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大切なことは経営者から学んだ

以前、ライフネット生命の出口治明会長が、ご講演の中で、
「経営は国語ではなく算数で考える」
とおっしゃっていました。
(聞き間違いや誤解がありましたら、ごめんなさい。)
事実をきちんと数字で把握し、その情報を基に判断することの大切さを説いていらしたのだと記憶しています。
たとえば、日本の食材は、海外のとある国の食材より安全だという噂があったとき、「なんとなくそんなイメージ」と結論を下すのが国語の発想。それに対し、たとえば、田畑の単位面積あたりの農薬の散布量などを比べてみるのが算数の発想。
算数で考えないと、わざわざ体に良くない食材を選んでしまう可能性すらあるというわけですね。

日常にも、そういう場面はいろいろあります。
たとえば、A案とB案のどちらを採用するかというとき。なんとなくA案がよさそう、という直感も大切ですが、数字の検証をせずに進むのは危険です。数字の情報と向き合うことで適切な判断につながるのです。
また、仕事なり勉強なりを
「頑張った!」
という状況も同じ。頑張ることや努力するは大切ですし、そういう主観的な実感も重要だと思います。でも、それが必ずしも、成果に結びついているとは限りません。その成果を測る道具が数字です。
点数があがったとか売上が伸びたといった数字が、頑張ったという曖昧な感覚を裏付けてくれます。
成果に結びつかないことが無駄であるとは言いませんが、努力するなら成果に結びつく方がより良いと思いませんか?
数字はそのための道具なのです。

そうそう、数字で考えるという視点といえば、
「時給換算してみる」
ことも大切だと言われたりしますよね。
たとえば、原稿料3万円の記事の執筆をする(この金額は筆者が適当に設定したもので、この記事の原稿料ではありません(笑))というとき、執筆のための調べものをするところから書き上げて編集後の原稿をチェックするところまでの時間で除せば、時給相当額を計算できます。

その時給は仕事に見合うものなのか。

見合わないとしたら、作業時間を減らすか金額をあげてもらうか、もしくはお断りするか、といった対処が必要になります。
常に時給ばかり気にしていたら滅入ってしまいそうですが、時々計算をしてみると、
「思ったよりも儲かる仕事だったんだな」
「もう少し効率を上げないともったいないな」
という気づきが得られるかもしれません。

とはいえ、時給にとらわれているとまた視野が狭くなります。仮に時給1万円で1日7.5時間、月20日で1年間労働しても、年収はしょせん1,800万円にしかならないからです。
もちろん、年収1,800万円を「少ない」と言いたいわけではありません。十分に高いと思います。
でも、安定して時給1万円を得続けるというのはおそらく大変なこと。その上、それが実現しても最高で売上1,800万円の世界。限界がはっきりと見えてしまうのです。
それならば、金額など気にすることなく没頭できるような仕事をした方が幸せだと思うのです。

・・・・・・この記事の執筆の実質的な時給がかなり低くなってしまっている自分への言い訳や慰めかもしれませんが(笑)

冷静な判断と情熱をもって取り組む姿勢はどちらも大切。
今日も「冷静と情熱のあいだ」を行ったり来たりしながら生きています。

平林 亮子(ひらばやし りょうこ)プロフィール
過去コラム一覧


公認会計士。中小ベンチャー企業をサポートする公認会計士集団アールパートナーズ代表。

1975年千葉県生まれ。お茶の水女子大学文教育学部地理学科出身。大学3年次在学中に公認会計士試験合格。太田昭和監査法人(現新日本有限責任監査法人)にて国内企業の監査に多数携わった後2000年に25歳で独立。現在にいたる。

企業やプロジェクトのたち上げから経営全般に至るまで、あらゆる面から経営者をサポートしている。また、女性プロフェッショナルに関するプロジェクト「SophiaNet」プロデューサーを務めるなど、経営サポートに必要な幅広いネットワークを持つ。コンサルティング業務のかたわら、テレビ朝日『モーニングバード!』のレギュラーコメンテーター(2011年)、ラジオNIKKEI『平林亮子と岸田恵美子のちょっぴりおとなのマネー&マネー』のメインパーソナリティー(2013年)を務めるなど、マスコミでも活躍。さらに中央大学商学部客員講師(2010年度)、上場企業等の社内研修講師、中小企業総合展(中小企業基盤整備機構主催)特別講演講師を務めるなど、学校、ビジネススクール、各種セミナーなどで講義、講演も積極的に行っている。

決算書を楽しもう』(ダイヤモンド社)、『お金が貯まる5つの習慣』『相続はおそろしい』(幻冬舎新書)『レシートで人生を変える7つの手順』(幻冬舎)など、著書は40冊を超える。

2013年10月、女性会計士チームCPA745メンバーの共著による消費税の入門書『やさしく解説はじめての消費税』(中央経済社)を発刊。

アールパートナーズ
http://www.r-cpa.co.jp

平林亮子の酸素派人間のススメ!
http://www.hirabayashi-cpa.com

掲載日:2014年3月19日

 
    

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