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新社会人が知っておきたい「お金の鉄則」

世の中の仕組みのほとんどには「ルール」があります。社会人にこれからなる人は職場のルールを覚え、そこで仕事をすることになります。お金についてもルールがあります。仕事のルールは会社で教えてもらえますが、お金のルールは教えてもらうことがありません。

私自身も20代後半にファイナンシャル・プランナーの資格をとるまで知らないことが多く、「ずいぶん、ムダなお金を使ってしまったなあ」と思ったものです。新社会人になる人や、20代の会社員は、お金のルールを早く知ることで、上手にお金とつきあうことができるようになります。

今回は、大原則としてのお金のルール「お金の鉄則」をご紹介したいと思います


大原則)これからの人生はお金を貯められるかどうかが人生を左右する

学生のアルバイト感覚と社会人のお金の感覚で必ず変えなければならないのは「お金を貯める」が人生の前提である、ということです。毎月の収入で毎月の出費をやりくりするのは当然ですが、その一部を蓄え、将来の大型出費に備えていく必要があるからです。

家を買うなら数百万円以上の頭金が必要ですし(多いほど返済が楽になる)、子どもの学費、特に高校と大学の受験費用や入学金は貯金をしてそこから払いたいものです。老後のことを考えると定年退職までに数千万円の貯金が欲しいところです。

結婚や子どもの出産の際にもまとまったお金が必要ですし、病気やケガの際にもある程度のお金があれば心配せずに休んで療養することができます。ブラック企業から脱出するときも、3カ月の生活費があれば、落ち着いて転職活動ができるでしょう。

これからの人生は「お金を貯める」が大原則になります。


鉄則1)キャッシングもリボ払いも使わない~借りたお金で楽になっても、来月の自分を苦しめるだけ

社会人になると、どこかでクレジットカードを作ると思います。クレジットカードは今お金がなくても簡単に買い物ができる仕組みです。またキャッシングの機能があり、お金を借りることもATMですぐできます。消費者金融などのカードを作ることも会社員だと簡単で、誰にも会わずに数十万円借りられるカードが手に入ります。

しかし、「便利」と「簡単」にはその後の苦労が待っていることを覚えておきましょう。金利は高く、今何かを買えたとしても将来の自分が苦労することになります。楽だけ自分が得て、苦労を誰かに押しつけることはできないのです。

家電量販店のポイントもクレジットカードだと付与率が下がったりします。せっかくの安値の買い物もポイントは減り金利がつくのでは高い買い物になってしまいます。同じ買い物をするなら、現金を貯めて一括で買うべきです。


鉄則2)毎月数千円でいいので投資をする~投資をすると世界の仕組みが分かってくる

社会人になったらぜひ、自分の稼いだお金で投資をしてみましょう。投資というのは実は小さな金額からスタートできます。ネット証券では1,000円からスタートできる積立投資信託のプログラムもあります。毎月ちょっとずつでいいので、投資をしてみましょう。

少ない金額だと「1,000円が50%値上がりしても1,500円にしかならない」のでおもしろくないかもしれませんが、「1,000円が失敗して50%ダウンしても損は500円ですむ」ともいえます。最初は投資のルールが分からないわけですから、少額のほうがいいのです。

むしろ若いうちから投資の経験を積んでおくことが長い人生においてとても役立ちます。社会や経済の仕組みに関心をもつきっかけにもなります。パソコンやスマホで申込みができるネット証券が便利です。


鉄則3)会社の制度はフル活用してお金を貯める

会社が、資産形成のための支援制度を用意していることがあります。退職金や企業年金は強制的に、財形貯蓄やグループ保険等は任意で利用する制度です。

このとき、退職金や企業年金(日本版401kこと確定拠出年金を含む)について「加入するか、しないか」を決められる場合は必ず加入しましょう。加入しない場合、現金で掛金相当額がもらえるのですが、税金や社会保険料を引かれるので2割前後減ってしまいます。企業年金の枠に積み立てれば全額が将来にストックされます。

財形やグループ保険等の制度は定期的に募集がかけられます。財形は積立貯金とほとんど同じ仕組みですが、自動的に引き落としがされるため確実です。グループ保険はまとまった利用者が見込めるため値引きされているお得な設計が多いので、検討の余地があります。労働組合が同種の共済を用意している場合もあり、社員でしか利用できない制度は可能な限りフル活用してみましょう。


鉄則4)おつきあいで保険は入らない~心配なら2,000円で共済に入ればいい

社会人になったら、ほぼ間違いなく保険の勧誘を受けます。保険の営業のネットワークが企業の職場に入り込んでいるため、新入社員は「入るのが当然」というような営業攻勢を受けます。

しかし、手取りが15~16万円程度の新卒が1万円以上の保険を毎月払う必要はありません。最低限の医療費の保障が欲しいのであれば、都道府県ごとの県民共済や全労災のような共済に数千円かければ十分です。

少なくとも、保障内容や実際に手元に残る金額(貯蓄性のある部分)を理解できない金融商品の契約をするべきではありません。結婚したときや子どもができたとき、じっくり考えても十分です。職場で保険に入らなければならないというルールもないので、おつきあいで保険に入ってはいけません


お金のルールを意識して学んでいこう

今回は、鉄則あるいは大原則としてお金のルールをまとめてみました。お金についてのルールは学習する機会がほとんどありません。特に社会人がお金について学ぶチャンスは会社の中にも外にもほとんどありません。

新社会人は社会人になる前の心構えとして、20代の若い社員はこれからのお金とのつきあい方を見直すヒントとして読んでみてください。

お金にもいくつかのルールがあって、賢い人はうまく立ち回り、愚かな人はどんどん苦しくなる仕組みとなっています。これは不公平なのではなく、お金とのつきあい方を知らないから起こる現象です。

ぜひ、お金が自分の見方となるように、お金のルールを学んでみてください。

山崎 俊輔(やまさき しゅんすけ)プロフィー
過去コラム一覧


1972年生まれ。中央大学法学部法律学科卒。AFP、消費生活アドバイザー、1級DCプランナー。

企業年金研究所、FP総研を経て独立。商工会議所年金教育センター主任研究員、企業年金連合会調査役DC担当など歴任。退職金・企業年金制度と投資教育が専門。
論文「個人の老後資産形成を実現可能とするための、退職給付制度の視点からの検討と提言」にて、第5回FP学会賞優秀論文賞を受賞。近著に『お金の知恵は45歳までに身につけなさい』(青春出版社)。日経新聞電子版「20代から始める バラ色老後のデザイン術」など連載多数。
投資教育家として、twitterでも4年以上にわたり毎日「FPお金の知恵」を配信するなど、若い世代のためのマネープランに関する啓発にも取り組んでいる(@yam_syun)。

ホームページ: http://financialwisdom.jp

掲載日:2014年3月6日

 
    

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