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日銀頼みのシナリオ

外人頼み

今年ここまでの日本株相場を振り返りますと、ひどい不調相場だったとは言えないものの、年初に多くの市場参加者が思い描いた相場とは異なったものだったでしょう。

昨年あれほど大量に買い越した外国人投資家が今年初から一貫して売り越し、というのが(強気派からすれば)最大の誤算だったことになるわけですが、非常に巨額の資金を運用しているとは言え、限りある資金を回転させながらの運用である以上は大きく買い越した後に売り越し気味になるというのは当然なのでしょう。

しかし逆に言えば、ある程度の売りが済んでしまえば今度は買いが優勢になるのでしょうから、今後どこかでまた外人買いで相場が上昇ということがあっても不思議なことではありません。

消費税引き上げの実体経済への悪影響がどの程度になりそうか?現時点では不透明ですが、過度に悲観することはないのではないかという気がします。賃金も一応引き上げの方向に向かっていますし(つまりインフレ要因)、アベノミクスの目標のひとつであるデフレからの脱却には成功するのでしょう。となれば、どこかでまた株価の上昇を見ることができるのではないかという気がします。

日銀頼み

需給面で外国人頼み、というのが今の日本株の現状と思うしかないのですが、外国人のシナリオを想像しますと、(株価への短期的インパクトが大きいと思われる)短期筋について見れば、どうやらまだ「黒田マジック」への関心が強いようです。

日銀の異次元金融緩和→円安・株高、というシナリオは、日本に住む日本人の感覚からしますと違和感を覚える部分があるのですが、一部の投機的外国人は(単純に)そう考えているらしい、ということには注目しておいていい(あるいはそうしておくべきだ)と思えます。(外国人の動向に過度に敏感にならざるを得ない相場では実のところ情けない話です。国内の市場参加者がもっと強力になる手立てを考えてもらいたいと思っている人は多いと思うのですが・・)

黒田日銀総裁が本心でどう思っているかは分かりようもありませんが、安倍首相が株価の上昇をもってアベノミクスの成果と見做す、というスタンスにあるようだ、という点と、外国人の日本株相場に対する見方が(皮相にも)金融政策に最大の焦点を(未だに)当てているようだ、ということからしますと、今後どこかで「黒田マジック第二弾」を出さざるを得なくなるのではないか、と思えますね。

しかし、外部環境が・・

日本の実体経済への影響という点からすれば、ウクライナ情勢などはどうなっても同じなのでしょうが、外国人の行動を誘発するということかすれば無視できることではありません。また、中国の金融情勢が不安を抱えている点も要注意でしょうね。NY株も高値圏にあって下落不安を拭えません。

こうした情勢からすれば、日本株は上昇局面でも不安を抱えたまま、となって上値の乏しいものとならざるを得ない、と想定しておくべきなのではないかと思えますね。

そしてどこかで外部要因による大きな下落があって、その辺りで「黒田マジック」が出て相場急反発となる、といったシナリオを思い描いておくのがいいのではないか、そんな感じでしょうか。

あるいはむしろ、日本株への売り圧力が日銀の異次元緩和第二弾を「催促するような」局面が来て、それがある程度の期間続く、といった展開を想定しておくべき、と言ったところかもしれませんね。

そうした展開になるとしますと、個人の市場参加者にとっても「トレーディング機会」が提供される、という意味で面白い話です。去年の相場のように、株価が数十%の規模で上の方に居場所を変える、といったことを願うより、短期間で大きく相場が振れる(しかし振れた後はそれほど水準が変わらない)ということを想定して、それを活用する手立てを考えておく方が現実的ではないか、という意味です。

「森=相場全体」についてはそういった感じで見ておいて一方で、「木=個別銘柄」については、大相場が出て来るに違いない、という目でよく見ておく、そんな対応が今後数か月はもっとも心地よい、となりそうに思います。

松下 律(まつした りつ)プロフィール
過去コラム一覧

証券アナリスト、社団法人日本証券アナリスト協会検定会員(CMA)

1976年慶應義塾大学工学部大学院修士課程修了
大学院修了後国内証券会社入社、証券アナリスト。その後国内投信委託会社、外資系信託銀行、外資系投信投資顧問会社で長年にわたりファンドマネジャー。
2000年以降は独立証券アナリストとして活動。インターネットを通じて個人投資家向けの情報発信している。

掲載日:2014年4月11日

 
    

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