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三井住友アセットマネジメント 前田 良治 社長 「投信に親近感を持ってもらうための秘策とは」 - トップインタビュー(第29回) - 投資信託

 

投資信託 [ トップインタビュー ]

【第29回】

三井住友アセットマネジメント 前田良治社長

投信に親近感を持ってもらうための秘策とは

中国やインドの高い経済成長率を背景にクローズアップされる機会が増えているアジア地域。そこで、同地域での運用体制の強化に力を入れてきた三井住友アセットマネジメントの前田良治社長に今後の商品展開のほか、昨年秋から三井住友フィナンシャルグループに加わった日興コーディアル証券との取り組みなどについて聞いた。

アジア地域の運用体制は確立したか。

前田氏:

当社は2002年の設立以来、中国・アジア地域の運用体制を強化してきた。東京に上海、香港を加えた三拠点一体の運用体制が整い、中国を軸にアジア全域をカバーしている。この三拠点の人員約30人のうち、3分の2はリサーチに携わるなど他社と比較しても調査体制が充実している。運用会社なのでやはり運用成績で勝負したいとの思いがある。

中国・アジア地域に投資する国内公募株式投信の中では、当社はリーディングカンパニーとしてキャリアを積み上げてきた。なかでも、『三井住友・ニュー・チャイナ・ファンド』は10年近い運用実績があるうえ、中国株ファンドとしては資産規模も732億円(1月末時点)と大きい。運用成績はこの1年で56%上昇と好調だ。また、投資規制がある人民元建てA株を売買するために必要なQFII(適格海外機関投資家)の資格を取得し、2.5億ドルの投資枠を得た実績もある。中国・アジア地域は今後も高い経済成長が期待できるうえ、当社のリソースもフルに生かせることから、同地域にスポットを当てた商品の組成を考えている。最近、個人投資家に人気が高いブラジルなどアジア以外の国・地域については、運用の外部委託を活用することもある。

昨年10月に日興コーディアル証券が三井住友フィナンシャルグループの傘下に入った。同証券と三井住友銀行が共同開発し、三井住友アセットマネジメントが運用する『SMBC・日興ニューワールド債券ファンド』に資金が集まっているようだが。

前田氏:

このファンドは主に米ドル建ての新興国の債券に投資し、(米ドル建て資産に対して)為替ヘッジする通貨が選べる5つのコースから成る。5つのコースの残高は合計で4350億円(1月末時点)とかなりの規模になっている。なかでも、ブラジルレアルで為替ヘッジするタイプの残高が3050億円(同)と最も大きい。高い分配金利回りが人気となっているようだ。やはり、旧四大証券(野村、大和、日興、山一)の一角がグループに入った効果は大きい。また、リーマン・ショックの悪影響を受けて外資系運用会社が地銀向け投信事業を縮小をしているようだ。当社はこれを好機とみて地銀とのパイプを一段と強めたい。勉強会を開催するなど販売サポートをさらに充実させるほか、タイムリーな情報提供にも力を入れる。

今後の投信市場発展のためには、投信および運用会社が個人投資家にもっと身近な存在になる必要があると思うが、何か良い方法はないだろうか。

前田氏:

例えば、DC(確定拠出年金)の商品の仕組みや運用報告を企業の従業員に直接できる機会を設けられないかと考えている。DCの場合は企業の従業員と当社のような運用会社との間に運営管理機関があり、従業員との直接の接点はない。だが、運用会社が従業員と接して商品の仕組みについて説明したり運用報告ができれば、運用やマーケットを身近に感じてもらえ、結果として運用会社の知名度も上がるのではないだろうか。

投資をテーマにしたテレビドラマ『CLUB 104』※に前田社長自身が"謎の男"として出演している。これも投資を身近に感じてもらうための秘策か。

前田氏:

投資教育の一環になればと思い始めた。いきなり運用というと腰が引ける部分もあると思うのでドラマという身近なツールを利用して"投資とは"、"投資信託とは"といった基本的なことを毎回語っている。

※CLUB 104 投資に関する基礎知識を分かりやすく解説したミニドラマ。BS朝日で毎週火曜21時55分~22時に放送。

(表)三井アセットマネジメントが運用する追加型株式投信―残高上位10ファンド


*データは1月末時点
*基準価額の騰落率は課税前分配金を再投資したとして計算、▲はマイナス
 
 

執筆:QBR 根岸てるみ(掲載日:2010年2月18日)

前田良治 氏

経歴

大阪府出身、京大法卒
住友生命保険入社
住友ライフ・インベストメント(現三井住友アセットマネジメント)執行役員
2007年6月より現職 三井住友アセットマネジメント社長 兼 CEO

   
    

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