株式・投資信託・ETF・退職・年金 投資に役立つ「ケイゾンマネー」

メンテナンスのお知らせ

サーバメンテナンスのため、下記時間帯でK-ZONE moneyがご利用いただけません。
■メンテナンス時間:8/5(金) 15:00 ~ 8/6(土)終日
お客さまには大変ご迷惑をおかけいたしますが、何卒ご了承下さいませ。

ピンハネ金融時代の終焉(1)

  • PR
  • PR
  • PR
 

狂乱のマネーゲーム

かつて米国金融業界が主導して来たマネー資本主義が行き着いた先はリーマンショック、そして世界金融危機でした。2008年の出来事です。そのどん底の瞬間には、本当に世界中から需要が消滅して、経済活動が止まったかのようになりました。

お金がお金を生み出すのが当たり前の如く、無限の信用創造が可能となったことから、金融が実物経済と大きく乖離して、デリバティブ(金融派生商品)がレバレッジ(テコの原理)を幾重にも駆使することで、世界経済の100倍をはるかに超えると言われるマネー経済が席巻したのでした。

こうして生み出されたマネーの過剰流動性は、数%に過ぎない実体経済の成長にはほとんど関心を示しませんでした。何故ならマネー経済は数十%のリターンを実現させていたからで、巨額の投機マネーはすべからくそちらに吸い寄せられて、マネーゲームに血道をあげる結果となったのです。

本来なら実体経済にインフレを生じさせるはずの過剰流動性マネーは、代わりにサブプライムローンに代表される如く、資産バブルを生み出して、結果その破裂がリーマンショックだったのです。

マネーゲームの勝者は?

マネーゲームの狂気は強欲資本主義そのものです。何故なら本来の経済成長をはるかに超えるリターンを求める参加者たちと共に、それを当然として享受していた連中が存在していたのですから。実はこのゲームには、投資機会を提供する側が確実に利益を得られるカラクリがあったのです。

強欲金融資本主義の代表と言えば、投資銀行とヘッジファンドでしょうか。彼らは機関投資家たちに、実体経済活動とは桁違いの高いリターンを見せてマネーゲームへと誘導し、そこに商品や運用を提供していました。

ハイリターンに目が眩んだ投資家たちは、いつの間にか金融のイロハであるリターンとリスクの中立性、即ちリスクの量に裏打ちされてのリターンであることを忘れ、狂奔の蜜に耽溺してしまったのです。

一方で投資家にプロダクトを提供する側の投資銀行やヘッジファンドは、彼ら自身が決してリスクを負うことなく、投資家が高リターンを求めて投じたリスクからしっかりと利益(手数料)を差し引いて、悠々と暴利を貪る仕組みが確立していたのです。

投資銀行は商品を投資家に販売したら商売は完了です。莫大な期待リターンという蜜に覆われた商品から多額の手数料をピンハネしても投資家には気付かれない。言うなれば業者が胴元として確実に儲かる賭場に、まんまとプレーヤーを誘ったのです。

ヘッジファンドはと言えば、成功報酬という一見フェアに見える仕組みを編み出していました。目標リターンを設定して、それを超える利益が上がったならば、超過したリターンからその数十%をファンド側がいただくといった約束事です。

繰り返しになりますが、高いリターンを求めるならば相応のリスクテイクが必須のことです。そしてリスクを負うのは投資家たちですから、超過リターンは本来すべて投資家が得るべきもののはず。逆にとったリスクが裏目に出ても、その損失はファンドではなく投資家がすべて負うのです。

つまりヘッジファンドたちは、投資家のリスクという他人のふんどしでちゃっかりハイリターンの博打を打って、当たったら利益をしっかりとピンハネ出来る。こんな一方的に美味しいルールを決めて、のほほんと巨利を搾取していたのです。

投資家のヨットは?

「投資家のヨットはどこにある?」という有名な風刺の小話があります。ニューヨークを訪れた田舎のおのぼりさんが、ウォール街を見学してからほど近いバッテリーパークにやって来ました。ガイドがそこに停泊している高価なヨットの数々を指さして、「ご覧ください、あそこに並ぶヨットはみな銀行家や証券マンのものですよ。」と一艘ずつ説明しました。すると気の利かない田舎者がひと言。「ところでお客さんのヨットはどこにあるのかね?」

これは1940年に出版された本の一節です。そして今に至るまで、金融業界とりわけ資産運用業界にはこの常識がしっかり根付いているばかりか、金融工学と呼ばれるハイテク金融の技術が駆使されるようになった1990年代後半以降、搾取金融はその程度に加速をつけ、且つ倫理観の退廃を伴って、利益独占の度合を強めて行ったのです。

金融秩序の回帰に向けて

かつてサブプライムローンの大暴落当日のこと。某米大手投資銀行社内において、サブプライム商品組成チームのリーダーから部下たちにメールが送信されました。

その中身は「今日大変残念なことが起こりました。我々の顧客の多くが巨額の損失を被ったのです。そしてもうひとつ、嬉しいニュースがあります。我々のチームはこの暴落で誰一人損した者がいないということです。」

5年前のリーマンショックから未曽有の金融危機に至った教訓を経て、世界はようやく主要国の金融当局同志が集まって、強欲な金融業界の慣習を改め、真っ当な金融秩序の構築に向けた取り組みが始まっています。

次回はその中身とこの転換がもたらす意義について、筆を進めたいと思います。

中野 晴啓(なかの はるひろ)プロフィール
過去コラム一覧

セゾン投信株式会社 代表取締役社長http://www.saison-am.co.jp/

1963年東京生まれ。1987年明治大学商学部卒。同年、株式会社クレディセゾン入社。セゾングループの金融子会社にて債券ポートフォリオを中心に資金運用業務に従事した後、投資顧問事業を立ち上げ運用責任者としてグループ資金の運用のほか外国籍投資信託をはじめとした海外契約資産等の運用アドバイスを手がける。その後、(株)クレディセゾン インベストメント事業部長を経て2006年セゾン投信(株)を設立、2007年4月より現職。米バンガード・グループとの提携を実現させ、現在2本の長期投資型ファンドを設定、販売会社を介さず資産形成世代を中心に直接販売を行っている。また、全国各地で講演やセミナーを行い、社会を元気にするための活動を続けている。

公益財団法人 セゾン文化財団理事
NPO法人 元気な日本をつくる会理事

著書
『運用のプロが教える草食系投資』(共著)日本経済新聞出版社
『積立王子の毎月5000円からはじめる投資入門』中経出版
『投資信託は、この8本から選びなさい。』ダイヤモンド社
『定年までにいくらあれば生きていけるか』アスキー新書
『20代のうちにこそ始めたいお金のこと』すばる舎
『30歳からはじめるお金の育て方入門』(共著)同文館出版
『年収500万円からはじめる投資信託入門』ビジネス社
『投資信託は、この9本から選びなさい。』ダイヤモンド社  等

ブログ「積立王子のブログ」 http://ameblo.jp/saisonam/
HP「社長対談"今"を変えるチカラ」 http://www.saison-am.co.jp/taidan/index.html
Facebookアカウント https://www.facebook.com/haruhiro.nakano.3
twitterアカウント@halu04

掲載日:2014年5月23日

 
 
    

特集

「証券アナリストの調査手法とこだわり」(全6回)

「証券アナリストの調査手法とこだわり」

証券アナリストの行動パターンをご紹介!個人投資家のリスク回避術を学ぼう。

特集を読む »

おもしろ企業探検隊

おもしろ企業探検隊

平林亮子&内田まさみの「そうだ!社長に会いに行こう」ナブテスコ株式会社

特集を読む »