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【第44回】 大和投資信託 執行役員 マーケティング副本部長 谷川原 勝浩 氏 - 販売現場の変化をグローバルなマーケット環境情報の継続提供でサポート - 投資信託

 

投資信託 [ トップインタビュー ]

【第44回】

大和投資信託 執行役員 マーケティング副本部長 谷川原勝浩氏

販売現場の変化をグローバルなマーケット環境情報の継続提供でサポート

リーマン・ショックや現下の欧州債務問題等で運用会社の情報開示内容や販売員に対する支援等の役割も大きく変化して来ている。同社のマーケティング部門の谷川原氏に「この変化への対応」を中心にお話を伺った。

リーマン・ショック前後で販売員からの問い合わせや研修内容に変化が出て来たと耳にします。

谷川原氏:

私が大和投資信託に来たのが2007年です。その当時は導入して頂いたファンドの商品説明が主で、マーケットの環境説明は従だったと思います。08年末以降でしょうか、保有ファンドの基準価額が下がった要因を詳しく教えてほしい、どうなったら回復するのか見通しを知りたいといった運用や投資環境に関する問い合わせが増えて、研修内容もそれに沿ったものが中心となりました。リーマン・ショックがその要因となったことは間違いありません。


リーマン・ショック後と現下の欧州債務問題との違いはありますか。

谷川原氏:

そうですね。今回の特徴は、質問の内容が具体的かつ広範囲に及んでいることです。リーマン・ショックの経験が活かされているとともに、販売会社における商品が品ぞろえされてきたことで、お客様との会話が恐らく違って来ているからです。ファンドを保有されているお客様の不安を少しでも和らげるためには、どのようなサポートが必要か、さらにどのような提案が次のチャンスを生みだすか、販売員の方たちは今経験している最中ではないかと思います。その意味でも、会話の素材の提供が運用会社に求められているのでしょう。分配金に関する問い合わせが急増したのも今回の特徴です。

品ぞろえの話が出ましたが、ここ数年の動きは。

谷川原氏:

私がマーケット環境の研修や商品提案時に用いる「商品マトリックス」表(参照)でご説明しましょう。05年から07年頃までは好環境にも恵まれて、先進国債券(E)と3資産分散型(K)を中心に、先進国株式(B)なども投入されました。そこでリーマン・ショックに遭遇しました。その後、先進国債券でも豪州、新興国債券でもブラジルに、グローバル・REIT(G)でも米国という具合に、よりシンプルなものが選択される傾向が強まりました。今後は新興国債券(D)への期待がより高まるとともに新興国株式(A)、さらに20年間の調整を経た日本株式(C)が商品ラインナップに加わってくると思います。分配金に関する流れも毎月分配型の定着から高分配型が主流となりましたが、今後はトータルリターンの考え方を念頭においた支払型がテーマとなりそうです。幅広く見れるマーケット環境資料とわかりやすさでご納得いただける分配金資料をご提供したいと思っています。


研修依頼に応える体制について。

谷川原氏:

保有ファンドに対するサポートニーズの増大はマーケットの良し悪しとは関係のない大きな変化と捉え、研修の内容を販売現場でそのまま使える実践的なものに落とし込むようにしています。具体的には、「なぜ基準価額が上がったのか?下がったのか?」、「今後の見通しはどうなのか」の問い合わせに対して、「Monthly Fund Report」や「グローバルマーケット環境」などで説明出来るようにしています。

「グローバルマーケット環境」は、ファンドを取り巻くそれぞれのマーケットがどうなっているのか、今後どう見ていけば良いのかといった視点で作成しています。

さらに投資環境情報ツールとして「Market eyes」を提供していますが、これは研修においても利用し、タイムリーで分かり易く、コンパクトな内容になっているため、高い評価を頂いています。当社HP上にも掲載しています。研修を実施するのは30人の人員を擁する女性プレゼンター部隊です。提供できる研修メニューはファンド導入時の商品説明から、お客様からよくある問い合わせや成功事例等をもとに販売を意識したものまで多岐にわたっています。また販売会社のご担当者とご相談のうえ、オリジナルな研修も可能です。販売資料(商品性)、Monthly Fund Report(運用実績)、グローバルマーケット環境(投資環境)を利用した研修は上級編の位置づけになります。

投資環境に関しては昨年10月に経験豊富な男性プレゼンター2名を投入しましたので、リクエストに応じたレベルの高い研修も可能な体制にしています。マーケット環境が悪いときこそ、研修が重要だと考えています。販売員とのコミュニケーションを繰り返すことにより、さらに充実したサポートを提供出来る様に努力していきます。また、外部からの電話によるお問い合わせに対応するコールセンターも6人体制で毎日100件程度の問い合わせに対応させて頂いています。ここでの問い合わせ内容が販売用資料などの改善に役立つこともあります。

販売員、特に銀行の販売員にアドバイスを。

谷川原氏:

いつまでも暗いマーケットが続くとは思えません。今後はむしろエクイティ関連も提案・サポート商品として加わってくると想定されます。その分、覚えなければならないことがまた増える、と尻込みするよりもマーケットを見て「ああだ」、「こうだ」と考える訓練をしてみてはどうでしょうか。訓練の方法は人それぞれですが、例えば私は世界の主要な投資家が注目し、さまざまな出来事が素直に反映されると思われるNY市場の動きをまず見るようにしています。NY市場は流動性の高い市場です。そこで数々のニュース、情報が瞬時に飲み込まれます。どこまで織り込んでいるのだろうと考えながら、「グローバルマーケット環境」で為替・金利・株・リートなどの動きを確認していきます。自分で納得できれば説得力も違ってきます。それでもうまくいかないこともありますが、投資とはそういうものではないでしょうか。

ありがとうございました。


聞き手:QBR 小林 新(掲載日:2012年03月02日)

谷川原 勝浩(やがわら かつひろ)氏
大和証券投資信託委託株式会社 執行役員 マーケティング副本部長

経歴

出身:秋田県
1978年 大和証券株式会社 入社
2007年 大和証券投資信託委託株式会社 執行役員 運用副本部長
2010年 同 執行役員 企画・人事担当
2011年 同 執行役員 マーケティング副本部長、現在に至る。

   
    

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