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日銀、REITも買い入れているけれど、その先行きは?

 

ETF同様、REITも日銀の買い入れ対象となり、断続的ですが11月末現在まで835億円の買い入れが行われています。J-REITは利回りが高いことがメリットといえますが、日経平均や為替とは連動しないことが特徴で、トランプ相場が始まっても軟調でした。それでも11月末より少々上昇局面も見せているJ-REITですが、果たしてこれから買いとなるのでしょうか?J-REITを取り巻く動きについて解説します。

 

J-REITとトランプ相場は連動しない

J-REITの相場は数年前には日経平均と類似した動きを取ったこともあります。しかし、基本的にJ-REITは物価の影響を受けるものの、株価や為替の影響は受けにくいという特徴があります。

アメリカのトランプ大統領誕生により、日本株は一時株安に走ったものの、すぐに期待感から反転し、株高が進みました。日経平均の上昇は、円安により日本株の割安感が高まり、海外投資家の買いが進んだことに起因しますが、為替と関連性の少ないJ-REITはしばらく軟調が続きます。アメリカの経済回復期待感による長期金利上昇、それにともなう日本の10年国債の金利上昇のあおりで対照的に下がったのです。

ただし、日銀は金融緩和策の1つとして、11月17日に10年国債の固定金利での無制限買い入れを通告しています。その結果、国内長期金利の上昇が抑制されたこと、円安の進行により企業の業績が回復してきていることからJ-REITについても回復基調となりました。

 

J-REITは今買いなのか?

J-REITは日銀の指値オペによる金利抑制サポートの存在、オフィスを中心に国内不動産が好調なこと、アメリカ市場でのトランプ相場もそろそろ落ち着くのではという予測から、短期的には上昇が見込まれています。また、アメリカの利上げについてもすでに織り込まれているという説が強いです。

ただし、海外投資家は現時点では売り越しを続けていますので、上値は限られた範囲となるでしょう。本来ゼロ金利政策によって期待されていた、銀行筋からの投資が低調であることも上昇を妨げている要因の1つであり、長期的に見た場合には不透明であることも事実です。

しかし、J-REITは利回りに関して、他の商品に比べ圧倒的なパフォーマンスを誇ります。ゼロ金利政策で銀行預金等の利率がほとんど期待できない中、平均3%台の利回りは投資家には見逃せません。投資家の多くが、分配金利回りを目的として投資しており、株式等と比較すると下落リスクが少ないという利点もあります。

 

J-REIT投資が向いている人と投資目的

J-REITはキャピタル・ゲインを得るよりも、インカム・ゲインを目的とする商品であるため、比較的長期的な投資に向いています。少額からの投資が可能ですので、不動産投資に興味がありながらも高額で断念した方をはじめ、資金の少ない投資初心者の若年層からも人気が高まる傾向があります。また、J-REITはNISA(少額投資非課税制度)の適用対象ですので、枠内であれば利益が全て手元に残るというのも魅力です。キャピタル・ゲインを狙う投資に比べると、利幅は大きくありませんが、時間や手間をかける必要がないというのもメリットとして選ばれるでしょう。

また、J-REITは物価と連動する性質があるので、インフレ局面で高いパフォーマンスが得られます。株式や債券などに投資をしている方のリスク・ヘッジとしてもREITは有効です。政府は先送りしたもののインフレ率2%を目標としていることもあり、資産の目減りを防ぐ目的でもREITは有用となるでしょう。

 

現在のところ、J-REITは回復を始めたばかりで、目先の投資としては下落の不安も残りますが、日銀による買い入れやゼロ金利政策の継続などを背景にリスクは少なくなっています。投資家は今後起こるであろうインフレ対策としてもJ-REITの動きには注目しておくべきでしょう。

   
    

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