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石田和靖氏 新興市場の成長可能性と今後の注目国 - インタビュー - FX・CFD

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FX・CFD [インタビュー]

【第8回】石田和靖氏

新興市場の成長可能性と今後の注目国

ギリシャ問題に端を発したユーロ危機、米国国債の格下げ問題などを受け、新興国の株式市場も大幅な下落を余儀なくされています。この3カ月間の値動きを見ても、中国、インド、ブラジルの株価指数は、軒並み10~15%前後の下げを演じました。高い経済成長性で注目を集めてきた新興国市場ですが、こうした世界的な経済危機を受けて、今後はどうなるのでしょうか。今回は、ワールド・インベスターズTV代表の石田和靖氏に、新興国市場の動向と、今後期待される新興国などについて、話を伺いました。


新興国といっても、中国やインドを筆頭に、アラブ諸国、アフリカ諸国など、さまざまな国や地域がありますが、今後、成長が期待できる国・地域といえば、どこが考えられますか?


ワールド・インベスターズTV 
代表 石田和靖氏

石田氏:

新興国は、中国もインドも、あるいはアラブ諸国も、皆、それぞれに今後、高い経済成長が期待されると考えていますが、なかでも成長ののりしろの大きさという点からすれば、やはりアフリカ諸国だと思います。

ナイジェリアに行けば、高級住宅街があり、そこには高級自動車が走っており、国全体が豊かになっていきていることを実感しますし、スーダンにしても、ダルフール紛争などの内紛によって、国の経済はボロボロになりましたが、地下には石油などの資源が豊富に眠っており、それを活用することによって、経済復興を目指しています。

具体的に、これらの地域に投資することは難しいのですが、いずれ、こうしたアフリカ諸国の経済が大きく発展していけば、株式市場などを通じて、投資する手段も増えていくでしょう。

やはり資源国という点が、アフリカ諸国の経済成長の原動力になるのですか?

石田氏:

そうです。アフリカ経済の成長モデルを簡単に申し上げますと、一言でいえば、中国の資源確保戦略が、その背景にあります。

ご存じのように、中国は今、新興国のなかでも非常に高い経済成長を続けています。ただ、その一方で食糧不足や資源不足といった問題を抱えているのも事実です。13億人、あるいは15億人とも言われている中国国民の生活を維持していくためには、非常に大量の食糧と資源を必要とします。今後、同国の生活水準がさらに上昇したら、多くの中国人は贅沢な食事を求めるようになるでしょうし、自動車などの交通手段も加速度的に普及していくでしょう。そうなったら、家畜の餌も含めた食糧や、資源・エネルギーに対する需要が高まります。当然、それを中国国内で賄うことはできませんから、足りない分は海外に依存する形になります。

特に資源・エネルギー関連について、中国は積極的なトップ外交を展開しています。国家主席がアフリカ諸国のトップと外交によって窓口を切り開き、そこにペトロチャイナなどの石油会社が進出していきます。中国人がアフリカに進出していけば、そこに中華料理のお店が出来、大勢の中国人が住むための居住インフラなどが整っていきます。さらには、中国人がアフリカ出張をする際に滞在するホテルなども必要になってくるでしょう。このように、さまざまな施設が造られることによって、進出先の国に大きな経済効果がもたらされるのです。

中国企業の海外進出が活発になっているということですか?

石田氏:

それは間違いないと思います。これまで中国といえば、人口13億人という巨大なマーケットがあり、一大消費地というイメージで捉えられていましたが、これからは中国企業が自ら、新しいマーケットに出ていく時代が来ています。資源・エネルギーを求めて、アフリカ諸国に進出していく中国企業などは、まさにその代表例といっても良いでしょう。

アフリカ諸国に限らず、例えば戦争状態にあったイラクもそうです。イラク行きの飛行機に乗っていると、乗客の過半数は中国人ビジネスパースンです。耳を澄ましていると、聞こえてくるのは中国語ばかりです。極端な話、中国のビジネスパースンは、たとえ頻繁にテロが行われているような国でも、資源があれば出かけていきます。

そのうえ、最近はアフリカ諸国における、中国製品の高感度が上がってきています。確かに、メイド・イン・ジャパンに対する評価は一番高いのですが、いろいろ話を聞くと、日本はただモノを売りに来るだけで、アフターサービスなどは万全ではないというケースが多いと言うのです。

逆に中国企業がアフリカに進出する際には、製品の売り方、さらにはアフターサービスのやり方なども、アフリカの代理店にきちっと教えていくのだそうです。かつては、日本企業のお家芸だったアフターサービスの良さが、今や中国企業の代名詞になっているわけです。これについては日本企業も、今以上に危機感を持つ必要があるでしょう。とにかく、現地において日本製品が求められているのにも関わらず、なかなか日本製品が定着しないというのは、こうした違いにあると考えています。

石田さんは積極的に海外へと出かけ、いろいろと見聞を広げていらっしゃいますが、こうしたなかで、これから投資するうえで面白いと思われる国は、どこですか?

石田氏:

アジアと中東・アフリカということになると思います。つまり、中国を取り囲んだアジア経済圏と、アラブ諸国を中核とした中東・アフリカ経済圏という2つの経済圏の成長が、これから大いに注目を集めるでしょう。言うなれば、アジア経済圏vs中東・アフリカ経済圏という構図が見えてきます。

どちらが投資しやすいかという点ですが、やはり日本人にとっては距離的に近いアジア諸国でしょう。

現状、中東諸国に関していえば、一時期に比べて状況が閉鎖的になってきます。かつては積極的に外資を呼び込み、大きな成長を遂げてきたわけですが、リーマンショックという大きな経済ショックを経験したことによって、かつてのような成長ぶりは、やや沈静化した感じがします。

とはいえ、ドバイなどもそうですが、成長余力は非常に大きいので、アフリカ諸国と同様、長期的に見れば、まだまだ成長は期待できるところです。

ちなみに、中東アラブ諸国も、アフリカ諸国とは非常に深い関係を持っています。サウジアラビアやクウェート、アブダビといった産油国は今、不動産開発を目的としてアフリカに進出していますし、アフリカの北部はアラビア語が通用するということもあり、そこを中心にして農地開発も進めています。何しろ、中東諸国はほとんど農作物が作れないので、それをアフリカ北部の国で行い、輸入するという方法を取っているのです。潤沢なオイルマネーがアフリカ諸国に流れ込めば、アフリカにとっては経済成長のきっかけになるはずです。

これに対してアジア経済圏ですが、中国だけでなく、アセアン諸国の成長も、これからは期待されます。人口の若さという点において、ベトナムやカンボジアなども、長い目で見れば、成長国のひとつに入ってくるでしょう。何しろ、背後には巨大マーケットの中国が控えていますから、そこと距離が近いという点でも、中国を取り囲んでいるアジア諸国は強みを発揮できます。

それと、ついアジア諸国のひとつということを忘れてしまいがちな日本。今、日本人は不思議なくらい自信を失っていますが、実は海外に出て思うのは、とにかく日本製品に対する信頼感、評価には絶大なものがあるということです。

ただ、前述したように、製品のクオリティに対する評判は高いのですが、どうしてもアフターサービスなどの面で、中国や韓国メーカーに負けてしまう。この点は非常に残念なのですが、日本人が昔のように自信を取り戻し、積極的にビジネスを仕掛けるような状況になれば、再び日本企業は復活していくでしょうし、そのなかで日本という国自体も、投資対象として非常に面白くなるのではないかと期待しています。


新興国に投資する際の注意点は?

石田氏:

まず、現地の証券会社などに口座を開いて取引するという方法は、非常にハードルが高いということを理解して下さい。もともと日本人を相手にした商売を行おうとは考えていませんから、日本語での対応など期待できませんし、実際にオーダーを出すにしても、手間がかかります。日本のように、インターネット証券会社が普及していれば、インターネットを通じて自由に取引することも可能かも知れませんが、現状、新興国でこの手のサービスは、ほとんど期待できないといっても過言ではないでしょう。したがって、現地の金融機関を使って取引するのは、困難と考えて良いと思います。

そこで、代替案のひとつとして考えられるのは、多少、手数料が高いとしても、ファンドを用いて投資するということです。ファンドを経由して取引すれば、少額資金でも取引できますし、何よりも分散投資効果が期待できます。

またはインデックス(株価指数)を対象にした商品に投資をするのも良いと思います。東京金融取引所の株価指数証拠金取引(くりっく株365)も日本、ドイツといった先進国だけでなく、中国の指数にも投資することができます。

基本的に新興国経済は、今後も高い経済成長を続けていくでしょう。ただ、マーケット自体は不安定なので、大きく上下を繰り返すことになると思います。その度に、ハラハラドキドキというのでは、精神衛生上も良くありません。したがって、分散投資をすることによって、少しでもハラハラドキドキを抑えるような運用法を取ることが、新興国投資と長く付き合うためのポイントになります。

また、さまざまなファンドや指数を組み合わせた分散投資だけでなく、積立投資による時間分散投資というのも、新興国投資には有効です。


Fanet MoneyLife(掲載日:2011年10月14日)


石田 和靖(いしだ かずやす)

経歴

ワールド・インベスターズTV 代表 石田和靖氏
昭和46年東京生まれ。会計事務所勤務の際、中東~東南アジアエリアの外国人経営者の法人を多く担当。その後2003年に現社設立。年に十数回、香港・タイ・UAEなど各国を訪問し、香港やドバイ、サウジアラビアの証券会社、政府系ファンドなどに太いパイプを持つ。同社では海外投資SNSのワールドインベスターズや、海外投資専門ネットTVのワールドインベスターズTVなど、海外のビジネス・投資及び国際理解教育に関するメディアを企画・運営。著書にオイルマネーの力(アスキーメディアパブリッシング)、ドバイ株投資完全マニュアル(パンローリング)など海外投資に関する書籍多数。雑誌連載、テレビ・ラジオ出演多数。2009年12月7日に東京六本木に念願の、世界経済の情報発信基地「ワールドインベスターズカフェ」オープン。同店特設スタジオにて毎週月・水・金の夕方、公開生放送を配信中。
http://www.worldinvestors.tv/user_data/live.php

 
   
    

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