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三井住友海上メットライフ生命保険 栗岡 威 社長 「個人年金保険の更なる普及を全国津々浦々の販売網、ゆうちょ銀行と郵便局会社に期待」 - トップインタビュー(第20回) - 投資信託

 

投資信託 [ トップインタビュー ]

【第20回】

三井住友海上メットライフ生命保険 栗岡 威 社長

個人年金保険の更なる普及を全国津々浦々の販売網、ゆうちょ銀行と郵便局会社に期待

5月29日にスタートしたゆうちょ銀行と郵便局会社での変額年金保険販売。その一角を占めた三井住友海上メットライフ生命保険。同社社長 栗岡 威氏に個人年金保険の魅力について伺った。

まず、いよいよスタートした「ゆうちょ」での販売について。

栗岡氏:

ゆうちょ銀行82店、郵便局会社79店の計161店で変額年金保険の販売が開始されました。取扱商品は4社3タイプです。その中で、当社は早期受取型の商品を提供させて頂いています。ゆうちょ銀行は貯金量181兆円を抱えた巨大な金融機関ですし、郵便局会社と合わせ、全国津々浦々に販売網をお持ちになっています。日本に残された最大にして最後のリテールマーケットだと私は思っています。当社は「個人年金保険を通じて社会に貢献できる企業」を社是としていますが、日本郵政グループと一緒にビジネスを展開していくことは社是にも合致しています。販売に携わる方々の販売スキルのレベルアップに、当社の研修プログラムを通してお手伝いをさせて頂き、足腰の強いリテール部隊の構築をサポートさせていただきたいと考えています。

個人年金にはどのような機能がありますか。

栗岡氏:

個人年金には三つの機能があります。(1)年金として「つかう」、(2)運用して「ふやす」そして(3)死亡保障として「のこす」という機能です。このうち当社が特に重視しているのは、「つかう」という機能です。年金には、公的年金と私的年金がありますが、当社が提供する個人年金は私的年金になります。リタイアされた後の生活のレベル感をご夫婦で考えられる際、趣味や付き合い等の支出も結構必要なことにお気づきになると思います。生活費プラスアルファで年間どの程度の出費になるかを計算することによって、「つかう」ための年金額が算出されます。お金を貯める目的は、老後を安心して暮らすためにあります。したがって、「つかう」ことが年金にも最優先で求められるのです。また、リタイア後のお金の勘定(計算)にはストレスが伴います。個人年金に加入しておけば、これらからの解放、安心感を得て、ストレスが軽減されます。保険の世界でも、死亡保障から生存保障重視への流れがはっきり出てきています。つまり、生きているうちに受け取って使うことが評価されています。

LG(早期受取)タイプの個人年金保険についてお聞かせ下さい。

栗岡氏:

LGタイプでは、当社が草分けであると自負しています。LGとは、『Lifetime Guarantee』の頭文字をとったものです。契約の翌年から一生涯の年金の受け取りを可能にした商品で、いわば「すぐ受け取れて、一生続く年金保険」です。安定した人生を送って頂くために、一人一人のご契約者の人生設計のお手伝いをさせていただいていると考えています。年金にお入りになる年齢は平均しますと65歳前後です。そこから平均寿命を考えても20年から25年を元気で活躍されるわけです。お預かりした年金を大事に運用しながら、一定額の年金を、運用成績が良ければそれにプラスした年金を、終身にわたってお支払いすることになります。当社では、LGタイプの販売ウェイトが高まっており、2007年度の販売額約6500億円のうち、LGタイプが全体の半分以上を占めています。

投資信託も毎月分配型など「擬似年金」のようなものもあります。

栗岡氏:

そうですね。しかし、保有期間を考えますと、投信は比較的短い期間で勝負をしようと考える方も多いと思いますが、年金保険には終身年金があり、また長期に安定した運用を最優先されていると考えています。

御社の特色について。

栗岡氏:

東京、大阪にトレーニングセンターを擁しています。一度に150人に研修ができる設備です。そこでは、新しく入社された募集人や5年超のベテラン募集人など、階層別にカリュキラムを組み、徹底したトレーニングを実施しています。商品の説明以外に、30歳を超える、募集人とお客さまとの間のジェネレーション・ギャップをどう埋めるかを学んでいただくためのコミュニケーション・スキルも習得して頂きます。2007年度は5900名の募集人への研修を実施しましたが、今年度は10000人達成を目指しています。

加入者は、自分の年金の運用状況をどうやって知ることができますか。

栗岡氏:

ご契約者は約28万人になっています。お客さまに3か月に一度運用レポートをお届けしています。内容は運用のパフォーマンスがどうなっているかをお知らせするものです。これ以外にも、毎日、コールセンターでお問い合わせにお答えしています。また、ホームページ上にも、月次で運用状況を掲載しています。なお、年金の運用報告以外にも、年を重ねられて輝かしい生き方を過ごされている方たちを紹介した小冊子を運用レポートに同封してお届けすることを考えています。

投資信託もファンドの決算に応じて運用報告書を受益者向けに作成しています。

栗岡氏:

そうですね。ただし、我々は、販売代理店である金融機関に代わって、ご契約者へ直接、運用レポートを郵送させて頂いています。


同じお客さまの追加購入はいかがでしょうか。

栗岡氏:

販売後のしっかりしたケアを継続していますと、まとまったお金が入る、例えば定期預金の満期が来たときなど、銀行単位や支店単位で開催される契約者セミナーがきっかけとなって追加購入をされるお客さまも結構いらっしゃいます。

団塊の世代については。

栗岡氏:

ひとつの時代を形成した世代だと思います。その方たちが定年時期を迎えています。企業人間、会社人間が圧倒的に多く、パッと退職することになっても意外と自分自身のことは考えておらず、退職金をもらってもどうしたら良いのかと迷う方が多いと聞いています。一方で、自分で楽しみたい、お金は使うものだということを一番最初に形成した戦後世代でもあります。日本の新しい文化を造ってきた世代です。受け取る退職金や相続される資産、そしてご自分で貯められた資産を合計すると100兆円くらいになると言われています。その意味でも大変魅力のあるマーケットです。この後の世代は、団塊の世代がどのようにお金を活用(お金のアロケーション)するか注目していると思います。当社のLGは、まさにお金を使うことにフォーカスしていますので、同世代向けとも言えます。


金融商品取引法の施行で変化したことは。

栗岡氏:

お客さまが変額年金への加入を検討される際、意向確認書や適合性確認書に記入して頂くことで、募集人も従来以上にお客さまの意向をはっきりつかむことができるようになったことは非常に意義深いと思います。契約締結前交付書面でも、契約の概要や注意喚起情報を改めて説明するようになりました。説明に時間がかかったり、同じことを何度も聞くのは煩雑だという声もありますが、適合性の徹底はお客さまに合った商品を提供するための大前提です。

個人年金保険市場の展望について。

栗岡氏:

営業を開始して5年9か月になります。昨年9月までの5年間はマーケットが右肩上がりの時期で、順調に業績を伸ばすことができました。昨年の下期以降、サブプライム問題の影響を受け、マーケットの環境が大きく変わりました。業界全体でみると、2007年度は15%程度、年間販売額がダウンしましたが、今年度になって回復基調にあります。サブプライム問題のマーケットへの影響も徐々に落ち着く方向にあります。変額個人年金は投資信託と比較した場合、最低保証がある商品が大半ですので、下振れリスクはあまり大きくありません。また、欧米の有力保険会社の相次ぐ市場参入や、日本郵政グループでの取り扱い開始により、全般的に変額個人年金の認知度が高まっています。2008年度は2006年度の水準に戻ると考えています。

投資信託業界について一言。

栗岡氏:

我々の商品のベースは投資信託です。その中でもバランス型です。リスクの少ない、安定的なバランス型で良いファンドを引き続き提供いただくよう、投資信託業界にはお願いしたいと考えています。


インタビュー:2008年6月 聞き手:QBR小林新

掲載日:2008年7月2日


栗岡 威(くりおか・たけし)氏
出身地:兵庫県

経歴

1945年 兵庫県に生まれる
1968年 慶応義塾大学 商学部卒業
大正海上火災保険株式会社(現 三井住友海上火災株式会社)入社
1992年 三井海上火災保険株式会社(現 三井住友海上火災株式会社)秘書室長
1995年 同社 取締役 企業第三部長
1997年 同社 常務取締役 大阪企業本部長
2000年 同社 専務執行役員 大阪企業本部長
2001年 三井住友海上火災株式会社 専務執行役員 大阪企業第二本部長
2002年 同社 専務取締役 専務執行役員 東京企業第一本部長 兼 東京開発本部長
2002年 同社 専務取締役 専務執行役員 東京企業第一本部長
2003年 同社 専務取締役 専務執行役員 東京企業第一本部長 兼 金融営業推進本部長
2004年 同社 取締役副社長 執行役員副社長 東京企業第一本部長 兼 金融営業推進本部長
2005年 三井住友海上シティインシュアランス生命保険株式会社 代表取締役共同社長
(10月1日より三井住友海上メットライフ生命保険株式会社に社名変更)
2007年 三井住友海上メットライフ生命保険株式会社 代表取締役社長CEO(現在に至る)

   
    

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