株式・投資信託・ETF・退職・年金 投資に役立つ「ケイゾンマネー」

DCに羨望の眼差し

  • PR
  • PR
  • PR
 

DCを知っている人は投資をしている

確定拠出年金(DC)関連の本がここにきていくつか出版され、雑誌や新聞でもDCに言及することが多くなっています。これは1月からNISAが始まって非課税投資制度への認知度が急速に高まるなか、DCもじわじわと注目されつつあるからなのではないでしょうか。

いわゆるNISAのような非課税制度は拠出時課税(Taxed)、運用時非課税(Exempt)、引き出し時非課税(Exempt)でTEE型と言われますが、DCのような年金タイプは逆に拠出時非課税、運用時非課税、引き出し時課税のEET型です。そのため、DCの方が、拠出金が課税所得にならない分、スタートダッシュが効くことになります。運用が長期間見込める場合には、このスタート時点の非課税は大きなメリットにつながりますし、DCの場合、引き出し時点でも控除が厚くて課税されてもそれほど税額は大きくありません。そこでも課税面で優遇を受けることになりますから、メリットは大きいと言えます。

もちろん、NISAは引き出しの自由度の高さや年間の非課税投資枠の大きさなどからDCよりも優れた点もありますので、両方をうまく使うことは資産形成の大切なアプローチだと言えます。

ところで、フィデリティ退職・投資教育研究所が今年4月に実施した勤労者3万人アンケートで、DCを知っているかを聞いたところ、10,278名、全体の31.6%が「知っている」と答えています。このDCを知っている人は、投資に対して「明るい」「儲け」「前向き」「楽しい」といったポジティブなイメージを持っている比率が32.4%と、DCを知らない人(わからないも含む)の18.6%を大きく上回っています。そのため、投資をしている比率も49.6%と、DCを知らない人の17.0%をかなり上回っていますし、NISAを開設した比率も27.9%とDCを知らない人の9.1%の3倍に達しています。その結果もあるのでしょう、DCを知っている人の保有金融資産額は平均1293.1万円とDCを知らない人の695.4万円の倍近い水準になっています。

DC制度を理解することに意味がありそう

ところで面白いのはDCを知っている(10,278名)といっても、実際にDCに加入できているのは40.1%の4,119人に過ぎないことなのです。DCの制度自身が効果を持っていることも然ることながら、DC制度を理解するプロセスにも意味があるのかもしれません。

ところで気になるのは、6割に達する「DCを知っているのに、加入できていない人たち」のことです。せっかくDC制度を知っていて、その効果を理解しているのに、DCに加入してそれを具現化できないのは残念です。実際、この6割の「DCを知っているのにDCに加入できていない人」に、DCへの加入意向を聞いてみました。「加入したい」「加入を検討中/検討してみたい」が39.0%に達し、DC制度を知らない人の同比率7.2%を大きく凌駕しています。DC加入対象者の拡大は早急に実現してほしいものですね。

また、逆にDCに加入している人はなかなか実感がないのかもしれませんが、加入したいのに加入できないでいる人は4割にも達しているのです。これを考えると、DC加入者は、そうでない人から羨望の眼差しでみられていることに気付くべきではないでしょうか。

参照レポート:フィデリティ退職・投資教育研究所 勤労者3万人の退職準備状況~20代、30代の現状と改善へのアプローチアイデア

野尻 哲史(のじり さとし)プロフィール
過去コラム一覧


フィデリティ投信 フィデリティ退職・投資教育研究所所長

一橋大学卒業後、内外の証券会社調査部を経て、2006年からフィデリティ投信株式会社 フィデリティ退職・投資教育研究所所長。大規模なアンケート調査をもとに投資家への提言をするなど、投資教育に従事。

退職金は何もしないと消えていく」(2008年) 、「老後難民 50代夫婦の生き残り策」(2010年)、「40代のサイフ」(宝島社、2012年)、「50歳から始めるお金の話」(2013年2月、小学館文庫)など著書も多数。

現在、日本アナリスト協会検定会員、日本FP学会、日本証券経済学会、行動経済学会などの会員。

 

掲載日:2014年6月16日

 
 
    

特集

「証券アナリストの調査手法とこだわり」(全6回)

「証券アナリストの調査手法とこだわり」

証券アナリストの行動パターンをご紹介!個人投資家のリスク回避術を学ぼう。

特集を読む »

おもしろ企業探検隊

おもしろ企業探検隊

平林亮子&内田まさみの「そうだ!社長に会いに行こう」ナブテスコ株式会社

特集を読む »

K-ZONEユーザがオススメする証券会社

  1. 1位
  2. 2位
  3. 3位