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現役経営者が何を思い、何に気を付けているか(その9)

経営者はいろいろな本を読みます。自社に置き換えて考えながら読むので、読み終えるとへとへとになっていることも多いです。でも、読んで感銘を受けただけでは意味がありません。本に書かれていることが「いいと思ったら実践する」ことが重要で、失敗を恐れずいろいろチャレンジしてみるべきだと思っています。


【ポイント27】TTWを活用して自分の頭で考える

みなさんはTTW(Think Tank Windows)という発想法をご存じですか。これは、下図のような3×3の9マス(窓)を書いたシートをメンバー全員に配布し、中央の窓に「会社のコミュニケーションをよくするには」などの課題を書いてもらいます。そして、3分以内にそのテーマから発想する事柄を残りの8窓に記述してもらうというものです。

8つの窓を全部埋めたら(窓を開くと表現します)、特に重要と思う項目に◎、2~3番のものに○、△とつけて終了です。3分という時間制限があるので、頭に浮かんだことをどんどん書き出さなければ間に合いません。それが自由な発想を呼び、メンバーの個性を引き出すことにつながるのです。

続いて各人が書いた課題を発表し、それを順次マインドマップに記入して整理します。そうするとみんなが感じている課題が浮き彫りになって、何をやらなければいけないかが明確に見えてきます。

継続的な取り組みは形骸化します。その典型が会議です。単なる報告会になってしまったり、上司からの一方的な話になりがちですが、時にはTTWを使って参加型のミーティングにしましょう。「課題を掲げて3分間考えてみる」、そんな些細なことで人間の頭が驚くほど活性化するのが不思議です。どうぞ、試してみてください。


【ポイント28】アッチラ大王の悪い報告をした部下を誉めよ

TTWに関しては「驚異のノウハウTTW(第二海援隊出版)」という本が出版されています。この中で、1500年前に中央アジアを制したアッチラ大王が「悪い報告をした部下を誉めよ、悪い報告をしなかった部下を罰せよ」ということを口癖のように言っていたと紹介されています。

"大王"とは逆のイメージですが、なるほど歴史に名の残るような統率者たるものは古の時代から大切な真理をわきまえているものです。社内で起こっている不祥事を知りませんでしたと言って弁明しているトップは耳が痛いですね。

アッチラさんの時代はともかく、現代では「悪い情報を先に報告しろ!」という言葉は、あまりによく使われていて陳腐にすら感じます。大方の上司は一度はこの言葉を口にしたのではないでしょうか。この言葉自体の輝き、重みは永遠に変わらないのですが、大切なのはその上司に対して本当に悪い報告をしたときの対応です。

「なんでそんなことになったんだ」と叱責したり、「う~ん、そうですか」と聞きっぱなしで対応してくれなかったり、「そんなのは自分で解決したまえ」と逃げ腰になったり...。そんな対応をすると自然と情報が上がらなくなるのですが、そんな輩に限って「うちのやつは全然ホウレンソウが出来ていない」などと部下を悪者にするのです。 

そういう意味で改めて思うのは、一般に言われているのが「悪い情報を先に伝えろ」という文言なのに対し、アッチラさんは「悪い報告をした部下を誉めよ」としている見識の高さです。ちなみに本書ではナポレオンの「よい報告なら明日の朝まで俺を寝かせておけ。悪い報告のときは絶対に俺をたたき起こせ」という言葉と、後藤田正晴氏の「俺が聞きたくもないような、ぞっとする悪い報告を真っ先にしろ」という言葉も紹介されていました。

社内のメールで、当然CCで入っているべき人(怖い上司)が入っていないのを時々見かけて思わず苦笑することがあります。報告すると叱られるので言いたくないのは、子供が父親に内緒ってのと同じでしょうか。あ、そういえば自分もスルーされていて、後で状況を知るケースがままあります。自分は大丈夫って勘違いは意外と多いので、気を付けなければなりませんね。


【ポイント29】勇気を持ってワークショップモデルを実践

会議や研修を参加型で効果の高いものにしたい方々にお勧めなのが、「効果10倍の<教える>技術(PHP研究所)」という本です。今までの授業や研修は、知識を複製して詰め込むだけの工場モデルなので退屈だが、これをワークショップ型に変えて効果を高めようという内容が書かれています。

著者の吉田新一郎氏は、いい研修会とは下記のような要素が必要と挙げています。

「会の雰囲気がいい」
「得るものがある」
「発見や出合いがある」
「参加者の主体的な参加」
「講師ではなく、コーディネータの存在」
「振り返りがある」
「目的の共有と達成が図れる」
「動きのある学び」
「実践できる研修」
「研修で終わらず、つながる・広がる」
「参加しやすい」

試しにみなさんが日頃行っている研修会や会議に当てはめて○×を付けてみてください。多くの方が思わず"やばい"と思うでしょう。参加型は主催者側も知恵と工夫が必要です。すべったらどうしようかと心配する気持ちもわかります。でも、「良いと思ったことはやってみるべし」の精神で果敢にチャレンジしてみましょう。私もそう心がけています。

梅田 弘之(うめだ ひろゆき)プロフィール
過去コラム一覧


株式会社システムインテグレータ(証券コード:3626) 代表取締役 社長

1957年新潟県生まれ。新潟高校、静岡大学出身。株式会社東京芝浦電気(現東芝)、株式会社住商コンピュータサービス(現SCSK)を経て1995年株式会社システムインテグレータを創立。現在に至る。 

「日本のITを世界に!」と「IT業界の合理化」の2つをライフテーマにし、「時間を奪うのではなく、時間を与えるソフトウェアを創り続ける」というコーポレートスローガンを掲げて、時代ニーズに合ったパッケージソフトウェアを次々にリリースしている。主なプロダクトに、ECサイト構築パッケージ「SI Web Shopping」、開発支援ツール「SI Object Browser」、Web-ERP「GRANDIT」、プロジェクト管理システム「OBPM」、O2Oマーケティングサービス「モバポタ」、設計書ジェネレータ「OBDZ」などがある。

 「グラス片手にデータベース設計」シリーズ(翔泳社)や「実践!プロジェクト管理」(翔泳社)、「パッケージから学ぶ4大分野の業務知識」(翔泳社)など著書も多数。

システムインテグレータ社

掲載日:2014年3月25日

 
    

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