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JPモルガン・アセット・マネジメント 国際投信投資顧問 山内 一三 副社長 「最後に決めるのは投資家自身だ」 - トップインタビュー(第1回) - 投資信託

 

投資信託 [ トップインタビュー ]

【第1回】国際投信投資顧問 山内一三 副社長「最後に決めるのは投資家自身だ」

日本の投資信託で一番大きな(純資産総額が多い)ファンドといえば、「グローバル・ソブリン・オープン(毎月決算型)」。純産総額は約5兆5千億円(2006.9現在)、保有者は約130万人とナンバー1の人気を誇る。1997年12月18日に設定され、運用期間も9年に迫る。今や「グロソブ」の略称で親しまれている同ファンドを企画段階から手がけ、ファンドに関する各種セミナー、運用報告会の講師も務める国際投信の山内一三副社長に、運用会社からみた個人投資家の考え方の変化やリスク資産を持つ意味を聞くと、「病気は薬と患者自身の自己治癒力で治る。投信も同じ」と運用会社や販売会社に提供された情報、アイデアをもとに投資家自身が納得するまで考える重要性を強調した。

▼グローバル・ソブリン・オープン

世界の主要国ソブリン債券(国債など安全性の高い債券)に分散して投資し、毎月安定した分配を行っている国際投信投資顧問の運用するファンド。1998年の銀行による投信の窓口販売解禁や、長引く低金利を背景に多くの投資家を集めた。毎月決算型の場合、直近は1万口につき月40円を分配、設定来の分配金合計は4771円となっている。純資産総額でみると、2位の大和投信「ダイワ・グローバル債券ファンド(毎月分配型)」は1兆3000億円(2006.8現在、分配金合計、QUICK調べ)で、「グローバル・ソブリン・オープン」は群を抜いている。

個人投資家、学習意欲が旺盛で考え方も進化

山内 副社長:

この1年間に、我が社が実施した販売員研修や投資家セミナーは約2,000回にのぼる。

当初は、セミナーで個人投資家が注目するのは、ファンドの仕組みや価格が変動する点など基本的なところだったが、最近はポートフォリオや投資環境などに移ってきている。「貯蓄から投資へ」と、個人投資家の学習意欲は旺盛で、投資に対する考え方は確実に変化し、進化している。

失業したお金をグローバル化

山内 副社長:

日本については、成熟化とか、少子化とか、とかくマイナスのイメージが強い。しかし、日本は高齢化した半面、有り余る金融資産を持った。日本が金融立国となること自体は、決してマイナスではない。その理由は「資本と労働のグローバル化」にある。つまり、十分な若い労働力があるにもかかわらず資本が不足している海外へ投資すれば、そこで新たな産業が生まれ、生み出された利益はリターンとして投資家に還元される。日本の個人金融資産は約1,500兆円といわれるほど膨大で、もはや日本のみでは運用できない。国内だけでは金が余り、まさに「お金が失業」している状態である。この金融資産の一部を海外で運用するファンドは、資本をグローバル化させる1つの方法だ。

投資家は迷った時に自問自答すべき

山内 副社長:

ファンドを一定期間保有している投資家にとって一番の悩みは、今保有するファンドを持ち続けるべきか売るべきか、または買い増すべきかの判断だろう。投資家は、まず「自分はこのファンドをどう薦められて、なぜ投資したのか」を改めて考えて欲しい。

運用会社や銀行、証券会社は、投資家に対してファンドの投資対象国・地域の経済を中心とした情報や、投資家の状況に合わせた投資アイデアを提供するので、投資するかどうかを最後に決めるのは投資家自身だ。「なぜ、そのファンドか?」。ファンドを購入する際、または、その後どうするか迷った際に、納得するまで情報収集し考えることが重要だ。

病気は医者が治すのではない。病気は、医者がその症状に合わせて処方する薬と患者自身の自己治癒力で治るのである。だとすれば、投信にも同じことが言える。

リスク資産を持つと、生き方がアクティブになる

山内 副社長:

資産運用で、ファンドをはじめとするリスク資産を持つと、何が変わるだろうか。資産の運用を始めてみると、身の回りの出来事に対する感じ方、価値観の変化に気付くはずだ。

それまで、話題といえば近所の噂話ばかりだった人も、政治経済、金融の話題が増え、人生やものごとの考え方もより長期スパンに変わってくる。特にシニア層は、お金を生かして趣味など自己実現するため、生き方がアクティブシニアになる。夢を持ち、お金の使い方も見えてくるなど、生き方の変化に気付くだろう。

今後はファンド保有者のフォローが大切

山内 副社長:

貯蓄から投資への道筋が確実となった今、国際投信が今後の取り組むべき一番の問題は「的確な情報提供による長期投資家の育成」である。ファンドの保有者数が増え、保有期間が長期化していくにつれて、いかに投資の判断材料を提供し続けていくかが大切になる。ホームページを始めとするネットでの情報提供に加え、研修やセミナーをより強化し、投資家のすそ野を広げ、育成していく。もちろん、その過程で投資家の満足する運用力を持続しながら、より長期の投資、運用を促していきたい。


インタビュー:2006年9月 聞き手:QBR 小林 新 (掲載日:2006年10月1日)


プロフィール
山内一三(やまうち いちぞう)氏
出身地:大阪府
最終学歴:1970年 神戸大学経営学部卒

経歴

1970年 株式会社野村総合研究所入社。企業アナリストを経て、投資調査部グローバル投資調査室長。
1990年 スミスバーニー証券会社入社。東京支店ディレクター企業調査部長、マネージング・ディレクター企業調査部長。
1993年 国際投信委託株式会社(現国際投信投資顧問株式会社入社。同年運用一部長。
現在 取締役副社長 経済調査部、商品部門担当、マーケティング部門管掌。
(国際投信より提供)


   
    

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