄は、たくさんあります。
私はすぐに番組出演交渉に入りました。広報担当者からの「喜んで出演します。」という返答を聞いたときは、ガッツポーズ(笑)。
ところが、その後「出演時期は、少し待ってほしい」という言葉が続きました。社長交代時などの取材が殺到する時は、期間を設けて順番に対応してくれる企業は多くあります。出演交渉が遅すぎたのかと不安が頭をよぎりました。

でも、そんな心配は無用だったことはすぐにわかりました。新社長が描くツムラの新しいビジョンを「社員が番組や新聞、雑誌などを通じて最初に知るのではなく、自らの言葉で直接伝える。」という、加藤氏の想いがその「待ってほしい」理由だったのです。

およそ5カ月後。加藤社長は、最高の笑顔でスタジオにお越しくださいました。その笑顔には、各地の拠点に足を運び、自分の言葉で話しかけ、相手を理解し、杯を酌み交わしたことで生まれた自信と覚悟がしっかりと刻まれていたのです。

芳井前社長は、加藤氏の「米国子会社の社長として、短期間で事業を軌道に乗せた経営手腕と秀でたバランス感覚」を評価したといいます。加藤社長の秀でたバランス感覚、高いコミュニケーション能力で牽引するツムラの未来がとても楽しみです。

ツムラホームページ
ツムラについて

東証+YOU~マーケットから日本を元気に
(ラジオ日経オンデマンド加藤照和社長2012.10.10放送)

内田 まさみ(うちだ まさみ)プロフィール
過去コラム一覧

ラジオNIKKEI等で活躍中のフリーアナウンサー。1999年に日本短波放送に入社。数々の経済番組を担当した後、フリーに。

現在ではアナウンサー業に加え、ディレクターとして番組制作も手掛けている。また、雑誌や新聞などでの執筆活動も行っている。オールアバウトのFX担当ガイド

現在出演中の番組
・ザ・マネー 16:00-16:45 毎週月・火曜日担当
・陳満咲杜のFXトレンドの真実 21:30-22:00 毎週月曜日
・株式宅配便 12:00-12:30 毎週火曜日担当
・東証+YOU 11:10-11:25 毎週水曜日
・ザ☆スマートトレーダーPLUS 毎週木曜日16:45-17:15
・夜トレ 21:30-22:30 毎週金曜日
(いずれもラジオNIKKEIで放送中)


掲載日:2014年2月12日

 
    

特集

「証券アナリストの調査手法とこだわり」(全6回)

「証券アナリストの調査手法とこだわり」

証券アナリストの行動パターンをご紹介!個人投資家のリスク回避術を学ぼう。

特集を読む »

おもしろ企業探検隊

おもしろ企業探検隊

平林亮子&内田まさみの「そうだ!社長に会いに行こう」ナブテスコ株式会社

特集を読む »