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広がるラップ口座。これってどうなの?

 

ラップ口座とは、金融機関に資産運用を一任するタイプの口座です。中でも、投資信託を対象としたファンドラップは、少額から運用が可能ということで手軽な投資方法として知られるようになりました。ラップ口座の運用は証券会社が行うため、投資が初めての方に人気ですが、必ずしも最適な投資方法とは言い切れない面もあります。ラップ口座のメリット・デメリットについて仕組みを見ながらご説明しましょう。

 

身近なラップ口座ファンドラップとは

ラップ口座は、証券会社などに資産の運用を一任するサービスです。あらかじめ口座の運用方針などを決定した上で、後の運用は証券会社が執り行います。

ラップ口座は、以前は大型の口座が対象で富裕層向けのサービスとされてきました。しかし、現在では投資先を投資信託のみにしぼり、300万円程度の少額から利用できるファンドラップという形態の口座が登場し、知名度が急上昇しました。2016年3月末現在、ラップ口座の契約数および金額は前年より大幅に増加しており、投資家の関心が高いことがうかがえます。 

ラップ口座では、総資産に対して投資顧問料や管理費が必要です。しかし、一度投資方針を設定しておけば、面倒なファンドの入れ替えや構成比率の変更を金融機関が全て代行するため、手間をかけずに投資ができるというメリットがあります。通常のファンドの場合、取引指示を出すのは投資家本人ですが、ラップ口座では金融機関が主体となって投資を実行していきます。

 

知っておきたいラップ口座のデメリット

しかし、ラップ口座にはデメリットがいくつか存在します。まず、かかる手数料コストが大きいことです。ラップ口座では、ファンドの入れ替えにともなう売買手数料はかからないものの、投資顧問料とファンドの信託報酬は発生します。標準的なファンドラップの場合、投資顧問料は総資産額の1.6%前後、ファンドの信託報酬は1.0%程度です。結果、ラップ口座は3%程度のコストがかかるため、運用でこれ以上のリターンを得られるかどうかが課題です。資金に余裕がない場合は許容リスクを小さくする傾向がありますが、その場合は特に十分なリターンが得られないことがあります。

また、ラップ口座で設定されている低リスクファンドは、通常の投資信託バランス型ファンドの運用益とほぼ変わらない水準となることもあります。こういったケースでは、自己でファンドを購入した方が、管理手数料の分だけ大きなリターンが得られます。

 

ラップ口座に向いている人、いない人

ラップ口座での取引が向いているのは、投資に時間をかけたくないとお考えの人です。自分で投資信託を利用して資産運用を始める場合、商品の選択から管理や入れ替えまでを自分で行う必要があります。ラップ口座では、投資家の方針にしたがってファンドマネージャーが最適な銘柄やポートフォリオの構成割合を行いますので、基本的に放置しておくだけで運用が可能です。逆に、適切な銘柄選びや定期的なファンドの見直しなどが自分で可能な方の場合には、ラップ口座のメリットはあまり受けられません。自分でリスク管理ができる方の場合は、ラップ口座の手数料はかえってコスト高となります。

 

また、ファンドラップの場合は、限られたファンドを用いたポートフォリオ構成です。少額口座の場合には、アクティブファンドが対象とされていないもあります。自分で投資について学びながら、より積極的で柔軟な投資で効果を得たいという気持ちがある方には、ラップ口座は適していないでしょう。

   
    

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