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現物しかやらないから貸借倍率とか気にしない!で大丈夫?

 

現物取引しか行わないという場合でも、株の売買や株価に直結する信用取引関連の数字は見ておく必要があります。需給のバランスを表す貸借倍率や取引状況の目安となる回転日数はどのように株価に影響していくのか、また銘柄選びにはどのように参考とするべきかについて解説します。

 

貸借倍率と株価の動き

信用取引における買い残と売り残の割合は、将来的な株価の動きに影響を与えるひとつの要素です。貸借倍率は、「融資残高÷貸株残高」で計算されます。この数字が1倍を超えると信用買いをしている投資家が多い状態で、1倍を割ると、信用売りをしている投資家が多いということです。

一般的には株価の上昇局面で買い残が増えるため、貸借倍率が上がります。しかし、制度信用取引の場合、ポジションの解消には6か月以内の反対売買が必要です。そのため、将来的には信用ポジションの解消へ向けた売り圧力が強くなり、株価の下落要因になるのです。逆に貸借割合が1倍を割っている状況で株価が上昇傾向にある場合、逆日歩発生のリスクが生じるため、買い戻しによる株価の踏み上げが起こり、さらに大きな上昇を招くことがあります。

貸借倍率とほぼ同義の用語として信用倍率も用いられますが、信用倍率は前週の全ての信用取引が対象で東証が発表する確報データです。これに対し、貸借倍率は日証金の発表で、制度信用残高に限られるものの毎日算出されるため速報性が高いという特徴があります。

 

信用取引の取引活況を判断する回転日数

また、貸借残の動きを見ていく指標に、回転日数があります。回転日数は投資家が信用取引において新規にポジションを建ててから、解消するまで何日間かかったかという数値です。

一般に、回転日数が10日程度で、活発に取引が行われている状況と判断されます。回転日数が短くなり、出来高増加、株価上昇をともなう場合には、投資家の注目が集まり、株価の上昇が続くと考えられます。

しかし、回転日数が5日以下となると投機的な動きが高まっているということになり、株価の天井が近いとされます。また、トレンドの反転や乱高下が起こりやすい状況であるため、この段階で買いを入れるといわゆる高値づかみをしてしまう可能性が高くなりますので注意が必要です。

逆に回転日数が長くなっている場合は、取引が活発ではなく、含み損を抱えたままとなったポジションが多いことを表します。相場が反転する状況でも動きが鈍くなるなど、投資先としてはあまり望ましくありません。

 

貸借倍率や回転日数を銘柄選びに活用する

貸借倍率はその時点での銘柄の需給バランスを表すだけでなく、その推移によって将来的な需要を予想することができます。一般的に、貸借倍率が小さくなるほど、株価が上がる可能性が高くなります。

しかし、現物取引量と比較して信用残高の割合が少ない銘柄は、株価へ大きな影響があらわれませんので、貸借倍率だけでなく実際の売り残、買い残の数についても見ておくことが必要です。株価の上昇局面では買い残が大きくなる特徴があります。株価が上がっているにもかかわらず、買い残が減少している場合には、現物での強い需要による買いがあると考えられます。

また、同時に回転日数を活用することによって、取引がある程度活発な株を見分けることができます。回転日数は10日前後が目安と述べましたが、日数の推移を見た場合、株価が上昇局面を迎える場合には回転日数が短く、陰りが見る場合には回転日数が長くなっていく傾向があります。貸借倍率と回転日数の両方の数字を活用すると、今から上昇する銘柄を見分けることが可能です。

 

現物で株を取引する場合、材料のみを捉えるだけでは、全体的な流れをつかめない場合もあります。信用取引情報の貸借倍率や回転日数も同時に見ていくと、銘柄のおおよそのバックグラウンドがわかり、値動きの予測が立てやすくなります。

   
    

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