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カン・チュンド氏 インデックス運用の効用 - インタビュー - FX・CFD

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FX・CFD [インタビュー]

【第12回】カン・チュンド氏

インデックス運用の効用

一言で「運用」といっても、さまざまなスタイルがあります。インデックス運用もそのひとつ。日経225平均株価など、株価インデックスに連動するというだけの単純な運用法ですが、長期投資をするには最適という見方もあります。インデックス運用にはどのような効用があるのでしょうか。晋陽FPオフィス代表のカン・チュンドさんにお話を伺いました。


現状、インデックス運用の普及度合いはどうですか?


晋陽FPオフィス代表
カン・チュンド氏

カン氏:

正直、インデックス運用に対する認知度は、今もかなり低いというのが現状です。インデックス運用というと、最近では株価指数先物取引や、株価指数証拠金取引(CFD)などさまざまな金融商品が登場してきましたが、品揃えは豊富でも、個人投資家の認知度が今ひとつ盛り上がりません。

たとえば、私はETFをはじめとする投資信託のインデックス運用を中心にして、個人の方々にポートフォリオ提案などをさせていただいているのですが、相談にみえられた方のなかで、インデックス運用というものがこの世にあるということを知っている人自体が、実に少数なのです。

恐らく、インデックス運用というものに対するイメージが非常にしにくいのだと思います。実は話は簡単で、日経平均株価やDAX指数といった国内外の指数、および金や原油などの価格に連動する仕組みを持った運用です。

分かりやすさが身上のインデックス運用ですが、特に投資信託について言えば、投資信託を運用している運用会社、それを販売している販売金融機関のアピールが今ひとつ足りないような気がします。やはりインデックス運用のファンドよりも、今、自分たちが窓口で販売したいファンドを優先的に売ってしまうからでしょう。いずれにしても、インデックス運用の商品を一人でも多くの投資家に広げるためには、販売金融機関が積極的にアピールすることはもちろんですが、それと同時に株365などインデックスタイプの金融商品の多様化が進むことも必要です。

インデックス運用の効用について教えてください。

カン氏:

2つあります。ひとつは分かりやすさです。前述したように、インデックス運用とは、指数や価格に連動するような投資信託、CFDなどで運用することですが、市場平均に連動する運用成績が得られるという点で、非常に分かりやすい性質を持っています。初心者でも簡単に入っていくことのできる分かりやすさがあります。

二つ目のメリットは、透明性が高いということです。インデックスは構成銘柄が決まっています。つまり、価格の動きを左右する要素がガラス張りになっているという意味で、非常に透明性が高いのです。

これがアクティブ運用のファンドになると、ファンドの中身は運用会社に一任することになりますし、何を買って何を売るのかといったポートフォリオ内の調整も、結局のところ運用会社が決めていますから、そこには何らかの恣意性が入りこんでしまう余地があります。つまり不透明な側面があるのです。こうした点を考えると、インデックス運用の金融商品というのは、それを自分自身の判断で組み合わせ、ポートフォリオを構築するためのパーツとして、非常に有効ということになります。

このように、自分自身で運用するうえで大きなメリットがあるのですから、インデックス運用を難しいものと考えずに、まずは少額資金でも結構ですから、インデックス運用が出来る金融商品を買ってみることが大切です。

インデックス運用の活用法について教えてください。

カン氏:

インデックス運用のなかでも、株価指数に連動するタイプのものは、一国の経済そのものに投資しているという感覚で利用するのが良いと思います。たとえばDAX指数というドイツの株価指数に連動するインデックス商品に投資した場合は、ドイツ経済の成長そのものを、自分のポートフォリオのパフォーマンスに反映させることができます。

したがって、インデックス運用を有効に活用したいという場合は、将来、高い成長が期待される国の株価指数に連動するインデックス商品を選ぶことが大切ですし、そういうインデックスの品揃えを持った商品を選ぶようにした方が良いでしょう。

あるいは、異なる複数のインデックスを組み合わせるのも大切です。往々にして日本の投資家は、ホームバイアスといって、日本の株式や債券、あるいは投資信託に偏ったポートフォリオを持ってしまいがちですが、それだと円リスクを回避できなくなる恐れがあります。したがって、日本の資産だけでなく、欧州や中国など海外の資産にも分散投資する必要があります。

ただ、海外に投資するといっても、個別銘柄投資は非常に困難です。そもそも、日本にずっと住んでいる人にとって、海外の企業に投資しようといっても、どの企業が本当に良い企業なのかということを、肌感覚で分かる人は、ほとんどいないでしょう。この手の感覚は、やはり実際に現地で生活をしているような人でないと、なかなか分からないものです。

したがって海外投資が必要だからといっても、個別銘柄を選んで投資するのは非常に難しいことですから、その代わりに海外の株価指数に連動するインデックス運用を組み合わせるのです。

海外のインデックスも組み合わせた方が良いのでしょうか?

カン氏:

海外のインデックスに投資することについては、もうひとつ隠された効用があります。それは、海外の情勢に詳しくなれるということです。

投資の目的は、もちろん投資した資金を増やすことにあるわけですが、それと同時に、投資という行為を通じて、世の中の動きに対して敏感になれるというメリットもあります。たとえば、中国の株価指数に投資すれば、中国で起こったさまざまな出来事、ニュースに対する関心が高まっていくでしょう。したがって、中国の株価指数に投資することによって、中国経済に対する知識がどんどん身に付いていくのです。

結局のところ、どうして日本人がホームバイアスを強めた投資を行ってしまうのか、ということを考えていくと、やはり日本以外の国の投資情報がなかなか入ってこないということと、密接な関係があるのだと思います。海外から投資に役立つ情報が入ってこないから、無理をしてでも、何とか日本国内の投資物件を見つけて、そこに資金を投じることになるわけですが、昨今の日本を取り巻く経済環境を考えると、それは決して得策とは言えません。

円資産に偏ったポートフォリオを持っていると、日本経済に何か大きな混乱が起こった時、自分の資産価値が大きく毀損してしまう恐れがあるからです。たとえば、日本の財政赤字が大きく膨らんで財政破綻に陥ったとしましょう。このような時、すべての資産を円建てで保有していたとしたら、どのような影響が生じてくるでしょうか。

当然、日本の財政破綻を受けて株価は急落するでしょうし、円も暴落するでしょう。円安がどんどん進んでいったら、海外から輸入している資源・食糧の価格が急騰する恐れがありますが、そのような時に、すべての資産を円建てで保有していたら、円安によるインフレリスクに追いついていくことができず、持っている資産の価値が目減りすることになります。ここで外貨建て資産を保有していたら、仮に円安が進んだとしても、保有している外貨建て資産には為替差益が生じていますから、円安によるインフレリスクを最小限に抑えることができます。


インデックス運用の注意点について教えてください。

カン氏:

インデックス運用というのは、言うなれば市場平均で運用するのと同じです。

ただ、このように言うと、時々ちょっとした勘違いをされる方がいらっしゃいます。それは、インデックスは市場平均だから安全だと思っている人が多いのです。確かにインデックスは市場平均ですが、だからといって価格変動リスクがないというわけではありません。実際、リーマンショック以降のマーケット動向を見ていると、市場平均と言いながらもインデックスのボラティリティはそれなりに高まっています。

したがって、市場平均だからとってボラティリティが低いというのとでは意味が全く異なるということを、頭に入れておいた方が良いでしょう。

このような注意点はありますが、これまで自分が行ってきた運用にインデックス運用を加えることによって、ポートフォリオのリスクが格段に低くなる可能性があるのも事実です。前述したように、単体のアセットのみで運用するという投資家が、インデックス運用を加えれば、保有しているポートフォリオのリスクは格段に低下するはずです。つまり、点の投資を面の投資にすることによって、リスク軽減効果を狙うことができるのです。

加えてインデックス運用は市場平均ですから、情報の少ない国への投資も簡単に行えるようになります。個別銘柄の情報が少なかったとしても、市場平均に投資できれば個別銘柄の集積に投資した場合と同じパフォーマンスを、ポートフォリオにもたらすことが出来ます。インデックス運用のように、その国の経済そのものに投資するのと同じ感覚で利用する投資商品は、長期運用が前提になります。

もちろん、短期でトレーディングするという手もありますが、この手の投資法は常に相場に張り付いていなければできません。会社勤めをしているような人は、長期投資を前提にしたインデックス運用を検討してみる価値はあると思います。


Fanet MoneyLife(掲載日:2012年02月24日)


カン・チュンド

経歴

晋陽FPオフィス代表
1968年(昭和43年)8月28日生まれ
インデックス投資アドバイザー
CFP ファイナンシャルプランナー
1級ファイナンシャルプランニング技能士
2010年10月 「ETF投資入門」 ETFの基本的なしくみから18種類のポートフォリオ解説までを網羅した最新著書

 
   
    

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