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大学生の金融マインドとK-ZONE トレダビ

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■ 再びアンケート

 大学の前期授業が終わりました。私が教えている「eラーニング経済学」の今年の学生さんは、けっこう真面目に授業に参加してくれて教え甲斐がありました。そのため例年は教えない日経225先物やオプションを、OSE先物・オプション シミュレーターを使って勉強させました。このシミュレーターはとても良くできており、またYouTubeにもシナリオに対応したビデオがアップされているので、期末試験対策用に学生さんは授業時間以外にも勉強していました。
 さてこのコラムの第1回でも書いたとおり、大学の経済学部で教えている金融系の講義が学生さんの投資に対する思考や価値観に影響を与えるのかどうか評価してみたいと思います。この目的のため、経済学部の関係教員にお願いして、お金に関する基礎的な傾向や価値観を見る「学生の金融マインド」のアンケート調査を行いました。

 サンプルサイズは、1回生が110人(男88人、女22人)、2回生が75人(男60人、女15人)です。なおeラーニング経済学の受講生は31人で、その内訳は2回生が19人、3回生が6人、4回生が6人で、男が26人、女が5人です。またeラーニング経済学のアンケート結果は、授業開始時の4月半ばに行った調査を基にしています。最後に、2回生のデータからeラーニング経済学を受講した学生さんの分は取り除いて調整しています。

 アンケート調査の結果は、表1「帝塚山大学経済学部の学生の金融マインド」のようになりました。この結果から、高校を卒業したばかりの1回生と、まだ金融系の講義(金融論や証券市場論等)を受講していない2回生の違いはほとんどないことがわかります。

表1.帝塚山大学経済学部の学生の金融マインド

 また表にはありませんが、1回生と2回生のデータの両方に当てはまる男女の違いとして、「株式投資をやってみたいですか」の質問に男子学生は50%前後が「はい」と回答するのに対して、女子学生の方は30%と少ない点です。
 最後に、多くの1回生や2回生は株式投資に対する否定的なイメージや不安感・不信感を強く抱いています。その典型的なコメントとしては「株式投資には興味はあるのですが、よく失敗して借金まみれになっている人をテレビで見るので怖いです」とか「失敗したら取り返しがつかない」、「リスクのかたまり」、「破産」や「博打」のイメージと言った内容になります。

 つまり経済学(お金)に関心があって大学に入ってきた学生ですら、金融リテラシーを身につけるために必須の「投資」(株式であれ債券であれ)の意義と有効性に対しては半信半疑であることがわかります。

■ eラーニング経済学とトレダビ

 そこで学生さんの株式投資に対する不安や不信感を少しでも払拭するため、eラーニング経済学ではテクニカル分析(フィボナッチ・リトレースメントやMACDなど)やファンダメンタルズ分析(財務諸表や適時開示情報の見方)、空売りや裁定取引の意義、アメリカの株式市場やFed(アメリカの中央銀行)の動向、先物市場や為替市場の影響、投資の心理学など、トレダビを使って具体的な銘柄を売買させながら解説しています。
 このようなeラーニング経済学の内容とトレダビを使った教授法が、株式投資に対して否定的な感想を抱く学生さんの意識を変えることができたのか報告します。
 まず表1のeラーニング経済学を受講した学生さんの金融マインドは、先にも述べたように、講義開始時点で行ったアンケート調査の結果です。1回生や2回生向けのアンケート調査とは異なり、「株式投資をやってみたいですか?」の質問はしませんでした。その理由は、彼らがこの講義を受けた後に回答してもらおうと考えたからです。

 さて表1から言えることは、金融系の専門科目を受講していない1回生や2回生に比べて、eラーニング経済学を受講する学生さんは次のような傾向が強いことがわかります。

  1. 親には「お金」のことを心配するなと教育を受けているが、「お金」に対して肯定的な意識を持っている
  2. 親の収入や自分の教育費・生活費を把握している
  3. 株式投資や資産運用に対する関心が高い

 次に講義のシラバス(授業計画)に受講生はK-ZONE のトレダビに参加してもらうことを明記しているので、例年、学生さんの参加と授業利用は問題なく行うことができています。ただしトレダビは成績ランキングが毎日はっきり出るので、教える教員が学生さんより「へたくそ」だと信用されません。そのため授業期間中は私もトレダビの売買をマジメにやり、今回のトレダビ第71回のランキングは2313位でした。

 今年の学生さんは優秀で、500番以内に1人、500~1000番に2人も入りました(ビックリ!)。受講生全体のうち1万番以内に半数以上がランクインしたので、今年の学生さんはよく頑張ったと思います。
 そして学期末にK-ZONE トレダビについて学生評価のアンケート調査を行いました。その結果を表2「K-ZONEトレダビの評価」にまとめました。
 表2から、学生さんはトレダビのような株式投資のシミュレーションを経験することにより、株式投資に対する悪いイメージを払拭するだけでなく、実際の株式投資に役立つと考えていることがわかります。その結果、株式投資をやってみたいと思う学生さんの割合が77%に達していますが、表1の1回生や2回生の50%前後の数値と比べると、トレダビの教育的効果は明らかにあると思われます。
 学生さんからも「株のイメージが良い方向に変わった」、「株式投資に自信がつく」、「株式投資を身近に感じるのに、とても良いサイトだと思いました」など肯定的なコメントが寄せられています。
 その一方、システム(機能やデザイン、メール等)に対してはその肯定的なコメントと比べると若干、満足度が下がるようです。

表2.K-ZONEトレダビの評価

■ 健全な投資行動を促すために

 さて、学生さんの金融リテラシーを高めて「幸せな経済生活」を実現してもらうためには、株式投資の知識とスキルは不可欠の要素だと思います。しかし今回のアンケート調査からも明らかなように、経済学を志望した学生さんですら株式投資を「うさんくさい危ない博打・ギャンブル」と否定的なイメージを持っています。そのため関係者はこの否定的なイメージをどのように払拭するのか知恵を出し合う必要があります。
 その一方、株式投資に関心のある学生さんを動機付け、健全な投資行動を促す教授法や教材の開発を進める必要があります。現時点では教員の個人的資質や職人技で行われている場合が多いように思われますが、誰でも適切な株式投資の授業を行えるような知識の共有・習得とマニュアル化が求められています。



中嶋 航一(なかじま こういち)プロフィール
過去コラム一覧


現職:帝塚山大学経済学部 教授
学歴:UCLA経済学部B.A.・ Vanderbilt University大学院経済学研究科Ph.D.
専門:ITを活用した教育、アニメ経済学、「お金持ち」の経済学
『千と千尋の経済学』シリーズ
>YouTube:中嶋航一
千と千尋の経済学のblog
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