株式・投資信託・ETF・退職・年金 投資に役立つ「ケイゾンマネー」

日興アセットマネジメント株式会社 マネージング ディレクター 田中 英治 氏 「ゆうちょ銀行向け『日興五大陸債券ファンド(毎月分配型)』堅調の理由」 - トップインタビュー(第18回) - 投資信託

 

投資信託 [ トップインタビュー ]

【第18回】

日興アセットマネジメント株式会社 投信営業推進部 郵政グループ グループマネジャー
マネージング ディレクター 田中 英治 氏

「ゆうちょ銀行向け「日興五大陸債券ファンド(毎月分配型)」堅調の理由」

ゆうちょ銀行が投資信託の販売を開始したのが、2005年10月。日興アセットが郵政窓販に参加したのは、その8ヶ月後の2006年6月。本年3月末、単独商品で、野村アセットの野村世界6資産分散投信(分配コース)に次ぐ純資産残高を有す日興五大陸債券ファンド(毎月分配型)を提供するまでになった。今年に入り、サブプライム問題による相場調整の中、コンスタントに毎月100億円前後の純増を達成している背景を中心に伺った。

まず、田中さんのお立場をお話下さい。

田中氏:

私が所属しています投信営業推進部は、リテールの営業サポートで3つに分かれています。日興コーディアル証券グループ、その他の窓販の金融法人グループ、そして私が担当している郵政グループです。郵政グループでは、ざっと20人くらいのスタッフが全国13のエリアの担当として張り付いています。彼らのメインの業務は、ゆうちょ銀行や郵便局会社が開催するお客さまセミナーや販売員の勉強会や研修会の講師です。私はそれを統括する立場で、彼らが正しくサポートができているかをチェックや指導しています。

日興アセットの強みはスタッフのレベルだと聞きますが。

田中氏:

誰が講師をやっても齟齬がないようにスタッフのレベルチェックをやっています。話し方、声のトーン、話す内容が金商法に則っているかとか、身なり、服装、お客さまの理解度に合わせた内容で話しているかなどの20数項目のチェックポイントがあります。ゆうちょ銀行の統括店などにお邪魔してヒアリングをすると当社スタッフの話は分かりやすいとおっしゃってくれます。新たに当グループに加わったメンバーは、通常1ヶ月から2ヶ月をかけて社内でプレゼン研修をきっちり受けた後、実際に勉強会や研修会に派遣されます。それから定期的に全国のスタッフが少なくとも月に一度東京に集結して、お互いの情報交換を行ったり重要なポイントの確認や新たにマーケットで起こっていることを報告し合う勉強会をします。ここでレベルの摺りあわせをします。或いは、実際に彼らがセミナーや勉強会に派遣され講師をしている現場に他のスタッフが行ってその場で仲間をチェックするなどして互いのスキル向上に努めています。

講師レベルチェックにこだわる理由は。

田中氏:

商品の導入研修の後は運用会社もセールスマン任せになってしまって同じ資料を使用しても、派遣されたスタッフによって話の内容が違うことがままあります。郵政を担当するうえで、これは絶対避けたいと思いました。このクオリティの維持が実は重要で差別化につながっているのではないかと考えています。

こうした中で御社のファンドが着実に販売の数字を上げています。

田中氏:

私どもが提供している商品のひとつ外債の毎月分配型ファンドは日本の投信では売れ筋と言われるタイプです。その売れ筋の商品をご提供しているということもありますがキメの細かいサポートをきちっとやっていることが好調の背景にあると受け止めています。

そのキメの細かいサポートですが。

田中氏:

前年度(2008年3月)でセミナーが1600回、研修・勉強会が1100回、その他訪問等合計で4900回を超えるコンタクト数になっています。このコンタクト数だけヒアリングさせて頂いた現場の声が、販売用の資料内容や使い方に反映されています。

ところで好調だった郵政の投信ビジネスがここに来て初めて試練を迎えていますが。

田中氏:

そうですね。サブプライムショックで厳しい環境下になって来ています。販売員は、お客さまに大きく損をさせてしまったと思っています。資産分散型でも基準価額が下落してしまっており、どの要因で基準価額が下がったのかをお客さまにきちんと伝えることが大切です。外債ファンドであれば、金利と為替部分をきちんとご説明すればお客様にはご理解頂けると思います。ゆうちょ銀行の場合、まず貯金という大きな土台の上に個人向け国債と言う金融商品があり、その上に外債を中心とした投資信託があり、その上に株式やREITがあると考えます。この様な巨大なピラミッドを形成していく事をイメージすると、上手なポートフォリオの提案もできるようになるはずです。


相場の調整局面ではどのような説明が求められますか。

田中氏:

私たちが顧客セミナーでお見せする資料の中には、長期のトレンドを見てもらうものがあります。そこには、20年前のブラックマンデーがあり、10年前のアジアの通貨危機やロシア危機、LTCMの破綻等がありました。10年に一回発生する相場の大きな地震。その都度、これで相場は終わりと思うものです。でもマーケットはなくなっていません。これを長いスパンのグラフで見ていただきますと、私たちの言いたいことをお客さまは理解されるようです。相場はいつ戻るかは誰もわかりません。でも相場が無くならないことは確かなようです。そして運用には時間の余裕や多少の勇気が必要なのかも知れません。私どもも情報をしっかり提供させていただきますので、その情報から、ちゃんと保有してていいんだねという判断をお客さまご自身にしていただきたい。一般的に、ニュースは大きく下がったときしか報道されません。ここまで戻ったというのはニュースになり難いからです。

郵政の販売員に期待されていることは。

田中氏:

一言でいうと日本国民に投資信託の存在をきちんとお伝えして下さいと言うことです。郵政のネットワークはものすごいネットワークです。日本全国でお話をさせて頂いて、郵便局のひとから初めて投信を教えてもらったというお客さまが沢山いることに気付きます。その意味でまだまだ投資信託の認知度は低い、この現状を変えて頂きたい。そして投資信託の良さを伝えて欲しいということです。投資信託は一か八かの勝負ではなく本当の投資ができ、自分の身の丈の資金で分散投資ができる商品です。このこともぜひ伝えて頂きたいと思います。法律には弁護士が、病気には医者がいるようにオカネの運用には専門家の運用会社を上手に利用して下さい。


投資家に特にここを理解して欲しいことは。

田中氏:

投資と投機をもう少し整理をして欲しいと言うことです。投資は実は3ヶ月、半年、1年で勝負するものではない。それからマーケットは動くからこそリターンがあります。そして投資の目的はお金を増やすことではなく、増やした上で、それを何かに生き生きと使うことです。若いとき結婚をするためにお金を貯めましたね。そしてお金を惜しげもなく新生活のために使ったではないですか。子供が生まれ教育資金のため、お金を取り分けたり、蓄えたりして、それを惜しげもなく子供の教育費に使ったではないですか。今の日本人は長寿になっているんですから、60歳定年を迎えても約30年先があります。その30年を豊かに過ごして欲しいんですね。ですから私たちはお客さまに投資方針の土台というものを提案しています。それは、100からあなたの年齢を引いてくださいと、、、。年齢が債券のウェートです。100から年齢を引いた残りを株式で運用して下さいと、、、。

これからのゆうちょ銀行戦略について。

田中氏:

TVコマーシャルをやってきましたがお客様にはまだまだ運用会社としての顔が見えていないと思います。そこで、日興アセットを広く色々な層の方達に知っていただくためにイベントのスポンサーになったり、郵便局の店頭にポスターを出させていただいたりすること等を考えています。そして職員の方への研修の充実です。例えば、私どもは本社(六本木ミッドタウン)の中にある研修施設『ファンドアカデミー』を活用しての、郵政職員の方達向けの研修を考えています。他に現在、ファンドの情報サービスの提供をしている日興プロモバイルという携帯電話配信サービスの活用やEラーニングによるロールプレイ研修なども考えています。


インタビュー:2008年4月 聞き手:QBR小林新

掲載日:2008年4月28日


田中 英治(たなか・えいじ)氏
出身地:愛知県

経歴

1957年 愛知県に生まれる
1981年 名古屋市立大学 経済学部 卒業
野村證券投資信託販売株式会社(現 三菱証券)入社
1984年 国際投信委託(現 国際投信投資顧問)転出
1995年 同 商品企画部長
1999年 プルデンシャル三井トラスト投信株式会社 入社 運用部長 兼 CIO
2000年 同 取締役運用部長 兼 CIO
2000年 プルデンシャル投信株式会社(社名変更) 取締役運用部長 兼 CIO
2002年 プルデンシャル・アセット・マネジメント・ジャパン株式会社(出向)顧客サービス部長
2003年 プルデンシャル・インベストメント・マネジメント・ジャパン・インク(合併) 顧客サービス部長
2003年 投信総研(設立) 代表
2006年 日興アセットマネジメント株式会社 入社 投信営業推進部

   
    

特集

「証券アナリストの調査手法とこだわり」(全6回)

「証券アナリストの調査手法とこだわり」

証券アナリストの行動パターンをご紹介!個人投資家のリスク回避術を学ぼう。

特集を読む »

おもしろ企業探検隊

おもしろ企業探検隊

平林亮子&内田まさみの「そうだ!社長に会いに行こう」ナブテスコ株式会社

特集を読む »