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2015年 マーケットの最注目は米国の利上げ 相場に波乱はあるか?

オピニオンリーダーが語る

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株価が大幅高となり、かつ円安が進んだ2013年。これに対して2014年は、秋口にかけて株価も為替も横ばい。10月末の量的金融緩和第2弾によって大きく上伸しましたが、この間、原油価格は急落。波乱含みの展開になりました。さて、2015年。マーケットはどう動くのか。eワラント証券COOの土居雅紹さんに話を伺いました。


日本の株価は2013年に大幅上昇。2014年は若干、上昇しましたが、2015年はどうなるでしょうか。

eワラント証券株式会社COO
土居雅紹氏
土居氏

 今の状況は2006年春くらいを想定してもらえれば良いでしょう。2005年まで小泉相場で大きく上昇し、2006年に入ってすぐライブドアショック。株価は大分ヘロヘロしましたが、何とか値が持ち、2007年2月に最高値を更新しました。今の株価も、その時と同じ状況だと思います。恐らく2015年も、何とか株価を保ちながら、徐々に上昇していきますが、上値は限られてくる。上昇局面が続くのは、あと1年か2年。そんな感じでしょう。それとともに、大型株は値上がりしにくくなり、中小型の消費関連株がにぎわってくると思います。ただ、注意しなければならないのは、安易に中小型株の上昇相場に付き合わないことでしょう。もし、株価が本格的な下落局面に入り、中小型株の暴落に巻き込まれてしまうと、それが復活するのは、次のバブルの後半です。かなり長い時間が必要です。なので、中小型株の上昇相場に乗って一儲けを考えている人は、ほどほどにしましょう。

2015年のマーケットで一番注目されるイベントは何ですか。
土居氏

 やはり米国の利上げでしょうね。現状、米国経済は世界の中で一人勝ちという感がありますが、こうしたなかでいよいよゼロ金利政策を解き、金融市場の正常化に向けて、FRBが利上げに踏み切ってくるでしょう。利上げの時期は、今のところ4か6月の可能性が最も高いと言われていますが、これは何とも言えません。今回の利上げは出発点が低いことと、米国経済がまだ病み上がりの状態なので、急激に金利水準が上昇することはないと見ています。恐らく、小刻みにゆっくり上昇していく感じになるでしょう。ただ、そのなかで、株式投資からいつ手を引くか考え始める投資家も増えてくるので、利上げに踏み切ってからどれだけ株価が持つのか、という点が注目されます。金利を上げるというのは、基本的に景気は良いことを意味します。したがって金利を上げる、景気が良くて株価も上がるという循環がしばらく続きますが、その期間は短くて7か月くらい。ちょっと持って1年くらい。物凄く持った時でも2年くらいというのが、過去のケースです。ただ今回は悪いことに、すでに株価が高い水準にあります。バフェット指標といって、その国の上場株式時価総額をGDPで割って算出される指標があるのですが、この数字はすでに株式市場の時価総額がGDPを大きく上回り、明らかに相場が過熱気味であることを示唆しています。これは米国の株価だけでなく、日本にも当てはまります。東証1部市場の時価総額と日本のGDPを比較すると、米国株ほどではないにしても、両者の乖離がほぼ埋まり、株式市場の時価総額がGDPの水準を若干、上回ってきています。つまり、米国株も日本株も相対的に割高な水準にあるので、今回、米国が利上げに踏み切った時、恐らく2年は持たないと思います。

そうなると、2015年中にも株価は崩れると見て良いのでしょうか。
土居氏

 2015年の春にFRBが利上げに踏み切ったとしましょう。すると、最も短くて7か月程度ですから、恐らく2015年中には株価が下落に転じます。ちょっと持ったとしても2016年の夏くらいでしょうね。そこから米国の株価は崩れます。そうなった時、日本だけ無傷で済むことはないでしょう。ただ、実際にバブルが崩壊したとしても、普通の人はそれに気づきません。これは日本の不動産バブルが崩壊した時もそうでした。株価は90年から大幅な調整局面に入っていましたが、多くの人がそれに気づいたのは、92年に入ったあたりからでしょう。そういう意味では、マーケット関係者がまず誰よりも早く冬の到来を味わうことになります。これは個人投資家の方も同じですから、まず2015年のどこで自分のポジションを手仕舞うか、あとは2016年と2017年が大きく荒れる相場になるのだとしたら、そこをどのような戦略で乗り切るか、ということをじっくり考える必要があります。

具体的にどのような方法で乗り切れば良いのでしょうか。
土居氏

 株式投資に関しては3つの方法があります。トレーディング系の人ならば、下がった局面ではショートを振る。あるいは先物取引やeワラントのプットなどを仕込んで、下げ相場でも積極的にリターンを追求していくという方法です。一方、ファンダメンタルズ系の人ならば、やり方はいくつかあって、ひとつは諦める。そのうち上がるから待っていましょうということですね。今回の下落局面で、2~3割程度やられるかも知れないけれども、じっと我慢して持ち続ければ、またいずれ景気が良くなれば値上がりしてくるから、我慢しましょうという考え方ですね。ちなみにこの方法はインド株などのように、これから成長が期待できる国の株式に投資した方が、より短期のうちに暴落前の水準に戻る確率が高まります。日本株だと少し時間がかかるでしょうね。もうひとつの方法は、キャッシュを用意して暴落を待つという方法です。バフェット型ですね。バフェットの運用は、キャッシュの比率が非常に高くて、高いところで20%くらいのキャッシュ比率を維持しています。最も組み入れた時でも、10%をちょっと切るくらいでしょう。分厚いキャッシュを持っているから、好条件で買えるのです。そして3つめの方法はシグナルを使う方法です。「TOPIXの10%リスクコントロール戦略」などがその代表的なもので、過去100日のTOPIXのボラティリティを10で割って、その数値が10%を超えていたら売る、下回っていたら大きく買う。これをこまめに繰り返すという方法もあります。まあ、この方法は面倒なので、誰でも出来るものではないと思います。ですから、個人投資家が簡単に出来る方法としては、積極的に攻めるか、諦めるか、待つか、といういずれかになるでしょう。

どの方法が良いでしょうか。
土居氏

 これは人にもよりけりなので、なかなか一概にどれが最も優れていると言い切ることは出来ないのですが、一番精神的にストレスを感じない方法としては、意外や意外、諦めるということかも知れません。オンライン証券会社に口座を持っている人で、大きく損をした人などは、数年間は全く見なくなります。とにかく臭いものには蓋をしてしまうというケースで、これが一番ストレスを感じずに済みます。次にストレスを感じないのが、積極的にトレードをするという方法です。毎日見ているので、自分が今、何をやっているのかが分かっていますから、これが意外とストレスを感じずに済むのです。そして、逆に最もストレスを感じるのは、バフェット型ですね。何しろ、人とは逆の方向に張っていきますし、何年間も安いところを持ち続けなければなりませんから、その間に受ける精神的ストレスは、相当のものになります。その代わり、儲けも非常に大きなものになります。逆に、一番儲からないのは、ショートで積極的に取りに行こうという人かも知れません。したがって、このなかから敢えて良い方法を選ぶとしたら、バフェット型がお勧めです。ストレスはありますが、その先に待っているものが大きいからです。また、この方法で投資するならば、日本株だけでなく外国株にも目を向けた方が良いでしょう。日本株が暴落している時は、間違いなく世界の株式市場も暴落しているはずですから、海外の優良企業を安く買うチャンスです。

外国株にもさまざまなものがありますが、具体的にどの国の株式を買えば良いでしょうか。
土居氏

 やはり米国株が良いと思います。市場の流動性が高いですし、良い企業がたくさんあります。日本の環境アクティビストから天敵と言われているモンサントという種子メーカーは、確かに企業イメージは悪いものの、収益という点で見れば、抜群の優良企業です。ボーイングやエアロバイロメントのように、日本にはない業態もありますよね。エアロバイロメントという企業は、あまり名前を知られていないと思うのですが、ドローン兵器を開発製造しています。今、米国では戦場における兵士の生命を守るため、ドローン兵器の導入を積極的に行っています。それこそ、国防予算は減らされても、ドローン兵器の予算は削られていません。そこにガッチリ食い込んでいる企業ですから、当然、収益性も抜群です。

2015年、株式投資をしている人はどういうスタンスでマーケットに臨めば良いでしょうか。
土居氏

 2015年中に大きく相場が崩れることはないと思いますが、2016年以降、マーケットが荒れる恐れがあることを考慮すれば、やはり売り上がりで臨むべきでしょう。特に今、ポジションを持っている人は、相場が上がったところで徐々にポジションを外し、キャッシュの比率を高めておきます。そうすれば、2016年、2017年にマーケットが荒れた時、安い株価で優良企業の株式をたっぷり仕込むことができます。


土居雅紹(どいまさつぐ)

eワラント証券株式会社COO

1964年静岡生まれ。大和証券に入社し、証券アナリストとして個別企業分析に従事。
米ノースカロライナ大学経営学大学院にてMBAを取得。
大蔵省財政金融研究所を経た後、大和証券にて店頭エクイティ・デリバティブの立ち上げに従事。
1998年にゴールドマンサックスに移籍し、2000年にeワラントを開発。
2011年よりeワラント証券を立ち上げ、現職。


掲載日:2015年1月19日

 
   
    

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