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トランプ、Brexit、そして日経平均

 

2016年で相場を大きく動かしたイベントといえば、いわゆるBrexitとよばれるイギリス国民投票における離脱派の勝利、およびアメリカ大統領選挙でのトランプ氏の当選でしょう。これらは株価の大幅下落を招きましたが、Brexitでは日本株の回復には時間を要したのに対し、大統領選では下落後翌日には回復するという異なる動きを見せました。なぜこのような違いが起きたのか、投資家はどう動くべきかを検証します。

 

Brexitとトランプ当選が大きな相場変動を巻き起こした理由

イギリスのEU離脱やアメリカ大統領選といった世界的に大きなニュースは、市場に大きなインパクトを与えます。今回両者で大きな変動が起こったのは、市場の予測外のサプライズであったことが大きな要因でしょう。

相場は様々な要素から、先を予測して取引が行われています。今回のBrexitにも、アメリカ大統領選にも共通していたことは、市場の大部分の予測に反した結果に終わったことです。とりわけBrexitは、投票締切直前の出口調査においても残留が優勢と見られており、すでに相場は上昇を織り込んだ動きも見せていました。アメリカ大統領選挙においても、クリントン氏優勢の流れが織り込まれていたのは周知の通りです。それゆえにサプライズの効果は抜群に大きなものでした。

このような事前予測が可能なイベントの場合は、変動は一時的なものに終わるのが一般的です。各国の相場は一時大きく下落しましたが、間もなく回復しています。

しかし、日本株においては、Brexit後の下落からの回復に米国(NYダウ)、英国(FTSE100)と比較すると時間を要しました。ところが、アメリカ大統領選では翌日には回復しています。

 

なぜBrexitとアメリカ大統領選挙で動きが異なったか

7月に入った時点ではすでにロンドンのFTSE100指数は高値回復しています。しかし日経平均はというと、EU主要国と同様に戻りは弱く、元の水準となるには7月第2週までかかりました。7月8日のアメリカ雇用統計の結果の改善によってようやく回復となったのです。

いっぽう、アメリカ大統領選では、11月9日に日経平均終値は919円安の1万6,252円となりましたが、翌日10日には1,092円高の1万7,344円に回復しました。当初リスクとされたトランプ氏勝利が早い段階で解消されたために回復したのです。

Brexitで日本株が回復しなかったのは、Brexit時点でリスクオフの流れが日本円に集中し、円高が進んだことがひとつの要因です。リスクオフでは主要通貨に資金が流れますが、Brexitではユーロはもちろん、ドルも利上げ延期が予想されていたことから弱含みでした。その結果、日本円買いが予想以上に進み、円高株安が継続してしまったと考えられます。アメリカ雇用統計以後、円安株高方向へ向かったことからも説明がつきます。また、アメリカ大統領選で回復が早かった理由は、選挙の結果がどうであれ、アメリカ経済の回復が期待される状況であったことが要因のひとつです。

 

投資家としては大きな変動にどう臨むべきか

投資家は急激な相場変動についても予測したうえでポジションをとることが大切です。Brexitやアメリカ大統領選挙は、あらかじめ想定されていたものですのでリスク対策を行っていた投資家も多かったでしょう。しかし、相場はテロや災害などによっていつ大きな変動が訪れるかはわかりません。いくら相場が好調であったとしても、常にリスクを意識しておくことは重要です。特に日本株を扱うにあたっては、海外投資家の動きに関係する為替の状況には注意しておくべきです。

株価変動のリスク対策としては、変動リスクの少ないディフェンシブ銘柄を中心とした投資スタイルをとることや、株安の際に有利となる先物銘柄でリスクヘッジを行うといった対策が挙げられます。リスクを分散しておけば、損失を最小限にとどめることが可能です。ストレステストを行っておくのも有効でしょう。

また、一方では、相場が大きく下がった場合は、見方を変えれば追加投資のチャンスでもあります。すぐ動かせる投資資金を準備しておくのも効果的です。

 

日本株は海外投資家の割合が高いことから、世界情勢に敏感に反応します。トランプ・ショック回復後は、円安が進み株価の回復も順調です。今後もアメリカの利上げ動向など注目されるイベントは続きます。常にリスクは意識しながら、相場に臨みましょう。

   
    

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