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沖縄離島・竹富島にみた日本の観光の可能性 地域再生と共存共栄、運営・開発がキーワード

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 観光関連銘柄で日本初、旅館やリゾートホテルを主要投資対象とする星野リゾート・リート投資法人(3287)が誕生して1年半が経過した。その間に2020年東京五輪の招致が決定するなど、観光産業は追い風をうけている。星野リゾートがめざすのは、所有と運営の明確な区分だ。米国の大手ホテルチェーン・マリオットやヒルトン、シェラトンなどが、1980年代から行っているビジネスモデルで、日本にも例がある。わかりやすいのはリゾート法(1987年)第1号で、のちに破たんした宮崎シーガイアはシェラトンが、勤労者福祉施設として誕生したスパウザ小田原はヒルトンが、運営だけを担って今に至る。いずれも、所有と運営が明確に区分され、ハード(施設)が活かされた。

 星野リゾートは、フラッグシップの「星のや」のほか、「界」や「リゾナーレ」というブランドでも全国展開を行い、近ごろは世界にも進出して話題になった。界やリゾナーレは、まさに運営特化で、破たんした旅館ホテルを再生させた好例だ。ここで忘れてならないのは、単に零細ないしは債務超過の企業を再生させるということではなく、地域を再生している点で、疲弊した地方における星野リゾートへの期待は大きい。

 さて、星野リゾートは「リゾート運営の達人」を標榜するが、しかし開発も手掛ける。なかでも沖縄・八重山の星のや 竹富島は、観光関連銘柄に投資をしたいと考えている人なら一度は訪ねるべきだろう。石垣島離島ターミナルから高速艇で約10分、島の集落は重要伝統的建造物群保存地区に指定されており、保全が進む。もとはサンゴ礁が隆起してできた島で、農作物が生育しづらい環境にあった。そのため織物などの手工芸が発達し、民藝の島とも呼ばれる。

 いまだ舗装されない道は白砂で、ゴミひとつ落ちていない。いずれの民家にも、手積みの石垣が隣家との境界をなし、その屋根は赤瓦で統一されている。これらは「竹富島憲章」に謳われていることで、星のや 竹富島の客室も同じ町並みのように造られた。
 住民憲章といえば、昭和46年に宣言された木曽・妻籠宿(長野)が有名だ。竹富では妻籠宿を範に、「売らない」、「汚さない」、「乱さない」、「壊さない」に、伝統文化と自然・文化的景観を「生かす」と加えた基本5原則が宣言され、今も深く根づいている。
 だから竹富島の開発には当初、住民反対運動もあった。島の人々の理解を仰ぐため、星野リゾート代表の星野佳路氏は公私合わせて20回近くも竹富島に渡ったと聞く。住民との接点を見出して、共存共栄の道を模索した。
 その結果が先の客室の風情であり、また日中は水牛車に揺られてまちなみを散策したり、竹富民芸館で島民から手ほどきを受けてミンサー織の体験をするなど、従来の囲い込み消費――これまでの大型リゾートや温泉旅館の多くは施設内での囲い込み消費が過ぎたため、商店街など地域との連携がはかれず問題視された――とは、まったく逆の発想で、共存共栄の道をさぐった。島に潤いを与える、ウィン‐ウィンの関係だ。


重要伝統的建造物群保存地区に指定された竹富の町をめぐるには自転車か水牛車。
星野リゾートの宿泊者の大半が水牛車観光を利用する

 人口わずか361人、住戸の数は150という小さな島でも、28の御嶽(うたきのこと、オンと呼ぶ。琉球時代の信仰における祭祀などを行う施設)があり、島民総出で祭事が執り行われる。それら祭事には、星のやの支配人はじめスタッフや、ときには宿泊客が参加して、島の発展を祈る。一朝一夕には成し得ない、心の通い合いがみてとれる。

 これからの日本の観光は、遊興や物見遊山とは異なり、環境保全や経済活動としての利益の追求が問われている。観光は一つの確たる産業であり文化であって、経済の視点からいえば観光は、一般投資家の投資対象としてウォッチされるべき産業になっている。
 ちなみに沖縄離島には、星野リゾート リゾナーレ 小浜島やリゾナーレ 西表島もある。運営と開発、そして地域の再生や共存共栄の実際を、この目で見て確かめれば、日本の観光の可能性と投資対象としての観光を、深く感じることができるだろう。
 東京五輪を前に、星のや 東京が、東京・大手町の逓信総合博物館跡地に開業する予定だ。今、日本の観光は、挑戦のなかにある。

千葉 千枝子(ちば ちえこ)プロフィール
過去コラム一覧

観光ジャーナリスト 横浜商科大学講師
中央大学経済学部インターンシップ科目国際観光コース客員講師
特定非営利活動法人(NPO)交流・暮らしネット理事長

中央大学卒業後、富士銀行に入行。シティバンクを経て、JTBに入社。96年有限会社千葉千枝子事務所を設立。運輸・観光全般に関する執筆、講演活動を行いラジオ、テレビにも多数出演。神奈川県観光審議会・沖縄県感動体験戦略検討委員会・釜石食ブランド開発検討協議会などの委員。日本観光研究学会、日本観光ホスピタリティ教育学会、日本旅行業女性の会、日本旅行作家協会会員。ファイナンシャルプランナー、総合旅行業務取扱管理者を有する。著書に「JTB 旅をみがく現場力」(東洋経済新報社)、「観光ビジネスの新潮流」(学芸出版社)など多数。

ブログ(毎日更新)「旅のエクセレンス」
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掲載日:2014年12月25日

 
 
    

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