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【第31回】大和投資信託 石橋 俊朗 社長 - お客さまから敬意を頂ける一流の運用会社を目指す - 投資信託

 

投資信託 [ トップインタビュー ]

【第31回】

大和投資信託 石橋俊朗社長

お客さまから敬意を頂ける一流の運用会社を目指す

社長就任から1年が経過した大和証券投資信託委託の石橋社長。現場のニーズを丹念に拾い、分り易い説明を丁寧に続け、お客さまから敬意を頂ける一流の運用会社を目指す。同社の戦略、運用業界の今後についてお話を伺った。

この一年どのようなことを考えながら経営に当たって来られたのか。

石橋氏:

運用会社とは、常に運用成果で判断される仕事で、その成果は変動を避けられません。しかし、そんな中でも一流の運用会社としてお客さまから敬意を頂くにはどうしたら良いのかを考えて来ました。そのためには、当然ながら「運用力」「商品開発力」「販売支援力」を極めることが重要です。運用力を付けるには、安易な外部への再委託を避けて自社運用を重視することです。商品開発力については、特に説明責任を果たせる商品を前提に積極的に取り組んで行きたいと思っています。また、販売支援力は、資料やインターネットのHP、役職員によるプレゼンなど分り易い情報提供が肝要であると考えています。

大和投資信託の強みと、これを生かした経営戦略は。

石橋氏:

まず、当社の歴史はそのまま日本の投信の歴史です。この伝統に対する信用は強みだと考えています。公募の投資信託残高は9.2兆円(2010年3月末)と我が国トップクラスです。運用会社にとって生命線である調査分析体制はファンドマネジャーとアナリストが国内約100名、海外40名を擁しています。そして最大の強みは大和証券グループの情報力と販売力だと思います。私の経営戦略はこれらの強みを生かすことです。

当社の伝統からして日本株運用に関しては自信を持っています。残念ながら現状日本株の人気は高くないのですが、今年2月の『京都の志士達』は話題を呼び、当初345億円の設定ができました。日本株の投信としては異例の人気でした。次いで6月上旬に『東海の匠』を予定しており、これにも期待をしています。

この4月に社長直轄部室として新設した研究開発部の狙いは。

石橋氏:

この組織は会社横断的な恒久的なPT(プロジェクトチーム)のようなものです。この組織のミッションは一流の運用会社と敬意をお客さまから頂くにはどうしたら良いかという命題に解答を出すことです。

全社の課題を洗い出し、優先順位を考えて解決に取り組むエンジン役です。これは、社長就任時点からやりたかったことです。

ところで100年に一度といわれるサブプライム、リーマンショックで得たものは。

石橋氏:

豊富な経験を持つ運用者でも、直面する相場について見えている景色はいつも初めてのもので、一つとして同じものはありません。ここに相場に臨む者の難しさがあり、これを肝に銘じて運用者は日々研鑽をしています。

今回のような相場の大きな調整で得たものは、それはもう投資家に対して適時適切な情報提供ということでしょう。特に受益者や販売会社へのフォローアップの重要性を改めて認識させられました。更に、受益者からはただ単なる情報提供にとどまらず新たな提案(対策)を期待されています。加えて、当社としては仕組みが複雑で販売の現場で説明の難しいものは商品化しないということも、改めて認識を強くしました。

投資家に対する投資啓蒙や教育について。

石橋氏:

当社はインターネットのHPを通じた情報発信や協会・販売会社などへのセミナーへの講師の派遣を実施しています。また、これまで大学にも共同研究や講師の派遣を行っています。しかし何よりも大切なのは、分り易い資料の提供や、分かり易い説明を丁寧に続けて行くことこそが、投資信託の普及につながるのだと認識しています。

今後の商品ラインアップは。

石橋氏:

毎月分配型ファンドの人気は当面変わらないと考えています。ただ、優遇税率(10%)が2011年12月で終了する予定で、これ以降は税制次第ということもあって不透明です。リスク投資への優遇税制や年金代替の分配金志向ニーズについて為政者にくみ取ってもらうことも大切だと考えています。

今後の新商品は組入れ資産の選別やその組み合わせの妙を競うものではないかと考えています。そのためには、現場のニーズを丹念に拾って商品化して行きます。また、前述しましたが、全く人気薄だった日本株ファンドに資金が集まったことにも注目しています。

投信マーケットの環境と今後の見通し。

石橋氏:

公募株式投信の残高は2007年10月末67兆円をピークに、リーマンショック後の2009年1月末38兆円まで減少しましたが、2010年3月末には52兆円と着実に回復に向かっています。当社の前年度の資金流入も9200億円となっています。

一時のショックから立ち直りを見せている投信市場の背景には、やはり『貯蓄から投資へ』というテーマが息づいているのだと考えます。日本の財政赤字への不安は、そのまま公的年金への不安につながり、個人は老後の備えとして自助努力の蓄えを強めています。その意味で、運用商品としての投資信託への期待は高いと思います。


(インタビュー:5月13日実施) 執筆:QBR 小林新(掲載日:2010年5月26日)

石橋俊朗 氏

経歴

和歌山県、関西学院大学商学部卒
大和證券 入社
大和證券 債券部長
大和證券 取締役 債券担当
大和証券SMBC 執行役員 債券本部長
大和証券 代表取締役副社長 兼 大和証券グループ本社 執行役副社長
2009年4月から現職  大和証券投資信託委託・代表取締役社長

   
    

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