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真のウーマノミクスの推進

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安倍政権の目玉:ウーマノミクス

安倍総理が掲げる「ウーマノミクス」は就業する女性が増えることで、企業活動の活性化や消費拡大といった効果が表れ、社会・経済が活性化するという考え方である。そのため企業も積極的に新卒採用や管理職に占める女性割合について数値目標を掲げ、仕事と家庭の両立支援策を推進している。女性活用を進める企業ほど好業績で、投資家を集められるといった実証的な研究成果の存在も企業の追い風となっているのだろう。働き方の多様化が進む中、全ての女性が教育・研修・転職の機会に恵まれ、社会で能力を発揮でき、正当な報酬を得られることこそが「ウーマノミクス」だと思えるのだが、現在の「ウーマノミクス」は、やや企業の中で管理職にまで上り詰めるような対象にのみ偏ってはいないだろうか。

女性の3人に一人が貧困という現実

1970年代までの日本は、「一億総中流」と称される平等な社会であった。しかし'80年代以降、徐々に格差が拡大しはじめ、女性の場合においても勤労者世代(20~64歳)の単身で暮らす女性の3人に1人が貧困である。貧困を表す「相対的貧困率」とは世帯収入から子どもを含む国民一人ひとりの所得を計算し、順番に並べたときの中央値の半分に満たない人の割合で、2012年時点の貧困線は122万円である。単身女性世帯の貧困率は勤労者世代で32%、65歳以上では52%、未成年の子どもがいる母子世帯では57%と、女性が家計を支える世帯に貧困は集中する。女性はパート、アルバイトといった非正規雇用が多く、男女の就業形態やそれによる賃金格差が高齢期に至るまで影響にしていることが明らかである。一人で子育てをする女性の貧困は教育格差をもたらし、子ども世代への貧困の連鎖を引き起こす。また、今後、20年すると女性の生涯未婚は5人に1人になり、男女の平均寿命の差から単身高齢女性が増えることを考えれば貧困女性のセイフティネットは最優先課題である。単身女性は低賃金であるがゆえに親元を離れられず、将来的に親の介護を背負い込んで働けなくなる可能性も生じてくる。

 就労を含む総合支援が重要

女性の貧困の多くが失業による貧困ではなく、働いても所得が増えないワーキングプアである。ひとり親家庭の女性については、「母子家庭の母及び父子家庭の父の就業の支援に関する特別措置法」が平成25 年3 月に施行され、ハローワークなどの紹介で、ひとり親を雇い入れた事業主に賃金の一部を助成したり、正規雇用等転換や短時間正社員の導入を実施する際に助成金が出るようになるなど、徐々に取り組みが始まっている。

また、ひとり親家庭以外の非正規社員の女性についても、企業が正規雇用化など処遇改善を行った際にキャリアアップ助成金が出るようになった。こうした民間企業への助成制度についてさらに、人手不足に悩む中小企業に広く浸透させることは言うまでもないが、民間企業向けの雇用政策だけでは問題は解決しない。 

2009年の全国消費実態調査によると、こうした低所得のシングル女性の家計を圧迫する。30歳未満の勤労単身世帯の消費支出に占める住居費の割合は男性の21.6%に対し、女性では31.1%となるなど住居費の割合が多い。空き家を活用し、シングル女性が共同で住める低廉なシェアハウスを増やしたり、公的な職業訓練の機会を拡充すること、自分に教育投資する費用を長期・無利子で貸し付けるなど、住宅・教育など総合的なバックアップが欠かせない。日本が10人の村だとしたら、2050年には65歳以上の女性は10人のうち3人、「おばあさん」が自分の稼いだお金で生涯、自立できるかどうかが日本の将来を左右する。

白石 真澄(しらいし ますみ)プロフィール
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関西大学教授

1987年 関西大学大学院修士課程 工学研究科 建築計画学専攻 修了
(株)西武百貨店、(株)ニッセイ基礎研究所 主任研究員を経て、2002年4月より東洋大学経済学部 社会経済システム学科教授
専門テーマは「バリアフリー」、「少子・高齢化と地域システム」


掲載日:2014年12月18日

 
 
    

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