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ROE10%超を目指してます!

 

世界から投資の対象として捉えられる企業の条件として、ROEが10%以上ということが挙げられます。そのため多くの企業でROE10%を目指す動きが高まっていますが、必ずしもROEが上がれば投資に適するかといえば、そうではない場合もあります。ROEだけを見るのが危険な理由と、企業分析に有効な自己資本比率やROAとの関係についても考えていきます。

 

多くの企業がROE10%を目指すとする理由

近年、経営計画を発表する際に、ROE10%を超えることを目標と掲げる企業が増え、現在では3分の1以上の企業がこれを達成しています。欧米ではROEが10%を超えることは当たり前で、日本の水準が低過ぎることが指摘されてきました。日本の企業の場合、企業経営のスタイルとして、欧米と比較すると低リスク低リターンの性質が強く、ROEの数値は低めに推移してきました。しかし、海外投資家視点では、投資の最低ラインと判断されるのがROE10 %、と言われます。日本株への投資家の70%は海外からです。海外から投資に値すると判断される企業となるために、そのラインを目標とする企業が増えているのです。

ROE(自己資本利益率)は株主資本に対してどの位の当期純利益が得られたかを表す指標であり、一般に投資に適するかを判断する重要な指標とされています。個人投資家でもスクリーニングに利用している方は多いでしょう。しかし、ROEの数値だけでは投資に適格な企業であるかどうかを判断するのは不十分です。

 

高ROEだけでは企業の財務状態を判断できない

ROEが高いだけでは、一概に企業の成長が期待できるとは限りません。なぜなら、ROEを上げる手段には複数あり、必ずしも利益の拡大により収益性が上がっているわけではないからです。

ROEは、経営の効率性も示していますが、自社株買い、そして消却が行われれば、数字上ROEを上げることができます。しかし、見方を変えれば資本を縮小しているにほかなりません。効率化により、その企業に適した活動規模を目指すという点ではメリットと言えますが、それが将来的な成長につながるかといえば、そうとは言い切れません。

また、ROEを高める方法として、借り入れによって自己資産を減らすという手段もあります。この場合、自己資本比率は下がりますが、ROEを上げることができます。しかし、他者の影響を受けやすくなることでもあり、経営の安定性という部分ではマイナスです。このような事例もあるため、なぜROEが高いかという理由を、他の指標とも合わせて見ていく必要があります。

 

ROE以外に企業の評価指標となるものは?

では、具体的にROE以外で企業の経営状況を判断できる指標はあるのでしょうか。そこで注目すべき指標とされているのが、ROA(総資産利益率)です。ROAは次の式によって算出できます。

・純利益÷総資産(株式資本+負債)

・売上高利益率×総資本回転率

ROEは当期利益を中心とした株主の利益を表しますが、ROAでは負債も含めた総資産で経営効率を判断することができます。ROEが高い場合でもROAが低い場合、自己資本比率が低いということになります。経営がうまくいっている場合には問題ありませんが、ひとたび問題を抱えるとリスクが高くなるのです。理想はROEもROAもバランスよく高いことですが、安定性を重視した企業ではROEが低く、ROAが高くなります。投資の対象としてどちらが優れているかは投資スタンス次第ということになります。

また、企業の成長率を見たい場合には、売上高営業利益率などが参考となります。売上高営業利益率は本業における利益率の大きさを表す数値です。

 

政府の構造改革会合では、企業の業績評価をROE以外でも、成長指標として、従業員や消費者、環境対応についても対象とする方向です。このような動きからもROEは1つの指標に過ぎず、ROE以外の要素にも注目すべきということがわかります。

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