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外人買いとか外人売りとか。それってナニ?

 

日本株の30%は海外投資家が保有、東証2市場ではさらにその割合は高くなり、売買金額に至っては70%近くが海外投資家によるものとなっています。株式に関するニュースでたびたび外人買い・外人売りという言葉が聞かれるのは、海外投資家の動きがマーケットに影響を及ぼすためです。外人買い・外人売りをどう捉えていけばマーケットが読め、投資戦略に活かすことができようになるのかを解説していきます。

 

外人買い・外人売りとは海外投資家の売買動向

日本株はヨーロッパやアメリカの株に比べると割安であること、円が比較的安定した通貨であることから、海外投資家の投資はさかんです。海外投資家の日本株保有率は30%前後とそれほど高くありませんが、海外投資家はキャピタル・ゲインの追求が保有目的のため、積極的に売買を繰り返すという特徴があります。2015年の日本株式の売買比率は、金額ベースで個人投資家は23.2%であるのに対し、海外投資家では67.7%と大きいです。2016年に入るとさらにその状況は進み、70%を超えてきています。海外投資家の売買動向がマーケット全体に影響力が持つのはこのためです。

さらに、海外投資家は企業業績やニュースに敏感に反応し初動が早いうえに順張り傾向があるため、彼らの動向は相場トレンドを形成する大きな要因となります。過去日本株が暴落した際には、多くの場合海外投資家が大きな売りを仕掛けていました。一方、日経平均が50%以上も上昇しアベノミクス相場と呼ばれた2013年には、海外投資家は15兆円以上を買い越しています。

 

海外投資家の動きは「2市場1.2部主体別売買動向」で確認可能

海外投資家の動向は、東証の投資部門別売買状況をまとめた「2市場1.2部主体別売買動向」が参考になります。東証の売買動向の発表は前週の状況が翌週第4営業日終了後(通常木曜日夕方)となるため、リアルタイムの情報ではありません。しかし、海外投資家が売り越しているか、買い越ししているかでおおまかに長期的な市場の流れが判断できます。売り越しまたは買い越しが2~3週連続すると、トレンド形成と判断する目安となります。

日々の株価動向については外資系証券の寄り付き前注文や空売り比率が参考になるでしょう。寄り付き前注文については、ニュースサイトで報道されていますが、基本的にはヒアリングによる非公式情報であり、さらにその売買が必ずしも成立するものではありません。しかし、長期的に見た場合には「2市場1.2部主体別売買動向」とよく似た動きをとっており、流れの目安とすることはできます。売り越し超過となっている場合は、当日の日経平均が軟調に終わることが多いです。

 

海外投資家の売買状況と日経平均を検証

2016年はアベノミクスへの失望感から外資系の売り越しが続き、日経平均も伸び悩む流れが続いていました。2016年で買い越しの流れが見られたのは、4月の第1~3週、5月の第2~3週、10月第1~2 週です。4月では15,000円台後半から16,000円台前半であった日経平均は、17,000円台中半まで値を伸ばしました。5月の第2~3週では大きな変化はなかったものの、16,000円台前半から後半まで、10月第1~2週にも、それまでの16,000円台中半から、17,000円台前半まで株価は上昇しています。

10月の第1週を見てみると、海外投資家が2805億円の買い越しに転じています。日経平均はというと、3日から6日は4日連続の値上がりという結果になりました。また、10月第2週についても、買い越しは1131億円となり、日経平均も17,000円台の回復に成功しています。海外投資家は有名銘柄を中心に売買を行う傾向があることも、日経平均に反応しやすくなっている要因の一つです。

 

海外投資家の売り越し・買い越しはマーケットの牽引要因になります。確実なものではありませんが、これらの流れを注視しながら投資戦略を立てることは有効です。国内の個別銘柄の動向に注意するのはもちろん、マーケットがどちらに流れているのかを見極めるためにも、海外投資家の動きはチェックしておきましょう。

   
    

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