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株式評論家植木靖男氏に聞く 「2012年の日本株は底打ちから上昇へ」 東証ETF

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東証ETF・ETN活用プロジェクト [ ETFがわかれば世界がわかる 著名人にインタビュー ]

【第28回】

株式評論家 植木靖男氏

「2012年の日本株は底打ちから上昇へ」

年初、1万500円台まで上昇した2011年の日経平均株価は、ユーロ危機などを受け、11月末にかけては8,000円割れ目前まで下落しました。今後、ユーロ問題の一層の深刻化、世界的な景気後退懸念などを受け、波乱含みの展開が予想されるなか、2012年の国内株式市場はどう動くのでしょうか。今回は、株式評論家の植木靖男氏に、2012年の国内株式市場の行方について、伺いました。
今の国内株式市場の現状を、どのように見ていらっしゃいますか?
植木氏
植木氏 株式評論家植木靖男氏
日本だけでなく、他の国でもそうなのですが、景気や株価が底を打つ時というのは、大体において同じような形になります。チャートの形に例えると、「逆三尊」ですね。そうすると、逆三尊の一番ひどいところが2009年3月でした。この時の日経平均株価が7,054円です。そして、その前の安値が2003年4月につけた7,607円でした。そうすると2009年3月につけた安値が大底だとすると、今はちょうど戻りの局面に入っていると考えられます。その流れは来年も引き継がれていくと考えているのですが、今、ユーロ危機などの影響を受けて、どうもガチャガチャしてしまっている、というのが現状だと思います。
そして、恐らく来年後半から景気が後退しますから、そこで再び株価は下げ基調に入っていきます。その時の底値は2013年前後に来るでしょう。そこを切り抜けることができれば、そこからは徐々に国内株価も回復基調に入っていくでしょう。
確かに、今の下げ相場を見ると不安になると思うのですが、基本的には何も心配する必要はないと考えています。今はあくまでも戻りに入る途中だと思っていますし、少なくとも来年の国内株式市場は、比較的良い環境へと移っていくのではないでしょうか。
来年の日本株が上昇に転じる理由は何ですか?
植木氏
株価が上昇するためには、2つの条件が必要です。ひとつは流動性の供給、そしてもうひとつが景気回復です。今の実体経済が悪かったとしても、先行き、景気が回復する、カネもジャブジャブであれば、株価は上昇傾向をたどっていきます。現状はどうかというと、来年の景気に対する期待感は、まだそれほど盛り上がっていません。むしろ悲観的な見方の方が多いくらいでしょう。
でも、お金はジャブジャブの状態にあります。第一次補正、第二次補正が行われ、第三次補正では12兆円という大盤振る舞いになりました。さらに今後は、第四次補正もあるのではないかとさえ言われています。これだけの規模で補正が打たれれば、間違いなく著しい金余りが生じてきます。
日経平均チャート
日経平均チャート
出所:QUICK ActiveManager
過去を振り返ると、2009年3月に株価が大底を打ってから、世界中の株式市場の動向を見ていると、日本だけが上が方が小さい。他の国は大きく回復したのですが、日本の株価だけ反応が鈍かったのです。それはなぜかというと、日銀が資金供給を渋ったからです。
ただ、今度は3月に大震災が起こったこともあり、日銀としてはお金を出さざるを得なくなりました。日銀は思い切った量的金融緩和政策を打ち出してくるはずです。したがって、過剰流動性については何ら心配いりません。この点については、株価が上昇する条件を満たしています。
では、景気の先行き期待感はどうなのかということですが、こちらも来月、再来月になってユーロ問題にもある程度、道筋が見えるようになれば、日本経済に対する見方も変わってきます。つまり、今は総悲観状態ですが、徐々に震災特需の効果もあり、最も景気回復のスピードが速いのは日本だ、ということになるでしょう。そうなれば、日本の景気に対する先高期待も高まってきますので、過剰流動性と合わせて、日本の株価が上昇に転じる条件が揃うことになります。
市場関係者の株価に対する見方はどうでしょうか。
植木氏
11月の半ばまで、市場関係者の見方は二分されていました。11月中に底が入るという見方と、来年2月に底が入るという見方がそれです。もともと来年2月に底を打つという見方が有力でした。というのも、ギリシャ国債の大量償還があったり、企業決算が徐々に見えてきたりというように、さまざまな出来事が重なってくるからです。
ところが、11月中にユーロ危機が一段と深刻化したことによって、株価は大きく下がりました。その結果、どうも大底のタイミングが前倒しになっているのではないかというのが、目下、市場関係者の間では有力な見方になりつつあります。
GDPベースで言うと、2011年10~12月は最悪の数字でしたが、これが先延ばしになったとしても、2012年1~3月期には底を打つでしょう。よく株価は景気に先行すると言われますが、これは景気が天井を打つ場合の話です。この場合は、景気のピークに先んじて、株価が天井を付けてくるのですが、景気が底を打つ時は、株価も同じタイミングで底値を迎えることになります。たとえば1989年12月、日経平均株価が3万8,915円の大天井を付けた時は、1年以上も株価が景気のピークに先行しました。実際、景気が天井をつけたのは、2001年の春先です。
これに対して、2009年3月に世界景気が底を打った時は、株価も同じタイミングで大底を付けに行きました。こうしたことから考えると、もし2011年10~12月のGDPで見て、ここが景気の大底だとしたら、株価もそろそろ大底を迎えてもおかしくないということになります。
その時の株価は、8,000円前後だと考えています。今、市場参加者の話を聞くと、8,000円割れもあるという声が多く、まさに総悲観ですが、こういう状態の時に株価は大底を打つものです。
日本株に投資するチャンスが近づいているということですか?
植木氏
植木氏
そうですね。今の相場環境というのは、カラ売りをしても取れない、買っても取れないというような状況です。株価の値動きが、完全なこう着状態に陥っているのです。このような時は、大体大底圏にあることが多いのです。
そういう状況のなかで、もし年明けに底が入るのだとしたら、来年には日本の株価は戻り基調に入っていきます。目安としては、日経平均株価で1万2,000円から1万3,000円程度の戻りが期待できると思います。
では、いつ買いに行けば良いのかということですが、これは赤ちゃんが育つ過程と同じだと思ってください。どういうことかというと、大きな赤ちゃんが生まれた場合、その赤ちゃんは成人になった時、非常に大きく育ちます。株価もそれと同じです。底値からの反発が大きければ大きいほど、その後も株価は大きく上昇していきます。それをよく見ることが大切です。
それとともに、底を打ったとしても、慌てて買いに行かないことが大切です。過去の経験則から言うと、週足で3週間、陽線が続くと、その後もしっかりとした足取りで株価は上昇していきます。確かに、3週間連続で陽線を付ければ、株価も相応に値上がりしているでしょう。でも、2012年夏くらいまで株価が戻るのであれば、何も慌てて買いに動かなくても、株価上昇の足取りがはっきり見えてから買いに動いても、十分に値上がり益を取ることができます。
仮に日本の株価が今後、上昇トレンドを描くとして、その時のテーマは何でしょうか。
植木氏
来年にかけて物色のテーマになるのは、内需でしょう。何しろ世界経済全体がシュリンクしていきますから、なかなか輸出で儲けるというわけにはいかないと思います。ですから、内需が大きなテーマになるのではないでしょうか。
今期の企業収益を見ても、上場会社の2割くらいは減益になると思うのですが、新興企業は2.3倍くらいの増益になっています。新興企業というのは中小型株ですから、2012年の国内株式市場は、中小型の内需関連株式というのが、物色の対象になるはずです。
振り返ってみると、2006年1月にライブドアショックが起こり、2000年くらいから続いてきた中小型株相場は終わりました。そこから5年くらいの低迷期を経て、ようやく中小型株式が物色される順番になったということです。その象徴的な出来事として、新興企業の2.3倍という増益を挙げることができます。
ユーロ危機が深刻化していますが、日本の株価に及ぼす影響をどう考えれば良いですか?
植木氏
確かに、東芝やパナソニックなど、欧州に輸出をしている企業にとっては非常に厳しい状況だと思いますが、少なくとも為替面からみると、この円高も遠くない時期に収束しそうです。恐らく1ドル=73円前後まで円高が進むと、その時点で目先の円高局面は終わるでしょう。
下期における輸出企業の為替予約を見ると、大体1ドル=75~77円で米ドルの売り予約を設定しています。したがって、そこから大きく円高方向に進むとも思えません。景気が一応、底を打ち、円高も終わりということになれば、ますます株価にとってはプラス材料になります。
ただ、ユーロ問題が一段と深刻化した場合は、日本の株価に及ぼす影響も大きくなるでしょう。かつて、さまざまなバブルが起こりましたが、唯一バブル化していなかったのが国債です。そのバブルが欧州で崩れました。今後、大きくバブルが崩れるのは、恐らく日本でしょう。日本の国債バブルが本格的に崩れた時は、株価も再び下落するはずです。
ドル/円(日足チャート)
ドル/円(日足チャート)
出所:QUICK ActiveManager
もっとも、それが現実化するのは、もう少し先の話になると思います。少なくとも2012年の日本株は、戻り基調のなかで1万2,000円から1万3,000円を目指す動きになります。来年2月頃に底入れし、3月から夏場くらいまでは上昇しますが、年末にかけては復興特需に対する相場の疲れが出てきて、再び調整に入るというのが、2012年相場の大まかな流れだと考えています。
掲載日:2012年月1月4日
植木靖男(うえき やすお)氏プロフィール
株式評論家・証券アナリスト
植木氏 1938年東京都生まれ。
慶應義塾大学経済学部卒業後、日興証券(現・日興コーディアル証券)に入社。
調査部門や株式本部などに所属し、1998年に独立。
ポコフィナンシャルオフィスを設立。
新聞、ラジオ、テレビ、週刊誌、講演会で株式評論家として活躍中。


 
   
    

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