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グローバル・リーダーとは

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安倍政権の重要政策の一つに教育改革があります。前回のコラム「国づくりは 人づくり」でも述べましたが、企業においても社会においても人財育成は日本にとって大切なテーマですので、議論が進み様々な挑戦がされることを歓迎します。その中でもよく耳にするKey wordの一つが「グローバル・リーダー」でしょう。しかし、私自身は、「グローバル・リーダー」と「リーダー」の違いについてあまり明確な定義を持ち合わせていません。

先日、私が理事を務めるNPO法人「いい会社をふやしましょう」で、教育をテーマにしたシンポジウムを開催しました。実業の中で多くの国々の人々と関わり、日本におけるグローバルに通用する人財不足に強い危機感を持つお二方にご登壇頂き、普段あまり使わない思考を磨きました。登壇者のお一人は、金融から転身して、中高生向けのグローバル・リーダー育成スクールを運営するIGS(Institution for a Global Society株式会社) 社長の福原正大さん、そしてもうお一方は、経産官僚から転身して、これからの日本の改革を担える人財育成に力を注ぐ青山社中株式会社代表の朝比奈一郎さんでした。

「かつて日本は、世界のGDPのおよそ10%を占める経済大国だったが、2050年には3%程度にまで低下すると見込まれている。当時、日本人が経済力を後ろ盾にして世界で活躍した時代もあったが、これからの日本人は、そうした後ろ盾はない。小国に生きる者として独自の存在感を示さなくてはならない。それは、今まで以上に、一人ひとりの力が求められる時代になったことを意味する。それだけに、教育に関わる者は、そうした時代背景の中でいかに生き、いかに社会や国家、世界に貢献するかを生徒に教えなくてはならない。単に知識の伝達者に留まることなく一人ひとりの生き抜く力、様々な困難に立ち向かうリーダーシップに灯をつけることが教育者としての使命なのだ」というお二人のお話がとても印象的でした。

福原さんは、私が以前勤めていた外資系資産運用会社の同僚です。語学も堪能でグローバルコミッティの中でも一目置かれる存在でした。錚々たるメンバーの中で、どのようにして言葉や文化を超えて存在感を示せるようになったのか?と尋ねたことがあります。その時の答えは印象的で、今でも覚えています。

フランスの名門INSEAD MBAに留学していたとき、当初は、思うように仲間とコミュニケーションがとれず、苦悩の日々を送ったそうです。そして、ルームメイトに「もう少し語学が堪能になりたい」と相談したそうです。しかし、その時のルームメイトの助言は、福原さんの期待とは異なるものでした。

「それは、君の語学力の問題ではない。君自身に伝えたいものがないからだ。自らの考えをしっかりと持つことだ。そうすれば仲間は君を尊敬するだろう」それがルームメイトからもらった助言だったそうです。

福原さんは、その言葉で目が覚め、それからは、語学はもちろんのこと、今まで以上に日本という国、歴史や思想、自分の在り方・生き方などを深く考えるようになったそうです。

留学時のルームメイトの一言で心に灯がついた事業家といえば、イー・アクセスの創業者 千本倖生さんもその一人です。千本さんは、ソフトバンクの孫正義さんと並んで通信業界の開拓者として大変有名な方です。NTTに勤めた後、第二電電(現KDDI)の創業に携わり、60歳に届こうかという年齢でイー・アクセスを創業され、当時、世界中から3,500億円もの資金を集めて驚かせました。

その原点をたどると、福原さんと同様に留学時のルームメイトとのやり取りだったようです。どんな仕事をしているのかとルームメイトに聞かれ、千本さんが「政府が100%出資する日本最大の通信会社で技術者をやっている」と自信を持って答えたら、"DAMN"「くそ野郎」といわれたそうです。(大組織にいること自体悪いことではありませんが、)組織に安住することなく挑戦し、変化を生み、進化させることにこそ価値があることを示してくれたルームメイトの言葉がなかったら今のKDDIもイー・アクセスもなかったかもしれません。

最近の雑誌Wedge「25年後を見据えた提言 英知25人が示す 日本の針路」の特集の中で千本さんはこんな寄稿をされています。

「起業家(人)は、描きうるなかで最大の夢を持て」「挑戦には失敗はつきものだ。しかし、諦めずに成功するまでやり遂げろ。失敗とは諦めた時をいうのだ」

これは、事業家に留まらず多くの人にも通じる言葉でしょう。

こうした方々の話から、グローバル(「全体」)に通用するリーダーが持つ資質の根本を知ることができます。それは、何も特別なことではない、「個」、すなわち一人の人間としての生き方、考え方をしっかりと持ち、挑戦し続ける意志なのだと感じるのです。

鎌田 恭幸(かまた やすゆき)プロフィール
過去コラム一覧


鎌倉投信株式会社 代表取締役 社長

1965年島根県生まれ。日系・外資系信託銀行を通じて25年にわたり資産運用業務に携わる。
2008年11月 鎌倉投信(株) 創業。2011年8月テレビ東京系列「ガイアの夜明け」で紹介される。

著書「日本で一番投資したい会社」(アチーブメント出版)
共著「21世紀をつくる人を幸せにする会社」(ディスカヴァー21)

 掲載日:2014年7月7日

 
 
    

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