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その株、買う前に決算くらいは気にしましょうよ(1)

 

株式投資のリスクを最小限にとどめるには、業績だけでなく、投資先の企業が健全な経営状態であるかということが重要です。投資に値する企業であるかどうかの判断材料として利用できるものは決算資料で、現在の企業の経営状態だけでなく、来期の見込みや成長性もわかります。投資判断に有効な財務三表である貸借対照表(BS)、利益と損失を確認できる損益計算書(PL)、キャッシュフロー計算書(CF)を確認してみましょう。

 

企業の経営状況を判断する貸借対照表(BS)

企業の資産と資本、負債の状況を確認できる資料が貸借対照表(BS)です。貸借対照表(BS)には資産と負債、資本が示されますが、このバランスによって、安定性を分析することができます。確認しておきたいポイントは、自己資本比率と、流動比率です。

・自己資本比率

自己資本比率は、全体の資本に対して自己資本がどれくらいあるかを示すもので、割合が高いほど長期的な安全性がある企業と判断されます。自己資本の割合が高いほど資金繰りが安定するため、倒産リスクが少なくなります。自己資本比率は一般的な企業では20%~30%程度で、50%を超えると安定性の高い企業といえます。

・流動比率

流動比率は、1年以内に費用化が可能な流動資産に対して、1年以内に支払いが必要な流動負債がどのくらいあるかを示したものです。支払い能力の高さにより短期的な企業の安定性を判断することができます。流動比率は120%~130%ほどあれば問題なく、200%以上が理想とされる数値です。

 

利益と損失を確認できる損益計算書(PL)

損益計算書(PL)では、企業の利益と損失を確認できます。確認しておきたいのは以下の5つの利益です。

・売上総利益

売上高から売上原価を引いた金額で、粗利益とも呼ばれます。

・営業利益

売上総利益から売上の経費を引いた金額で、本業の営業活動による利益です。

・経常利益

営業利益に、配当や利息等の本業以外の利益を加えたもので、企業の採算性を表します。

・税引き前当期純利益

経常利益に特別損益を加えた金額です。不動産売却や株価の変動などによって臨時的に発生した損益が含まれます。

・当期純利益

税引き前当期純利益から法人税などを引いた金額で、企業の最終利益となります。株主への配当や内部留保などに使われる金額で、株価にも影響する数値です。

企業の収益状態の推移を把握するには、この5つの利益を順に見ていくことが必要です。また、損益計算書(PL)を確認する場合には、当期の利益だけでなく、過去からの推移を見ることが大切です。利益が拡大している場合は成長性が望めますが、圧迫されている場合には注意が必要です。

 

企業の現金の流れを確認するキャッシュフロー計算書(CF)

損益計算書(PL)では利益が把握できますが、その利益がどこから生じているのかというお金の動きを示したものがキャッシュフロー計算書です。

キャッシュフローには、営業活動に拠るキャッシュフロー、投資活動に拠るキャッシュフロー、財務活動に拠るキャッシュフローの3つがあります。営業CFは通常プラスとなり、その金額が大きいほど本業の状況が優良であると判断できます。投資CFおよび財務CFは、マイナスとなるのが普通です。財務CFがプラスの場合には借入金に問題がないかどうか、賃借対照表を確認する必要があります。

キャッシュフローを考える際に重要となるのが、営業CFから投資CFを引いた残りである、フリーキャッシュフロー(FCF)です。フリーキャッシュフローは企業が自由に使える金額です。事業活動だけでどれだけ利益が得られるかという指標となり、企業が優良であるほど多くなります。ここから事業拡大への費用や配当の支払いなどが行われます。

 

財務状況を確認せず、イメージだけで投資を始めてしまうのは危険です。決算書というと難しいと敬遠される方もいらっしゃいますが、重要な指標のみで十分に大まかな企業の経済状態を把握することができますので、投資前には必ず確認するようにしましょう。

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