株式・投資信託・ETF・退職・年金 投資に役立つ「ケイゾンマネー」

中央三井アセットマネジメント 神戸 雅男 常務取締役 「投資信託の底辺を広げるには、『まず、味わってもらうこと』そして顧客セミナーを通じて『ちょっとだけ勉強してもらうこと』」 - トップインタビュー(第4回) - 投資信託

 

投資信託 [ トップインタビュー ]

【第4回】中央三井アセットマネジメント 常務取締役 神戸 雅男「投資信託の底辺を広げるには、『まず、味わってもらうこと』そして顧客セミナーを通じて『ちょっとだけ勉強してもらうこと』」

銀行で投信を販売するようになって、昨年12月で9年目に突入した。その販売促進手法の一つに顧客セミナーがある。この方式をいち早く導入し、その後の銀行の投信販売のモデルとなった中央三井信託銀行。当時は販売の立場で、現在は商品を供給する運用会社である中央三井アセットマネジメントの立場で顧客とダイレクトに向き合っている神戸常務に登場願った。販売員や投資家のリスク商品に対する意識、課題について率直に語って頂いた。

銀行窓販も9年目に入り定着した観があります。

神戸氏:

1998年12月の窓販開始時には、銀行のお客さまは定期預金中心で「リスク商品」に馴染みがありませんでした。「資産を3つに分けましょう」など基本的なお話しをさせて頂き続けた結果分散投資の重要性が根付いてきたようです。

販売員や投資家のスタンスに変化はありますか

神戸氏:

いつまでたっても基本にあるもの、ポートフォリオ運用、分散・長期投資といったことは変わっていないと思います。また、投資家の裾野が広がってきている状況で、今後「団塊の世代」が資産の運用を真剣に踏み出される状況にもあります。9年前にリスク資産の運用に一歩踏み出した方たちはよりリスクの高いファンドなど二歩も三歩も踏み出されている方もありますが、依然としてノーリスクの定期預金に留まっている方もいらっしゃいます。今後も基本のお話をしていくことに変わりはないだろうと思っています。

個人預金残高に占める投信の販売比率が比較的大きくなって来た金融機関もあります。問題点はないのでしょうか。

神戸氏:

1つの銀行で預金に対する投信の比率はあまり意味が無いのではないでしょうか。あくまで個人個人の中でどういうポートフォリオになっているかが大事だと思います。当然、お客様に対する提案の過程は重要で、長年販売に携わっている販売員ばかりでなく、毎年新たに販売に携わる人が生まれてくるわけですから、経験の浅い販売員の方たちにも正しくお客さまに販売して頂くことが必要だと思います。

お客さまは資産運用についてどこまで意識されて来ていますか

神戸氏:

各アセットクラスの値動き、その理由を勉強するお客さまとそこまで考えないお客さまと二極化して来ていると思います。但し、どちらのグループも各アセットクラスを組み合わせると値動きが安定するということは理解されたと思います。

毎月分配型が好調な背景は

神戸氏:

一般的に、銀行で投信を購入したお客さまにとっては、分配金は安心感のみなもとだからです。

分配金が「安心感」で留まっていれば良いのですが

神戸氏:

お客さまに理解していただきたいのは、分配金の額が大きいのが必ずしも良いファンドではないということです。分配金の中身をインカムでいくら、キャピタルでいくらかを考えて頂きたいと思います。キャピタルは相場次第で変化するものです。安定分配はいくら、相場次第のものがいくらとしっかり分けて考えて頂いていれば、分配額に変化があっても不安にならないでしょう。また、分配金の額の大小でファンドの優劣ではなく、分配方針の違いと理解できるはずです。

現実にお客様と接していて分配金の意味は

神戸氏:

ご年配のかたが毎月分配型を保有しているケースがあります。通常の生活費は年金で、お小遣いは投信の分配金でと考えられるかたが結構いらっしゃいます。貯蓄の取り崩し(一部解約)によるキャッシュフローの心理的な不安を、解決してくれる方法の1つが毎月分配型ファンドであったということだと思います。

夏以降に想定される金融商品取引法の施行や金融商品販売法の改正で何か変わりますか

神戸氏:

大きな変化はないと思います。但し、新しい販売員の方たちの教育をもっとしっかり進めようとすると思います。運用会社も新しい商品を導入して頂くような場合に情宣活動を意識してやって行くことだと思います。

リスク商品を求めて来るお客さまは、今後増加(拡大)して行くことが予想されます。これらの投資家は知識も浅いので、販売員として投資の意向の確認をするためには聞き出すスキルが従来にまして求められると思います。

リスクの説明をしっかりするということですか

神戸氏:

そうですね。相場観を語らずにセールスをすること。相場環境はしっかりお客さまにご説明すること。この二つをしっかり実行して頂きたい。リスクに敏感になりすぎて現状をお客さまにお伝えしていないケースもあるのは由々しきことです。

株式投信に軽減税率の適用が1年延長されましたが

神戸氏:

延長されたのは歓迎しますが、マーケットは繋がっているわけですから世界的な視野に立って税は考えて頂きたいと思います。

中央三井アセットマネジメントとしての商品戦略は

神戸氏:

団塊の世代の投信市場への参入が今後期待されている見通しの中、販売員にとって説明し易い、お客さまに分かり易い仕組の投資信託をお客さまのニーズを探りながら提供して行きたい。

わかり易いという視点でみれば、株式市場等の指数に連動するように設計された『インデックスファンド』があり、対象として国内の株式・債券・リート、海外の株式・債券・リートがまず思い浮かびます。

また、一口に海外と言っても、例えばアジア・北米等地域や対象を絞り込んだインデックスファンドも将来的に今以上にニーズが高まるのではないかと考えています。

お客様自身の判断で、数々のインデックスファンドの組み合わせを考えて、その資産運用の成果を楽しんでいただく。その過程において投資信託はいっそう身近な運用手段となればすばらしい事ですし、中央三井アセットマネジメントとしての商品を提供することでそのお手伝いが出来ればと思っています。

個人投資家にひと言

神戸氏:

現状では、世の中の10%くらいの方しかリスク商品(投信・株式)に投資をしていません。25%の方が投資するような時代が早く来て欲しいと思います。そのためには「投資信託」をまず、始めて下さい。意外と面白いと感じるはずです。そして興味を持ってちょっとだけ勉強して下さい。われわれ運用会社も努力したいと思っています。


インタビュー:2006年12月 聞き手:QBR 小林 新 (掲載日:2007年1月15日)


プロフィール
神戸 雅男(かんべ まさお)氏
出身地:茨城県

経歴

1953年 茨城県生まれ
1976年 同志社大学文学部卒業
1976年 三井信託銀行入社
2004年 中央三井信託銀行 神戸支店長
2005年 中央三井アセットマネジメント株式会社 取締役販売会社営業部長
2006年 同社 常務取締役
現在に至る


   
    

特集

「証券アナリストの調査手法とこだわり」(全6回)

「証券アナリストの調査手法とこだわり」

証券アナリストの行動パターンをご紹介!個人投資家のリスク回避術を学ぼう。

特集を読む »

おもしろ企業探検隊

おもしろ企業探検隊

平林亮子&内田まさみの「そうだ!社長に会いに行こう」ナブテスコ株式会社

特集を読む »