株式・投資信託・ETF・退職・年金 投資に役立つ「ケイゾンマネー」

【第48回】 大和証券投資信託委託 代表取締役社長 白川 真 氏 - 業界ナンバーワンを目指す - 投資信託

 

投資信託 [ トップインタビュー ]

【第48回】

大和証券投資信託委託 代表取締役社長 白川真氏

業界ナンバーワンを目指す

公募株式投信の運用資産残高でトップの背中が見えて来た大和投信。その原動力は、従前より同社にとって強力な販売チャネルである大和証券と、シェア12%台となった銀行や郵便局の窓販チャネル。大和投信の現状と将来について語ってもらった。

運用会社のトップに就任して5ヵ月経ちましたが

白川氏:

大和証券にいたときから「投資信託」は重要商品のひとつでした。運用会社に来て思ったことは一つのファンドに多くの組織、多くの人が縦横に絡んで従事していることです。販売会社側にいると、投資信託の運用といえばファンドマネジャーというイメージが強いため、その裏で従事している多くの組織や人については想いが及びません。投資信託は多くの投資家の資金を預かってそれを公平に、公正に、適正に運用する仕組みですが、そのために多くの組織や人が、丁寧に、真摯に取り組んでいるのだと改めて実感しました。


大和投信の組織について

白川氏:

運用会社の要素を因数分解すると商品開発力、運用力、販売支援力の三つです。開発力については商品本部が主体です。最近は多岐に亘って商品が広がっているので効率的に外部委託や外部助言も使いながら広げていく方向です。運用力は当社の長い歴史とともに高まっており、陣容も国内外でファンドマネジャーが約100名、調査部門が約50名となっています。

公募株式投信の運用資産残高でナンバーワンを目指すと標榜されていますが

白川氏:

公募株式投信の運用資産残高でナンバーワンになることが当社の目標ですが、それは商品開発力、運用力、販売支援力のそれぞれでナンバーワンを目指し、業界ナンバーワンのリーディングカンパニーを目指す結果、運用資産残高でナンバーワンになるということだと考えています。商品開発力、運用力、販売支援力でナンバーワンになるためには、いろいろなところからの評価がナンバーワンになるよう目指していくことになります。いろいろなところからとは、大きく分けて2つです。一つは投資家。もうひとつは窓口である販売会社です。そして、その要となるのがマーケティング本部です。1998年の金融機関の窓販開始以降、マーケティング本部は大きな役割を持つようになりました。陣容では業界ナンバーワン・クラスではないかと思います。マーケティング本部を担うRM(リレーションシップ・マネジャー)は40名。そのほかにサポートの専門部隊として女性のプレゼンターが34名います。

大和投信の特色は

白川氏:

当社の特色は証券グループに属しており、そこから派生しているということです。ご存知のように日本の投資信託のルーツは大和証券の前身である藤本ビルブローカー証券が組成した藤本有価証券投資組合(1937年組成)と言われています。つまり、日本の投資信託の先駆者という伝統を持っており、日本の投資信託の歴史とともに歩んで来ています。こうした中で、大和証券と製販(製造と販売)連携を長い間やってきた歴史があります。同じ窓販をサポートするにしても当社の「販売会社に対する理解度」や「投信販売に対する経験」のDNAは、大和証券とともに一緒に歩んできたところによるものが大きいと思います。

ここにきての好調の背景は

白川氏:

公募株式投信の数字が、トップに近づいてきています。原動力の一つは銀行や郵便局の窓販チャネルでの販売で、当社商品を取り扱っていただく金融機関が広がって来ていることです。具体的には、「ハイグレード・オセアニア・ボンド・オープン(毎月分配型)(愛称:杏の実)」8,894.36億円(証券35社、銀行等55社)、「ブラジル・ボンド・オープン(毎月決算型)」5,304.39億円(証券34社、銀行等65社)、「ダイワ・US-REIT・オープン(毎月決算型) Bコース(為替ヘッジなし)」5,418.38億円(証券16社、銀行等27社)の3本柱(注:数字はいずれも2012年8月末現在)。これらが昨年から順調に残高を伸ばして窓販シェアが12%台とトップになったことが大きいと思います。銀行窓販では、比較的シンプルなものがシェアを上げやすいと思います。これは銀行で預金するだけだったお客さまの商品に対するニーズから来ているものではないでしょうか。おしなべて「毎月分配型」が銀行で売れているのは事実です。「毎月分配型」の出現により投信という商品の存在が銀行に認知されたことは大きいと思います。2012年3月に銀行窓販トップシェアになりましたが、これも瞬間風速だと社内では言っています。ちょっとした資金が移動すればすぐ順位は変わってしまいます。

本年7月末に設定した「りそな毎月払出し・豪ドルファンド(A,B,Cコース)について

白川氏:

このファンドは毎月一定水準の金額を払い出しながら運用をするタイプです。現行の毎月分配型ファンドは、運用成績によって分配額が増減します。このファンドは運用成果に関係なく分配額を一定水準の金額に固定したものです。この商品の新しいコンセプトの浸透にはある程度の時間が必要であると考えていますが、徐々に浸透して来ており手応えを感じています。

投資信託の個人金融資産シェアを2ケタにするためには

白川氏:

大和証券をはじめとする証券会社も非常に重要ですが、日本全国に面で展開している銀行や郵便局も有効なチャネルとなります。それに加えてホームマーケットの動向も影響します。米国のように個人の金融資産に占める投信のシェアが20%台となっているのは、401KやIRA(個人年金)が米国の投資信託残高約12兆ドル(約960兆円)の四割程度の寄与をしていることが大きいのですが、その背景にはNYダウが1989年末に2753.20ドルだったのが直近では約4倍になったことがあります。一方、同期間の日本は、日経平均株価で38915.87円が直近では約4分の1です。そして未曾有の円高でもあります。マーケット環境が劣悪になっていなかったら、投信のシェアは日本でも米国に近づいていたかなと思います。今後も続く少子高齢化の中で、運用会社の役割は国民の資産形成に資する金融商品の提供です。われわれは投資家と販売金融機関等に納得して頂きながら裾野を広げていく努力を不断に続けていく必要があります。

ありがとうございました。


聞き手:QBR 小林 新(掲載日:2012年09月05日)

白川真(しらかわ まこと)氏
大和証券投資信託委託(株) 代表取締役社長

経歴

昭和53年 4月 大和証券(株)入社
平成15年 6月 大和証券エスエムビーシー(株)金融法人第一部長
平成16年 5月 大和証券(株)執行役員
平成18年 4月 同社 常務取締役
平成19年 4月 同社 専務取締役
平成21年 4月 (株)大和証券グループ本社 執行役副社長 兼 大和証券(株)代表取締役副社長
平成22年 6月 (株)大和証券グループ本社 取締役 兼 執行役副社長 兼 大和証券(株)代表取締役副社長
平成24年 4月 大和証券投資信託委託(株)代表取締役社長 兼(株)大和証券グループ本社 取締役 兼 執行役副社長
平成24年 6月 大和証券投資信託委託(株)代表取締役社長 兼(株)大和証券グループ本社 執行役副社長

   
    

特集

「証券アナリストの調査手法とこだわり」(全6回)

「証券アナリストの調査手法とこだわり」

証券アナリストの行動パターンをご紹介!個人投資家のリスク回避術を学ぼう。

特集を読む »

おもしろ企業探検隊

おもしろ企業探検隊

平林亮子&内田まさみの「そうだ!社長に会いに行こう」ナブテスコ株式会社

特集を読む »