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株を買う人は原油も見ないといけないの?

 

原油価格(WTI)は2016年2月に1バレル26.21ドルを記録した後、次第にジリジリと値を上げ、6月、10月には50ドルを越えてきました。原油高はガソリンの値上がりなど、生活に密着した部分で取り沙汰されることが多いのですが、原油価格は日本株にも影響を与えますので、株を買う場合には原油価格にも注意が必要です。

 

原油価格の上昇で日本株が上昇するメカニズム

原油価格が上昇すると、日本株も上昇しますが、これはなぜでしょうか。原油が上昇すると、取引通貨となるドルは下落します。さらに、エネルギー関連株の寄与度の高いNYダウも下落するため、それを受けて日本株も下落するというのが本来の動きです。

ところが、中東情勢が不安定で原油の供給過多が続いているため、原油価格(WTI)は2016年2月には1バレル26ドル台という安値を記録しました。このような著しい下落は、景気の不透明さから世界経済の混乱を引き起こす要因です。そのためリスクオフとして比較的安全とされる通貨の円が買われるようになり、短期的には円高株安へと動く結果となりました。

原油価格は、2月に底値を記録した後は徐々に値を上げ適正価格へ戻ろうという動きが続き、11月現在は46ドル前後で推移しています。異常な原油安による世界経済混乱のリスクが減ったために、原油下落にともなって買われた円やドルが売られるようになりました。日本では円高が解消されるために、株価が上昇するという動きが起こります。このような流れから、原油価格と日本株は似たような値動きを取ることがしばしばあります。

 

原油価格の下落局面では海外投資家の動きに注意

原油価格が下落した場合に注意しなければならないのは、いわゆる「オイルマネー」と呼ばれる、中東を中心とする原油産油国の資本の動きです。原油高の場合、原油産出国の資本は大きくなります。その結果、他国の株式等に多量の投資資金が流入するため、株価は上昇します。しかし、原油が下落した場合には、投資に使われてきた資金は回収が図られます。海外投資家が70%以上を占める日本の株式市場ではその影響があらわれやすく、株価の下落要因として中東資本によって買われた株式の売却が進む可能性が指摘されています。

また、原油の下落によって、アメリカのエネルギー関連株も下落します。その結果アメリカや世界経済にもたらされる株安や先行きの不安感も、日本株下落の要因のひとつです。アメリカと日本の経済的関係は強いため、NYダウと日経平均は同じような値動きを取ります。短期的ではありますが、日本でも原油下落によって株価下落が起こるのはこのためです。

 

日本株には原油の下落が長期的にはプラス要因に

原油価格の下落は長期的にみた場合、日本株には本来プラスに働きます。エネルギー資源を海外からの輸入に頼る日本では、原油価格が下落した場合、化学系製造業などではコストが大幅に削減できるため、業績の改善に繋がります。また、原油を多く利用する運輸系や電力系の会社も原油安により利益率が上がり、株価は好調に推移するでしょう。逆に、商社や石油元売り企業などでは、原油価格の下落により利益が圧縮され業績悪化は避けられません。

原油の下落による業績改善が明らかになるのは、期中期末の決算発表後です。原油安効果が株価に反映されるまでにはタイムラグが生じます。その間、原油安は短期的に株価を下げるため、物価の下落によるデフレ懸念や企業の設備投資縮小などが発生します。このように株価下落によるマイナス面が一時的に目立ちますが、株式投資を行う場合には、原油下落が景気後退を導くものではないということを頭に入れておかなければなりません。

 

原油価格の変動によって影響を受けるものは関連銘柄だけでありません。各国の株価や為替にも影響があるため、原油価格(WTI)は重要な指標のひとつとされています。株式投資を行う際には原油の動きも必ずチェックしましょう。

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