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しんきんアセットマネジメント投信 岡野 悦夫 社長 「求めるものは信金らしい投信販売のサポート」 - トップインタビュー(第22回) - 投資信託

 

投資信託 [ トップインタビュー ]

【第22回】

しんきんアセットマネジメント投信 岡野 悦夫社長

求めるものは信金らしい投信販売のサポート

信金中金が100%出資する信用金庫業界の運用会社。設立は平成2年、当初は信用金 庫の資金運用ニーズと信用金庫厚生年金の自主運用に対応する投資顧問会社としてスター ト。平成10年から投信運用業務を開始した。同業界の投信販売残高は平成19年度末( 0803末)に7,024億円、預金残高が約110兆円で1%にも達していない。当面 の目標が1兆円、次のステップが地銀並みに預金残高の5%といわれる同業界の投信販売 。この市場における中核運用会社としてどう攻めるか、その戦略を伺った。

まず、御社の特色からお話下さい。

岡野氏:

当社の特色は、当社商品の販売チャンネルとして信用金庫のみを考えているなど 信用金庫業界のための運用会社であることです。各信用金庫とお客様の接点は、店舗に来 店される方も多い一方で、得意先係りの職員がよくお客様を訪問しているところに大きな 特色があります。信用金庫は、地域に密着しており、従来から長くお付き合いをさせてい ただいているお客さまが多く、日ごろの濃密なリレーションがあります。私たちは、この ことを常に意識しており、『信金業界の運用会社として、信用金庫のために何をサポート できるのか』を課題としながら業務を行っています。

確か、岡野さんは信金の理事長をやっておられましたね。

岡野氏:

はい。もっともずいぶん前の話ですが、信用金庫の経営に参加させていただいた ことがあります。その時感じたことから言うと、信用金庫はお客様との信頼関係を大切に するという基本理念を代々受け継いできており、それは今も変わらないということです。

現在の金商法の基本理念である顧客保護の精神をそれ以前から大切にしてきた業界だと いうことです。金商法施行にあたり、投信を販売するときに何を説明しなくてはいけない かとか、コンプライアンス上何を留意しなくてはいけないのかということをテーマに慎重 に対応しています。私たち信用金庫業界の人間が金商法の理解を高めていくことで、信用 金庫業界での販売高はまだまだ伸びると思います。

具体的には。

岡野氏:

当社が今後も力を入れていくことは、投資家の皆さまにとって安心して長期的に 投資ができるような商品を提供していくことです。また、エコノミストの経済レポート等 アフターフォローの資料を充実させるよう体制を整備しています。

販売会社に対する業務サポートは。

岡野氏:

まず、各信用金庫の投信窓販推進部門向け研修会や販売担当者向け勉強会への講 師派遣です。当社では、投信販売の基礎研修から、商品研修、経済環境の見方、アフター フォローの仕方等についての研修を行っています。また、当社のコンプライアンス部の専 門担当者が直接各信用金庫に出向いて業務に則した研修をしています。また当社では、信 用金庫の運用担当者や投信窓販推進部門の担当者向けにトレーニー研修の受け入れも行っ ています。

次に、個人投資家向けの「資産運用関連セミナー」です。これは、運用に関する全般的な 話題や個別ファンドの運用環境・運用状況の説明、エコノミストによるマクロ・ミクロ経 済の見通しなどを行っています。

マーケットの調整局面で販売員へのサポートをどのように考えていますか。

岡野氏:

アフターフォローの重要性がますます高まると考えています。このためには、運 用状況等の説明の頻度をあげることが大事だと思います。その手段として、当社内では、 研修をはじめ、エコノミストの経済レポート、相場下落時の臨時レポートを充実させるよ う心がけています。

業務サポートのフローは。

岡野氏:

親会社である信金中金とのリレーションを大切にしています。投信窓販開始当初 から積極的に投信販売に力を入れていた信用金庫から、この数年で販売を推進しはじめた 信用金庫まで、各信用金庫によって投信販売のステップが違います。そのステップに応じ た、研修はもちろんのこと、組織、人材育成、社内ルールの作成等を含めた総合的なアド バイスを通じてサポートをさせていただいています。

御社の運用資産残高で私募・公募の比率は。

岡野氏:

当社は、信用金庫の資金運用と信用金庫厚生年金基金の自主運用に対応する投資 顧問会社として設立しました。そのため、信用金庫等の機関投資家向けの運用商品・サー ビスの提供(私募投信、投資一任業務)も当社の重要な業務です。信用金庫業界の中核運 用会社として、信用金庫等の有価証券運用のニーズに則した商品・サービスの提供を行っ ています。公募投信は各信用金庫の投信窓販のおかげで、順調に推移しており、現在(2 008年7月末)で公募投信が2,345憶円、私募投信が、1,465憶円です。当社 の業務である公募投信、私募投信、投資一任業務は、信用金庫業界のサポートのために将 来も重要な業務であると考えており、引き続き投資家の皆さまのニーズに応えていくサー ビスを提供したいと考えています。

信金の優位性とは何でしょうか。

岡野氏:

信用金庫は地域の会員のための金融機関です。信金の強みは会員であるお客さま との長いお付き合いの積み重ねです。その長年のリレーションがあるからこその長期的視 点でのサポートから、日ごろのちょっとした疑問まで、お客さまのニーズにきめこまやか に対応できることが他の金融機関とは違う強みだと思います。

金商法で何か変化が。

岡野氏:

金商法施行に伴なう販売体制の整備には、慎重かつ時間をかけて丁寧に臨んでこ られたと感じました。徐々にではありますが前向きな販売姿勢が戻りつつあると思います 。特に当社が行っているサポートに関しては、特にコンプライアンス研修のニーズが高く なっています。

勉強会でもより具体的な。

岡野氏:

コンプライアンス研修では、事例研修を中心に行っています。実際の業務に即し た研修をすることで、より習熟度が増すと考えており、当社ではこの点を強化しています 。今後も各信用金庫の販売のステップに応じた研修を充実させていきたいと考えています 。

投資信託市場の将来について。

岡野氏:

現在は日本の投資信託市場が次のステージに上がるための変化点だと思います。 団塊世代の退職を迎え、年金問題等が浮上し、将来への不安が増している状況であること もあり、若年層のうちから個人で自らの資金運用を真剣に考えなければいけない時代に入 るのではないでしょうか。現状は中高年層が投信購入の中心ですが、今後は若年層に対し て将来設計を見据えた長期的な視野での投資を啓蒙することも投資信託業界の課題だと考 えています。

1998年の投信窓販開始から、既に約10年が経ちましたが、当社では、今後の10年、20年、 30年先を見据えた長期的な視点での商品・サービスの提供を継続的に図っていきたいと考 えています。

個人投資家にひとことお願いします。

岡野氏:

一人の個人投資家としては、投資を楽しんでいただけることが重要かと思います 。株でも為替でも肩に力をいれないで、日本だけではなく世界経済の動向等見識を広げて いただく一つの手段として、投資を考えていただくのはどうでしょうか。当社では、エコ ノミストの経済レポート等を作成しています。HPに掲載してありますので、是非、当社HP をご覧ください。


聞き手:QBR 小林新

掲載日:2008年9月12日


岡野 悦夫(おかの・えつお)氏
出身地:千葉県

経歴

1945年 千葉県に生まれる
1968年 法政大学社会学部卒業
全国信用金庫連合会(現 信金中央金庫)入会
1991年 信用金庫 出向 専務
1995年 同 金庫 理事長
1999年 信金中央金庫 監事
2002年 しんきん情報システムセンター(株) 理事
2003年 同社 監査役
2006年 しんきんアセットマネジメント投信(株) 代表取締役社長、現在に至る


   
    

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