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岡本和久氏に聞く「『和風』資産運用の極意」- 著名人インタビュー - 東証ETF活用プロジェクト 東証ETF

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東証ETF・ETN活用プロジェクト [ ETFがわかれば世界がわかる 著名人にインタビュー ]

【第11回】

岡本和久氏に聞く

「『和風』資産運用の極意」

「資産運用が苦手」などと、漠然と思い込んでいる方は、意外と多いのではないでしょうか。これまで預貯金しか使ったことがない。「貯蓄から投資へ」と言われても、何から始めれば良いのかが分からない。それ以前に、お金のことを考えるのが煩わしいとさえ言う方も少なくありません。でも、資産運用は、自分自身の生活とは切っても切れない関係にあります。どうすれば苦手意識から解放されるのか、心理的な負担にならず、生活の道具として資産運用を使いこなすにはどうすれば良いのか。I―Oウェルス・アドバイザーズ代表の岡本和久さんに話を伺いました。
「資産運用」というものは、これからやはり必要になっていくものなのでしょうか。
岡本氏
岡本和久氏
I-O ウェルス・アドバイザーズ株式会社
代表取締役社長岡本和久氏
それ以前に、日本人はどうしてもお金について、ある種の苦手意識があるように思えます。昔から「武士は食わねど高楊枝」という言葉があるように、要は、お金は汚いもの、お金を儲けるのは悪いことという意識が強いのです。これはある種、日本人特有の精神構造ともいうべきものだと思います。
その結果、お金はあくまでも額に汗をして稼ぐのが尊い姿だと強く信じられており、逆に投資などという、実際の労働を伴わずにお金を稼ぐことに対する嫌悪感が非常に強かったのです。
でも、そろそろこのような精神構造から離れるべき時に来ていると思います。すでに、終身雇用制度、年功序列賃金は実質的に消滅しているからです。以前であれば、とにかく定年まで会社にいれば、自動的に賃金は上昇していきましたし、ある程度の退職金を得ることもできました。年金財政に対する不安感も少なかったので、60歳から満額受給でき、退職後の年金生活は安泰だったのです。
翻って、今の状況はどうなのかというと、終身雇用制度も年功序列賃金もほとんど崩壊し、自動的に毎年の給料が増えていくという時代ではなくなりました。年金だってあてにはできません。生涯にわたるキャッシュフローが、極めて不安定な時代になっています。
それでもバブルが崩壊してからの日本は、物価が下落するデフレ経済でしたから、お金そのものの購買力は増加していました。給料が減っても何とか生活を維持できたのは、デフレのお陰といっても良いかも知れません。
しかし、これからもデフレが続くという保証は、どこにもありません。中国やインドなど新興国経済の発展によって、世界の需要はどんどん拡大しています。また、金融危機から脱出するために大量の資金が供給されました。その結果、これから世界的にマイルドなインフレ状態になる可能性はあるのです。そのなかで、日本だけが例外であり続けられるはずがありません。特に日本は、食糧自給率が40%ということからも分かるように、私たちの日々の生活は大きく海外からの輸入に頼っています。石油や鉄鉱石などの資源・エネルギーも輸入依存です。仮に、今の円高が円安に反転したら言うまでもありませんが、安定したとしても海外から輸入されているモノの値段は、じわじわと上昇に転じるでしょう。いわゆる「輸入インフレ」です。
こうして考えると、資産運用のことを考えないわけにはいかないというのが、今の現実の世界です。預貯金だけでは、インフレリスクを吸収することはできませんから、どうしても、資産の一部を運用に回していく必要があります。 デフレを前提に現金を抱え込んでいることこそ、大変なリスクを取っていることになります。
しかし、どうしても「資産運用」というと、身構えてしまう人も大勢いらっしゃいます。
岡本氏
岡本和久氏
お金というものは、自分たちの生活から切っても切り離せない関係にありますから、あまり身構えず、もっと気楽に付き合っていけば良いのです。
お金というものは、自分たちの生活から切っても切り離せない関係にありますから、あまり身構えず、もっと気楽に付き合っていけば良いのです。
どうして資産運用をするのか。恐らく、多くの人は「お金を増やすため」と答えるでしょう。確かに、結果だけを見れば、資産運用がお金を増やすためにあるというのは、厳然とした事実です。
でも、資産運用の原点は、いかに購買力を維持していくかということにあります。たとえば、手元に現金1万円札があるとしましょう。物価が上昇したことによって、この1万円札で買えるモノの量が減れば、1万円札の購買力が低下したということになります。
一方、1万円札を株式などのインフレに比較的強い投資商品にしておいたとしたら、どうなるでしょうか。仮にインフレが進んだとしたら、それに伴い、この資産価値も上昇傾向を辿っていきます。つまり、インフレによって現金の購買力は落ちますが、それをインフレに強い資産に切り替えておけば、そこから得られる売買益によって、購買力の低下を抑えることができるのです。これが資産運用の本当の長期的目的です。
別に全財産を株式にする必要などないのです。ただ、すべてを預金にしておく必要もない。自分がとれるリスクに応じて、一割でも、二割でも株式や株式投信、ETFなどに振り向けておけばいいのです。
資産運用がお金を増やすものだという固定観念に捕らわれてしまうと、「損をしてはいけない」、「少しでも高いリターンを実現しなければならない」という意識が前面に出てしまいます。これでは、資産運用に対して身構えてしまうのも当然です。
もし、そのような考え方をされている人がいるとしたら、私はこう問いかけたい。「あなたは、一体誰と競争しているのですか?」と。
ファンドマネジャーやディーラーのように、職業として運用業務に携わっているのであれば、同業他社との競争になりますから、誰よりも、少しでも高いリターンを目指すという気持ちになるのは当然です。しかし、個人的に資産運用をされている場合は、誰と競争する必要もないわけです。もし競争相手と呼べるものがいるとしたら、それはインフレです。物価上昇率に負けない程度のリターンを確保してさえおけば、個人の資産運用は十分なのです。このように考えれば、資産運用というものに対して、それほど身構えなくても済むのではないでしょうか。
日本人は投資に向かないという声もありますが、それは本当なのでしょうか。
岡本氏
そんなことはありません。ただ、欧米的な考え方や手法を押しつけられれば、抵抗感がでるのは当然です。逆に、日本人に向いているスタイルの資産運用をすればいいのです。
たとえば、日本人には育てる文化があります。農耕民族ですから、種をまいて、いろいろ手間をかけて育て、収穫するということに馴染んでいます。他にも、日本人ならではのメンタリティというものは、たくさんあります。
今、申し上げた「育てる文化」以外にもいくつかあります。「おかげさまのこころ」、「和のこころ」、「知足のこころ」、「永代のこころ」、「もったいない精神」というのがそれです。
おかげさまのこころというのは、生活を支えてくれるすべてのものに感謝を示すというもので、日本人の美徳のひとつです。
「和」のこころは、他人との争いを出来るだけ避け、まわりとの調和を大事にするということです。
知足、足るを知るのこころは、そこそこで満足するということ。撒いた種のすべてが芽を出すわけではないという割り切りなどにつながっています。
永代のこころというのは、子々孫々まで長きにわたって続いていくという考え方です。時間に制約されず、時間に追われるのではなく、時間を楽しむということです。
そしてもったいない精神。「もったいない」は日本人特有のメンタリティとして、世界的にも知られるようになりました。
こうした日本人ならではのメンタリティを生かした資産運用のスタイルというものが、必ずあります。
その日本人のメンタリティに合った資産運用のスタイルというのは、具体的にどういうものでしょうか。
岡本氏
岡本和久氏
育てる文化という点では、将来の自分を支えてくれる経済的基盤のタネをまいておくこと。タネをまかなければ実りはありません。おかげさまのこころという点では、日ごろ、私たちの生活を支えてくれている世界中の企業に感謝の意を表して投資する。
和のこころとしては、時間やマーケット、あるいは他人と争わず、コツコツと投資をしていく。
知足のこころでは、とにかくガツガツと利益を狙うのではなく、そこそこのリターンで満足する。投資したものすべてにおいてリターンが上がらなかったとしても、ポートフォリオ全体である程度のリターンがあれば、それで良しとする。
永代のこころは、言い換えれば長期投資ということ。時間を味方につける投資です。
そしてもったいない精神という点では、余計なコストをかけずに、出来るだけ効率の良い運用を心がける。
このように考えると、日本人は短期的なトレーディングには向かないかも知れませんが、長期投資には向いていると思うのです。
将来のために、世界中の企業に資金を分散し、気長に積立投資していく。そして、インフレリスクをヘッジできる程度に、保有資産を育てていく。こうした運用をするためのツールとして、余計なコストをかけないように、たとえばETFなど、コストの安いインデックスファンドを活用する。言うなれば、「和風資産運用」ともいうべき投資スタイルです。私たちは、こういった資産運用のスタイルを、もっと重視しても良いのではないでしょうか。
実際に投資するに際しては、どういうものに資金を配分していけばよいのですか?
岡本氏
幕の内弁当を想像してみてください。幕の内弁当のなかには、カロリーの低い野菜、カロリーの高い肉など、いろいろな食材が入っており、それらを組み合わせてひとつのお弁当が作られているわけですが、ポートフォリオを組む場合も、それと同じイメージで良いと思うのです。
若い頃のポートフォリオは、カロリーの高いもの、つまり株式などのハイリスク・ハイリターン型の資産をメインにします。全体の8割が株式でも良いでしょう。
50代になったら、少しカロリーの高いものを減らして、全体の5割程度を株式に振り分けます。 このプロセスは10年ぐらいかけて行えばいいのです。
そして70歳以降については、カロリーの高いものを極力減らす。全体の8割程度を債券などで運用し、株式への投資は2割程度に抑える。このようなイメージで、年齢を重ねるごとに、ポートフォリオの中身を調整していくのです。
ここで大切なのは株式も債券もグローバルに投資するということです。今日の私たちの生活は世界中の企業によって支えられていますし、投信やETFなどでグローバル投資が簡単にできるようになっています。本当にありがたいことです。
ポートフォリオの比率を調整する際には、何も50代になったから、一気に株式を売却して調整する必要はありません。大体4~5年程度をかけて、徐々に比率を下げていくのです。積立投資を基本にするならば、持っている資産を売却することで対応するのではなく、積み立てる金額を減らして、比率を調整していきます。
資産運用で大事なことは、人に言われて買うのではなく、あくまでも自分が司令塔になることです。自分でこういうポートフォリオを作りたいという意思を持って設計図を作り、それに合った材料を探してくる。
その材料として、ETFは非常に優れた商品性を持っていると思います。
掲載日:2010年月12月15日
岡本 和久(おかもと かずひさ)氏プロフィール
ファイナンシャル・ヒーラー R
CFA 協会認定証券アナリスト (Chartered Financial Analyst)
I-O ウェルス・アドバイザーズ株式会社 代表取締役社長
五十嵐 敬喜(いがらし たかのぶ)氏
慶應義塾大学経済学部卒。大手証券会社のニューヨーク現地法人、情報部などで証券アナリスト・ストラテジスト業務に従事、1990年に、バークレイズ・グローバル・インベスターズを設立、、2005年まで 15年間代表取締役社長として年金運用業務に携わる。2005年5月、個人投資家向け投資セミナーを行うI-Oウェルス・アドバイザーズ株式会社を設立、代表取締役社長に就任。現在、同社でマンスリー・セミナー、DIY 資産運用教室などを開催する傍ら、長期投資家仲間によるクラブ・インベストライフを主宰。
著書に『瞑想でつかむ投資の成功法』(総合法令)、『100歳までの長期投資*コア・サテライト戦略のすすめ』(日本経済新聞出版社)、『長期投資道』(パンローリング)、『老荘に学ぶリラックス投資』(パンローリング)、『親子で学ぶマネーレッスン』(創成社)など多数。
日本証券投資顧問業協会理事、同協会副会長兼自主規制委員会委員長、投資信託協会理事、日本CFA(Chartered Financial Analyst)協会会長(現在、名誉会長)などを歴任。米国カリフォルニア大学バークレー校、ハース・ビジネス・スクール、アジアビジネスセンター・アドバイザー。経済同友会会員。


 
   
    

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