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現役経営者が何を思い、何に気を付けているか(その8)

前回、職場を見れば、その会社の良し悪しが分るということに触れました。個人でも、よその家を訪問した際にふとしたところに目につきますが、自分の家の汚れやだらしなさは案外気づかないか、気づいてもほったらかしにしているものです。


【ポイント24】上司ほど会議に遅れる

みなさんは「スリッパの法則」(藤野英人著)という本を知っていますか。"プロの投資家が明かす「伸びる会社・ダメな会社」の見分け方"という投資家向けの本です。当社がマザーズに上場したときに藤野氏からいただいて読んだのですが、見分けられる側の経営者にとっても非常にためになります。

この中に「会議室の時計が5分以上狂っている会社に投資すべきではない」というものがあります。これはタナベ経営の田辺次良社長の教えだそうですが、社員が「そもそも時計が狂っていることに気がつかない。」または「気がついていても自分の問題とはとらえず直さない。」のどちらかで、どちらも問題だからということです。

特に「自分の問題とはとらえずに...」は要注意ですね。会社というものは、経営者がああせいこうせい言うのではなく、みんなで良い職場を作っていく意識が大切です。シュレッダーの周りにゴミがある、ホワイトボードのペンがもう出ない、プリンタが用紙切れになったままほっておく、そんな状態を見たら黄信号です。

さっそく社内で聞いてみたら「うちは電波時計だから狂わない」ですって。はい、そうですか...。でも、時計はともかく会議の定刻スタートができていなかったので、下記のような会議の心得を作り会議室に貼りました。この中では「たとえ上司でも定刻に遅れた者には注意すること」が特に大事です。傾向としては上の立場の人ほどルーズで、自分の遅れが他の人の時間を無駄にするという自覚を持っていないようです。

ちなみに「スリッパの法則」のタイトルは「社内ではスリッパに履きかえる会社に投資すると、不思議に儲からない」というものです。面白い本なので、お勧めします。

 


【ポイント25】そんなものと思い込んでいたことでも

 「会議効率化の七か条」を設置した頃(2007年)にJALに乗って感じたのが「以前に比べてずいぶん定刻スタートが増えたなぁ」ということです。後で知ったのですが、会社をあげて定時出発率(定刻の5分以内に出発)の向上に取り組み、前年平均76.7%から85%(2007年4-6月平均)に改善していたそうです。

 2010年に経営破たんしたのですが、現場ではなんとかしようと懸命に努力していたことが伺えますね。この改善努力は経営破たんを経ても続き、昨年は国内線・国際線の定時到着率(定刻の15分以内に到着)が88.94%となり、2年連続の世界第一位を受賞しています(最近は出発率ではなく到着率なのですね)。ちなみにANAも負けじと頑張っていて毎年JALと1位を競い合っています。

 空港側の問題で定刻スタートができないと思っていたのですが、やればできるのですね。こんな快挙を見たら、会議の定刻スタートくらいできない訳がありませんね。


【ポイント26】体験していないのに批判しない

以前、日経新聞に女性に対する「結婚すると幸せになれると思うか」というアンケート結果が掲載されていました。独身女性と既婚女性のどちらが幸せになれると思っていると思いますか?

意外なことに、独身女性の約4割が「結婚しても幸せになれない」と考えている一方、既婚女性の9割は「幸せになった」と満足しているそうです。

当時読んだ日経SYSTEMというコンピュータ誌の特集でも同じようなギャップがありました。開発支援ツールの利用実態調査結果で「利用は3割、満足は7割」、つまり開発支援ツールなどを利用している人はわずか3割しかいないが、使っている人の7割は満足しているというものでした。

世の中は"食わず嫌い"の方が多いものなのですね。で、最近私が気を付けているのは「体験しないのに批判しない」ということです。行ったことないのに、やったことないのに、会ったことないのに、食べたことないのに...。昔は直観的に合わないと感じたことを知ったような顔で批判したりもしましたが、最近は「よく知らないのに...」と自分に言って思いとどまります。

余談ですが、以前、臨床心理士の渋谷英雄さんが書いていたコラムで「止まる・考える・動く」のスリーステップが紹介されていました。最も大事なのは「止まる」ことで「外出先で席を立つ前やメールを送信する前に一呼吸おくなど、いったん止まると周囲の様子がよく見え余裕が生まれる」そうです。しゃべる前に自分を思いとどまらせるのに役立つ便利な呪文ですので、紹介しておきますね。

梅田 弘之(うめだ ひろゆき)プロフィール
過去コラム一覧


株式会社システムインテグレータ(証券コード:3626) 代表取締役 社長

1957年新潟県生まれ。新潟高校、静岡大学出身。株式会社東京芝浦電気(現東芝)、株式会社住商コンピュータサービス(現SCSK)を経て1995年株式会社システムインテグレータを創立。現在に至る。 

「日本のITを世界に!」と「IT業界の合理化」の2つをライフテーマにし、「時間を奪うのではなく、時間を与えるソフトウェアを創り続ける」というコーポレートスローガンを掲げて、時代ニーズに合ったパッケージソフトウェアを次々にリリースしている。主なプロダクトに、ECサイト構築パッケージ「SI Web Shopping」、開発支援ツール「SI Object Browser」、Web-ERP「GRANDIT」、プロジェクト管理システム「OBPM」、O2Oマーケティングサービス「モバポタ」、設計書ジェネレータ「OBDZ」などがある。

 「グラス片手にデータベース設計」シリーズ(翔泳社)や「実践!プロジェクト管理」(翔泳社)、「パッケージから学ぶ4大分野の業務知識」(翔泳社)など著書も多数。

システムインテグレータ社

掲載日:2014年2月22日

 
    

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